私の思いと技術的覚え書き

歴史小説、映画、乗り物系全般、事故の分析好きのエンジニアの放言ブログです。

トラック用ATの主流は何になるのか

2015-08-27 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
 昨日借りて往復300km程を走ったイスズ・エルフ車載車ですがAT付きでした。このエルフですがOEMで日差、マツダ、UDに供給されており、このクラスでは比較的多く見掛けるクルマです。このエルフですが、AT付きですが、発進はクリープもありスムーズなのですが、いかにせよ変速時間が長過ぎます。おおよそ1秒程でしょうか、スロットルオフの惰行状態が続きます。ですから、平地ならまだしも登り傾斜路では失速感著しく疲れる代物です。エンジンは力感もあり、良いのに残念なクルマです。

 ちょっとだけ調べてみると、該当エルフのトランスミッションはスムーサーEXとメーカーが呼称するもので、フィールドカップリングと湿式多板クラッチを併用し、トランスミッションの変速機構はマニュアルと同様のものを油圧駆動で電子制御しているというものらしいです。しかし、何故に変速時間をここまで遅延しなければならないのか? ギヤの同期を待ちつつ、シフトタイミングを遅らせているのか? しかし、加速でここまで遅延させると、かえって回転数の不一致が大きくなる様にも思えます。この辺りはディアルクラッチには適わない点と思えます。

 ところで今日のこと、知り合いの板金屋さんに仕事をお願いするために訪問したのですが、中古の車載車を購入したとのことでした。車載車は新車で700万近くしますから、なかなか高い代物です。その車載車(ふそうファイター)を見ながら、程度も良く高年式で結構したなと想像しました。これがやはりATとのことでした。こちらは「ふそう」が当初から搭載し始めたディアルクラッチ式です。2、3質問して見ました。どう、微速発進とか急登り傾斜、突起乗り越え発進の様子は? ということをです。この答えは、やっぱり苦手で、なかなか動かなかったり、アクセルを踏みすぎると急激にミートしてビックリするというもので、VWなどの乗用車で実体験しているものと同様です。それと、板金屋さん曰く、リバースにシフトした際、動き出すまでの時間が掛かり過ぎる様に感じるとのこと。これはリバースギヤは常時噛み合いでなく、ノンシンクロのリバースアイドラギヤをスライドさせて噛み合わせるという、一般的なMTの機構上、ギヤ鳴りを嫌いシフトを遅延させているためと想像されます。

 最期に、MTで微速発進したり、突起乗り越しなどある程度抵抗がある場合、回転数一定でゆっくり半クラッチ状態を調整しながら長く継続する操作はクラッチを摩耗させます。慣れたドライバーなら自然とやっているのですが、軽くアクセルを煽りながら、適当な回転数に下がった瞬間、ちょんちょんとクラッチを断続的に繋ぐという操作です。そして、車両の動きにに合わせてアクセルの煽りの大小を替えます。これで半クラ状態は最小限で済みます。こういう芸当は、現状では機械にはできない様です。

 ターボ化により排気量を縮小された現代ディーゼルですが、それでなくともパワーバンドが狭いディーゼルの宿命から、トランスミッションは多段化傾向に向かうのでしょう。大トラ、トラクタなどでは14段とか18段もある様(いずれもMT)ですが、これらは操作性からATが望ましいのでしょう。大トラを運転する機会はないですが、3トンクラスまでを運転する限り、現状ではあらゆる局面で良好なドライバビリティを持つのはコンベンショナルなトルコン+プラネタリギヤセット(2、3、・・・)のAT(MTモード付き)と思えます。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。