私の思いと技術的覚え書き

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モジュラーエンジンとは?

2017-11-19 | 車両修理関連
 最近、BMW等を筆頭にモジュラーエンジンなる表現を聞く。これは、例として1気筒を500ccとして、3気筒なら1,500c、4気筒なら2,000cc、6気筒なら3,000ccという様なエンジンだ。そこで、単シリンダー500ccについて、燃焼室形状(ピストン頭部形状を含む)やインテークおよびエキゾーストバルブの傘径や、その挟み角といった配置、そしてポート形状までも徹底的に最適燃焼を追求した上で成立させているのだろう。当然、そこには燃焼状態に多大の影響を与えるスキッシュ(TDC直前に生じる押し出し流)とか、スワール(シリンダー内の水平旋回流)、タンブル(シリンダー内の縦の旋回流)等の要素を加味し、如何に最適混合気を作り出すかということである。但し、ガソリン直噴が多くを占めるに当たり、必ずしも均一な混合気と云うことではなく、プラグ付近は濃でその他は薄もあり得る。いずれにしても、燃え残りなく、しかも過早着火などのデトネーションをなるべく押さえた燃焼ができるかという追求である。

 このモジュラーエンジンと呼ばれる以前にも、新型エンジンでブロックは新設計でも、ボアピッチ(間隔)は同一ということが良く見られた。これは、エンジン加工用のマザーリングマシンたるボーリングマシンが旧来のものが使える、つまり生産コスト圧縮のためだった。このことは、モジュラーエンジンでも意識しているのは当然のことだろう。そして、さらにモジュラーエンジンでは、最適な単シリンダーのピストン、リング、バルブ、リフター、ロッカーアームなどを共有できるがため、生産コスト圧縮と低気筒数化は燃費低減が最終目的だろう。

 但し、4気筒および6気筒(L6)は良しとして、幾ら低燃費指向とはいえ3気筒は到底受け入れ難いというのが私見だ。軽自の660ccは3気筒が常態化したが、それは単気筒220ccという小排気量が故に振動が許容できる範囲であっただろう。しかし単シリンダー500ccの3気筒ともなると、当然バランスシャフトを採用し一次の慣性バランスは相殺しうるだろうが、到底上品なフィーリングになるはずはないと決めつけているのだ。このことは、軽自に乗って、まあ軽だからこんなものかと思っているが、ヴィッツ当たりの1,000cc3気筒に乗ると、その振動感とビート音に、酷い代物だと思い続けているのだ。これが、マークX並の価格のプレミアムスモール輸入車たるBMWミニ(F56)には、1,500ccとして搭載されているのだが、どんなに上手く設計しようが到底プレミアム(上品)なモノにはならんだろうと独断で決めつけているのだが・・・。


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