現在の外房線が房総東線と呼ばれていた頃は,房総西線や総武本線の始発・執着駅として,両国が大きなターミナル駅だったという記憶があります。
そこから線路が始まっている駅。そこで線路が行き止まっている駅。
あれは1965年の夏だったんだな。7月21日から8月20日までのひと夏を,民宿というか,農家のはなれで過ごした夏。学校の行事等で東京に戻って,また両国から準急に乗って海に向かう,そんな繰り返しの一ヵ月間でした。
列車名も「そと房」「外房」「犬吠」(銚子行)「内房」など,後の東京駅地下始発「青い海」「白い砂」等の夏期臨時列車とはまたちがった趣きがあったような。いずれにせよ半世紀前の記憶なので細部は不確かです。
そういう房総東線の淡い記憶を辿るのが好きだから,今でも恩師の墓参の際は,菩提寺の最寄駅から次の駅まで海沿いを歩きます。
海沿いといっても実際に海はあんまり見えない,たまにちょこっと見えるだけ。それに結構距離があります。
常緑樹に覆われた丘陵地帯を歩いて行くと,左側にいきなり海が現れ,また丘陵地帯,そして海。その繰り返し。
この海が好きなんです。(Take)