私の思いと技術的覚え書き

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偉大なカーデザイナー

2007-12-23 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険

 ここでは、私が独断と偏見で選択した偉大なカーデザイナー(設計者)と主な功績等を記してみます。

①フェルディナント・ポルシェ(Ferdinand Porsche)1975/9/3-1951/1/30
 独国の自動車設計者でポルシェ社のルーツとなる人物。VWビートル(タイプ1)の設計者、また、これを基本にした軍用車両であるキューベルワーゲンやシュビムワーゲンの開発設計も担当した。また、タイガー戦車等の設計にも携わったという。

②アレック・イシゴニス(Alec Issigonis) 1906/11/18-1988/10/2
 英国BMC社の設計者。横置きエンジンFF車の元祖であるミニの設計技術者である。横置き4気筒エンジンとその下部にトランスミッションを配置する2階建てレイアウトで、FFドライブの機構は、イシゴニスレイアウトと呼ばれた。ミニ(今ではクラシックミニと呼ばれる)は、1959年~2000年までの41年間もの期間に渡り合計530万台が生産されたベストセラーカーであり今もファンが多い。また、そのレトロなデザインモチーフは、日本車でも模倣されたクルマがある。

③ダンテ・ジアコーザ(Dante Giacosa)1905/1/3-1996/3/31
 伊国フィアット社の設計者。ミニの影響を受け、さらにイシゴニスレイアウトを改良し、エンジンとトランスミッションを直列に配置するレイアウトとして考案し、アウトビアンキ・プリムラ(1964年)を開発し発表した。この現在主流となるFF車のレイアウトは、ジアコーザドライブとも呼ばれる。

④アール・マクファーソン(Earl MacPherson)1891-1960
 米国の自動車技術者。従来のダブルウィシュボーン式サスペンションを簡略化させたストラット方式サスペンションとして考案した。英国フォード・コンサル(1950年)の発表が初採用であるが、この方式とモノコックボデーとの相性が良いこともあり、前輪用のサスペンションとしては瞬く間に世界中で普及し、一番採用例が多い方式である。考案者にちなんでマクファーソンストラット式と呼ばれる。

⑤コーリン・チャップマン(Anthony Colin Bruce Chapman)1928/5/19-1982/12/16
 英国の自動車設計者。ロータスカーズの創業者。レーシングカーでの革新的新技術の考案例は数多い。モノコック方式の車体設計初採用、同じく真に戦闘力のある実戦的ミッドシップ配置の採用、同じくエンジントランスミッションをストレスメンバーとして初採用、グランドエフェクト(地面効果)カーの初採用。レーシングカーにおけるアクティブサスペンションの初採用。市販車ではオールFRPモノコックのエリートや鋼板X型バックホーンフレーム+FRPボデーのエランやヨーロッパ、ストラットサスの後輪への初採用(チャップマンストラットと呼ばれる)等々がある。

⑥本田宗一郎(1906/11/17-1991/8/5)
 中卒、16才で自動車修理工場へ丁稚奉公し22才で独立する。1948年、39才で本田技研工業を創業する。二輪車の生産からスタートして、世界的企業であるホンダを作り上げる。なお、忘れてならないのは、藤沢武夫という人物が適切に本田を補助する相棒として存在したことが、ホンダ成功のキーであったことは間違いない。
 レース活動に熱心でマン島TTレース出場宣言から6年で優勝を成し遂げる。また、1962年には自社所有の鈴鹿サーキットを完成させる。未だ4輪車生産もしていない段階で、F1グランプリへの出場宣言をし、翌年のメキシコGPで優勝を果たす。F1再参戦した1987年~1991年まで連続してホンダエンジン搭載車が年間優勝する。(ドライバー:アイルトン・セナ等)
 一方、低公害エンジンへの開発も熱心で、未だホンダが弱小企業であった1971年にCVCCエンジンを発表し米国マスキー法をクリア、世界中の大メーカーを驚かせた。
 スポーツカーの開発にも熱心で、過去のS600、S800シリーズや、オールアルミボデーのスポーツカーであるNSXを1990年から販売した。NSXの生産は2005年で終了したが、S2000が継続生産されている。
 もう一つのホンダ製品として忘れられないのは、スーパーカブがある。1958年に登場以来、生産台数は2006年12月時点で累計約5,300万台にも達し、輸送用機器の一シリーズとしては世界最多量産・販売台数を記録しており、依然製造中なのである。なお、最新のものは、キャブレーターから燃料噴射へと変更されている。
 ホンダ4輪車のボデー生産技術は、その思想がトヨタ、ニッサン等とはかねてより異なっているものがあった。その一つがサイドパネルの一体構造である。初代Z(1970年)から採用されているが、ボデーサイドパネル(フロントピラー、ルーフサイド、Rrフェンダー、ロッカーパネル)を一体パネルとしてプレス成形し、ルーフ上部でルーフパネルと接合するものである。接合部位の凹部にはモールディングを装着しカバーリングするというもの。現在の世界中の多くのクルマで一般的に採用されるボデーワークとなっている。


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