私の思いと技術的覚え書き

歴史小説、映画、乗り物系全般、事故の分析好きのエンジニアの放言ブログです。

街道を思う

2012-01-07 | 沼津そして伊豆周辺
 司馬遼太郎氏の「街道を行く」も素晴らしいですが、昔ながらの街道を辿り考えて見るのも楽しいものであります。我が住まい近くには、天下の険を抱える箱根東海道(現在の国道1号線)と脇街道となる下田街道、甲州街道、そして東海道が開通する以前の東海道たる、鎌倉街道(往還)などがあります。

 これら街道は、往時は大部分が人が歩行して、僅かに牛馬が歩いた道です。世に自動車なるものが走る様になって、これらの旧街道を拡幅したり、場所によっては沿わせたりして現代の街道(国道とか県道)が出来ている訳ですが、後年作られた○○バイパスと違い、旧街道は昔の歩行街道を大まかに重なりつつ通過しているものです。これには種々の理由があるのでしょうが、最短距離で都市村間を結ぶというのが主たるものなのでしょう。

 さて、メイン街道である東海道ですが、箱根8里(32km)は、急坂の難所として往時の旅人を悩ませたことが知られています。そんな歩行のし困難さを少しでも和らげようと、急坂の箱根路区間は石畳が整備されたのだそうです。この石畳は、一部ですが箱根時の各所に発掘、復元され往時の姿を味あわせてくれます。

 しかし、この石畳をちょっと歩いて見れば判りますが、敷き詰め並べられた石が不揃いで、凹凸も大きく、雪でも降ったらかえって滑って危なかったとも思えます。しかし、雨中で道がぬかるむこともなく、多くの場合旅人を助けてくれたことでしょう。

 ところで、石畳と云うと欧州のそれが思い浮かぶものです。あちらは、かなりしっかりした石が、平坦に規則正しく並べられたもので、主に馬車時代の交通を円滑にするために作られたものの様ですが、その一部は現代でもクルマの走行路ともなっています。ちなみ、自動車メーカーやタイヤメーカーのテストコースにはベルジアン路(石畳路)と呼ばれる試験区間があり、車両のNVH(ノイズ、バイブレレーション、ハーシュネス)試験が行われているそうです。




最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。