私の思いと技術的覚え書き

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サブ・フレーム構造について

2012-01-25 | 技術系情報
 モノコックボデー車において、車体の一部に鋼板(もしくは鋼管)溶接製やアルミダイキャスト製の部分フレーム(ここでは以降サブフレームと呼称)を採用したクルマは多くあります。

 このサブフレームは、前後のサスペンションを中心として設計され、その可動部(以降ビボット部と呼称)をサブフレームに設定することで、ビボット部の位置剛性を高めたり、ロードノイズなどのインシュレーション(遮断)性能を向上させたりの目的があります。

 前部用ではロの字状の大型メンバー構造を持ち、サスペンションピボットウケだけでなく、エンジン・トランスミッションの荷重や駆動反力を受けるものも多くあります。最近は、この手のロの字メンバーのサイドメンバーと平衡になる部位を衝突の際のエネルギー吸収材として利用しているとの話しも伝わります。これは、車体変形の面で厳しいオフセット衝突対応からであろうと思われます。

 後部用としては、以前から独立懸架車では、デフギヤおよび各サスペンションアームビボット部の設定用に立体的に構成されたサブフレームを持つ事例は多くありました。

 ところで、事故修理の中でサブフレームの取替を行う場合があります。それは、タイヤが他物とヒットし、サスペンションアームの曲損が観察される場合が多いのですが、やや疑わしいからだけの理由で闇雲に取替がなされる場合が多い様に感じています。多くのサブフレームの場合、それ自体が基準となる寸法を持つこともあり、明細な寸法図が提供される場合が多くあります。また、寸法図の入手ができない場合であっても、対角寸法の比較など、損傷の確認は相当程度にできうる場合が多いと思われます。従って、十分な寸法計測の上、取替の妥当性を追求すべき問題が多くある様に感じられます。



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