〈川俳会〉ブログ

俳句を愛する人、この指とまれ。
四季の変遷を俳句で楽しんでいます。「吟行」もしていますよ。

拾い読み備忘録(90)

2016年04月19日 17時17分13秒 | エッセイ
なぜならば、もうろくし始めると、呼吸、消化、思考、衝動、その他あらゆる類似の機能は失われないが、自分自身をうまく用うること、義務の一つ一つを明確に弁別すること、現象を分析すること、すでに人生を去るべき時ではないかどうかを判断すること、その他すべてこのように良く訓練された推理力を必要とする事柄を処理する能力は真先に消滅してしまう。したがって我々は急がなくてはならない、それは単に時々刻々死に近づくからだけではなく、物事にたいする洞察力や注意力が死ぬ前にすでに働かなくなって来るからである。
マルクス・アウレーリウス「自省録」神谷美恵子訳 岩波文庫 1956年
富翁
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