私の思いと技術的覚え書き

歴史小説、映画、乗り物系全般、事故の分析好きのエンジニアの放言ブログです。

ダイカスト(ダイキャスト)のものの始めの風景

2019-10-22 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
 マッチボックスの往時の製造風景ですが、感慨深げに眺めました。ダイカストは、それまでの砂型鋳造という型を、ダイ(金型)を繰り返し使用できることにより、一躍世の工業製品の量産性を向上させました。そして方々技術の進歩は、超硬合金製プレス型による板金成型から、アルミや亜鉛という比較的低融点金属のキャステング、そして樹脂の射出成金型として、およそあらゆる工業製品に応用されて云います。この金型技術の世界最先端を走って来たのが我が国だろうと思います。

Matchbox Toy Cars: How They Are Made (1965) | British Pathé
https://www.youtube.com/watch?v=-DRbgYLhc4Y


追記
 今やプラモデルは往年の人気はなく、ガンプラなどの着色済みの組立モデルくらいしか人気はない様だが、主に年配者が多いと聞くスケールモデルの世界は日本の独壇場の感が数十年前に世界的に確立されている。それら我が国のプラモデルメーカーは、静岡県に集中している。トップメーカーのタミヤ模型から、バンダイ、フジミ模型。長谷川、アオシマ文化教材など、静岡県中部地方に集中している。

 この理由は、そもそもクルマの部品の開発でもかつてはそうだったのだが、製品は金属は樹脂でも、試作は木型で作り、デザインや寸法採寸などの評価を行うことが多かった。その木工技術としての家具の製造業が静岡県中央部に多かったことが源流となったと聞いている。プラモデルができる以前、木を削り出しモデリングする俗にソリッドモデルというのがあり、これは今でもカスタムモデルを生み出すマニアや博物館などで一品物として提示されているものがそれだ。

 当初はその木型をからならい成型で、同寸だとか縮尺モデルとしての精巧な金型を作り出すことが行われたが、昨今は3Dデータで直接マシニングを駆動し、精巧な試作モデル作って評価した後、決定した3Dデータで精巧な金型を作り、その凹凸空間(キャビティ)に樹種を射出成型したり、ダイカストとして溶融金属(主に亜鉛(融点400℃)でやアルミニウム(融点660℃)を注入したりして製品製造が行われる。

 昨今のクルマの運転席に坐ると、ステアリングホイールとホーンパッドくらいは軟質樹脂だが、およそインストルメントパネルの立体造形のほぼ総てや、ドアライニングが硬質のPP樹脂だと云うことが判る。それでも、それぞれの質感はレザー風のシボであったり、カーボン調であったり、ザラザラのつや消し状態であったり、ピカピカのビアノブラック調であったりと使い分けられている。これは、電解溶液中でマスターの表明形状と母型表面に精工に転写できる技術だ。


鋳造とダイカストのこと 2018-05-04
https://blog.goo.ne.jp/wiseman410/e/a728f90be81fa33691e69949b78f12c0


ダイカストモデルのこと 2011-10-21
https://blog.goo.ne.jp/wiseman410/e/823dbac5b0d6334e18613048a2764253

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