私の思いと技術的覚え書き

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サッシュレス・ドアについて

2012-08-28 | BMWミニ
 クルマのドアには、ガラス保持用の枠であるサッシが付いたものとサッシがない、つまりサッシュレスのものがあるのはご存じの通りです。

 一般的なクルマであれば、ガラス保持上からも、ドア廻りのウエザーストリップの密着上からもサッシ付きドアの方が圧倒的に有利かつ低コストでできますから、世の多くのクルマはサッシ付きなのです。しかし、ちょっとスポーティなクルマであったり、昔のハードトップ車やオープンカーですと、サッシュレスドアが求められてきます。

 このサッシュレスドアの場合、ドアガラスの保持上から、ガラス昇降用のレール機構の強度が求められることと、ガラスの上限位置を規制もしくは調整する機構、そしてガラスの内傾具合を調整する機構が必用になってきます。従って、ドアの交換などで分解する場合、サッシ付きよりも多少手間を要する訳です。

 ところで、サッシュレスドア付き車の場合、ある程度サイドガラスを内傾させてガラス上部とウェザストリップの密着性を上げてやる必用があります。そうしないと、雨漏れや高速時の騒音(風切り音、吸い出し音)などの問題が出るためです。しかし、内傾させたがために、ドアの閉まり具合が悪くなってしまったり、ウェザストリップ・リップの噛み込みという不具合が出る場合もあるのです。そんな不具合を防止するため、最近のクルマではパワーウインドのモーターを制御して、ドアを開けるとサイドガラスがちょっと下がり(2cm程度)、ドアを閉めた直後に上限位置まで上昇させる様な仕組みを持つものが増えています。

 最近売却話を記したBMWミニもサッシュレスドアで、ドア開閉時のモーター制御が行われる様になっていました。ついでに余談ながら、このBMWミニのドア内部の機構は非常に変わっていることを知りましたので書き留めておきます。

 通常のドアでは、ドア内側のトリムを外して、ドア本体に組み込まれたレールとかガラスやモーターを外していくにが作業手順です。しかし、このクルマはドアトリムにレールやモーターなどガラスの昇降機構が組み付けられているのです。ですから、ドアトリムとガラスやレールなどを一体でドア本体から付け外しするのですが、初めての作業車は大いに戸惑うことでしょう。

 ちなみに写真は、BMWミニのドアトリムおよびガラス昇降機構を内側から写したものです。前後レール上部(ガラス下部)に付くギヤ状の部品は、ガラスの上限位置を調整するためのナットです。ギヤ状の形状は、ドア組み付け完了後に、ドアベルトモールを外した隙間(1cm程度)から、特殊工具でナットを緩めもしくは閉め付けられる様にする配慮からのものです。なお、ガラスの内傾程度の調整は、レール下部のドア本体にサービスカバーがあり、それを外して、レール固定用ボルトを長穴内で移動させることで行います。




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