私の思いと技術的覚え書き

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ジャガーの思い出

2012-10-07 | 技術系情報
 最近ジャガーFタイプなるコンバーチブルモデルが登場しました。これはこれで、最新のトレンドを取り入れ斬新なデザインでカッコ良いクルマと思えます。しかし。筆者がジャガー社のスポーツカーを思う時、真っ先に頭に浮かんでくるのはEタイプ(1960-1975)のことです。

 Eタイプジャガーは、3.8L(シリーズ1)ストレート6エンジンのFR駆動車ですが、サイドドラフトSUキャブを3連を備え、ブレーキはレーシングカーでジャガーが初採用のディスクブレーキを装備しています。車体はモノコック構造を基本としますが、ダッシュパネルから前の骨格は、写真に示す様なトラス状のスペースフレーム構造です。そして車体前部を覆うフロントカウルはFRPの一体成形もので、これがチルトしてエンジンの整備が行えるという、非常にレーシーともいえる構造を持ったものでした。もっとも、現在の衝突安全基準では、この様な華奢ともいえる車体前部の構造では、潰れ剛性が低すぎて型式認証を取得することはできないでしょうが・・・。

 なお、Eタイプはマイナーチェンジ毎に排気量を増し、最終的には5.3L/V12エンジン(シリーズ3)を搭載するに至ります。しかしこの、クーペもしくはロードスターの両モデルの美点は、ストレート6の3.8Lか4.2Lのものに限るというのが私見です。

 最後にFタイプジャガーの話しに戻ります。このクルマは、車体骨格を含めオールアルミボデーを採用しています。このオールアルミボデーの採用車は、ジャガーに限らず徐々に増えつつあり、衝突時の修理も可能とはされています。しかし、サイドフレームやサスペンンションブラケット部など大きな応力を負担する部位に変形などが生じた場合、修正でなく部品の交換をメーカーでは指定しています。その結果、部品代やその取替工賃、関連した作業を加味した修理見積額は車両価値を上回り、ほとんどが全損となり事実上修理されることが困難となってしまうのです。燃費改善や両運動性の改善に寄与する軽量化は必用でしょうが、ボルトオンの外板パーツ以外の、モノコック本体のアルミ化は疑問な方向性だというのが私見なのです。




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