私の思いと技術的覚え書き

歴史小説、映画、乗り物系全般、事故の分析好きのエンジニアの放言ブログです。

オイルメンテのこと

2016-10-28 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
 多分に私見を含むので、自己判断の上で適当に見てもらいたい。
 BMW(MINI含む)のオイルサービスについて、計器板に25千キロ(実際は噴射時間の積算で変動)で表示のことを記したところ、やはり過大なものと考えてる方は多い様だ。新車から5万ぐらいなら、まだまだスラッジも溜まってないからトラブルも起きまいが、それ以後はリスクを高めるだけと思っている。特に、最近のダウンサイシング(小排気量)ターボで、しかも直噴だと、PM多からオイルは黒化するし、ターボベアリング(メタル)の熱影響も受けるから、オイルの劣化は進むハズと思える。

 ちょっと前に、VANOSのトラブルで、制御バルブ入口に設置された網目にスラッジが詰まって作動不良を生じた事例を紹介した。もし、同様なことがオイルパン内のオイル吸い取り口(ストレーナー)で生じたら、写真の様にエンジンに決定的なダメージが生じる。(国産ではホンダがストレーナー網目が細い)

 重ねての私見であるが、オイルに入れる添加剤というのを信用していない。もし、セールスポイントにある様な効能が本当にあれば、カーメーカーなりオイルメーカー(石油会社)が、その様な成分を入れて作るだろうと思っているからだ。それよりも、モービル1見たいな超高級オイルでなくとも、一定のブランドで、適度な粘度のマルチグレードオイルを、ある程度の運転条件と期間に応じた中で、短めに替えた方が良いと思っている。

 それと、ATのオイルはメーカーの指定に順次、むやみに替えないこと。また、メーカー指定のオイル規格が、近年は変更され続けているので、必ず規定を守ること。できれば、高額となるがメーカー純正ATF(フルード:単なる潤滑でなく動力を伝える液体という意味)にすること。

 ここで、むやみに替えないと記したが、「新車から8万キロだから交換してみようか」という感じで行わないこと。これを行って、しばらくして滑りを生じる事例を見て来た。これは、新しいオイルの清浄分散作用が効いたのだろう。オイルパン内に多量の多板クラッチフェーシングのカスなどが流れ落ち、そのためオイルストレーナーの網目(エンジンより細い)が詰まり、オイルを吸えなくて、滑りが生じたのだ。できうるならば、オイル交換時にオイルストレーナーの清掃、もしくは輸入車などオイルパン内がストレーナー構造となっているものは交換した方が良いだろう。

 あと、MTとデフ関係だが、FF車ならトランスアクスルで共用だし、デフもヘリカルギヤ(斜歯)だから、ブランド物ギヤオイルで粘度がマッチするものなら問題ないだろう。但し、なるべくマルチグレードを使用したい。これからの冷間時、セカンドへのシフトが硬いとかにならないためにも。それと、LSDが組み込まれている場合は、その種別や指定に準じること。

 最期にFR系のデフオイルだが、ハイポイドギヤオイルのブランド物で、粘度が一致すれば問題はないが、LSD付き(機械式のもの)は、指定がある場合があり注意が必要だ。何れにしても、デフギヤは、およそクルマの部品の中で、最も大きな荷重を受けて機能するパーツであり、最高度の歯面強度が得られる素材から製造される。従い、オイルへの要求も高い。


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