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燃料噴射とパーコレーション

2011-06-30 | 技術系情報
 だいぶ以前、ガソリンエンジンのトラブルの一つとしてパーコレーションのことを記していました。この検索アクセスが比較的多いと感じられること、そして、キャブレターに限定して生じる現象と記したが、ガソリン燃料噴射(インテーク・ポート噴射)でも類似の要因としてのトラブルがあることを追記してみます。

 クルマ用ガソリンエンジンとしての燃料噴射は、今やキャブレターを駆逐し滅びさせてしまった感があります。このガソリン燃料噴射ですが、吸気管内(インテークポート)へ噴射する方式と、シリンダー内へ直接噴射する方式がありますが、ここでは吸気管内噴射を前提として記します。

 吸気管内噴射では、燃料タンクからフューエルポンプで圧送された燃料を、各シリンダーの吸気ポート毎に装着されたインジェクター(噴射ノズル)の入り口部でまとめる管(デリバリパイプ:最近のディーセルではコモンレールと呼ぶ)に導いています。そして、デリバリパイプ出口付近にはプレッシャーレギュレターが設置され、吸気管圧力との差圧が0.3MPaに保たれるよう調圧されています。なお、調圧された余分の燃料は、リターンパイプを通って燃料タンクに戻されます。

 さて、今回の本論ですが、走行後にエンジンを停止した場合、プレッシャーレギュレター内の弁は完全に密閉され、燃圧を保つことができる様になっています。これにより、再始動においても燃圧の立ち上がりを待たずに、ほぼ瞬時の再始動がおこなえる訳です。しかし、プレッシャーレギュレターの弁の密着不良を生じると、エンジン停止で燃圧はゼロになります。そこに、走行直後のエンジンルーム内の余熱が作用すると、デリバリパイプ内の燃料はボイリング(気泡)状態となってしまいます。この様な状態で、再始動を試みると、クランキング時間が異常に長いというトラブルとなる訳です。

パーコレーションとは何か



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