私の思いと技術的覚え書き

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バルブトレインのこと・ある書評から

2018-12-24 | 技術系情報
 近日図書館から借り出した「自動車用ガソリンエンジン設計の要諦」という、ちょっと小難しい本に基づいて記してみます。ところでこの書籍の出版社は「山海堂」でしたが、倒産してしまって久しく経ちます。自動車関連で調べてみよう、研究してみようという者にとって、非常にためになる数々の本を見てきたのですが大変残念な倒産でした。昨今は、三栄書房というところで「MF・イラストレーテッド」なるメカ解説本が様々な表題で出されていますが、まるでレベルが異なる内容だと思っています。MF・・・の私見ですが、発売当初は何冊か購入してしまい後悔しましたが、本題の核心となるページが僅か数ページで、数枚の写真以外は解説者のレベルが低く、話しにならないというものです。後は、全然関係ない内容で本のボリュームだけを膨らませたインチキ雑誌だろうと判断し、以後は購入することはなくなりました。これなら本屋で立ち読みし、もしも本当に知りたい写真でもあれば、スマホのカメラで写し撮って来れば済むことでしょう。一般のカー雑誌も、元三流ドライバー出身記者のメーカーをおもねる記事で埋め尽くされ、写真以外の記事を読んで納得するのは、よほどクルマのド素人だけでしょう。巷出版不況と云われ久しい訳ですが、こんな雑誌では本当のクルマ好きが買う訳ないこと判っちゃいても、広告主のカーメーカーがある以上、どうにもならないということでしょう。この様に対等の関係になれぬ者は、公平な評価はできないと云うことは、気を付けて眺めると様々な事柄に結構あることに気づかされます。例えば、事故車の損害について、保険会社と車両メーカーおよび大手カーディーラー間に類似の問題を内在していると思えます。閉話休題。

 バルブトレインですが、OHC以降でクランクシャフトの1/2で回転するヘッド上のカムシャフトを、どの様に駆動するかという問題です。当初やレーシングエンジンでは、今でもギヤトレインですが市販車では、回転変動があるため騒音の点で嫌われ、チェーンが使用されていたが、80年代にコックドベルト駆動が瞬く間に世界に普及しました。しかし、その信頼性の問題から現在はチェーンに回帰しています。この問題について、筆者は、チェーンでも寿命はあるが異音が高まるなど予兆があるが、ベルト方式では一切の予兆がないことが最大の問題だったと述べています。それと共に、当時一切ベルト方式のエンジンを作らなかったドイツメーカーがあり、これは垂涎されるべきことだと記しています。(ベンツかBMWの何れかであろう)

 先にギヤトレインは騒音の点で市販車には使われぬと記していますが、ディーゼル(大型用)については別だと述べています。それは、元々ディーゼルがガソリンより燃焼音が大きいことと、圧縮比が高い故、極めて精緻なバルブタイミングが求められ、これが狂うとエンジンに決定的なダメージが生じるからと記しています。そこで、今回私が、なるほどと納得ができたことが次の内容なのです。

 それは、ガソリン系の小型エンジンしか触れていない者には判らないと思いますが、大型系のディーゼルエンジンについては、既に20年近くも前から、バルブトレイン機構(ギヤトレイン)がエンジン後部に装着されている理由のことなのです。これを筆者は「クランクの回転変動の節となる位置から」と記していますが、様はクランクシャフト後端フランジには大容量フライホイールが結合されて回転変動を吸収しており、クランクシャフト上でもっとも変動が小さい部位と考えて良いでしょう。当然、シャフト前端部にはトーショナルダンパーが付き、ねじれ振動を吸収はしているのですが、回転変動を前端と後端で比べればどちらか小さいかは自明のことでしょう。


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