ミャンマー・日本語学校ブログ

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ヤンゴン在住12年の作者がお届けします。

日本留学セミナー(JAPAN EDUCATION SEMINAR)(2)

2008年02月25日 | 日本語学校
次に日本留学試験(EJU)の問題

EJUでは文系は日本語の他に「日本総合」(日本史、世界史、政治経済、地理)や数学。
理系では数学、物理、化学などの科目を受験しなければならない。

「日本総合」はあまりにも出題範囲が広いため、どの教科書を使ってどうやって教えればよいのか皆目検討もつかない。教師である私がそうなのだから、学生はどうやって勉強すればよいのだろう。それに、良い参考書、教科書もない。まともに教えると2年位かかってしまいそうな内容だ。

また、数学はミャンマーの高等学校で習う数学とかなりシラバスが異なっている。
例えば、ミャンマーの高校では微分、積分は教えない。その他にも、内容というかレベルがかなり違っている。日本の高校数学を教えるにはミャンマーの大学の先生を探さなければならない。

この試験(EJU)を受ければ、日本留学ができるという印象を与えているが、実際はそうではない。渡日前に合格を出す大学が90校あるというが、ネットで調べても授業料減額を行なっている大学はなく、100万円以上の高額授業料を払わなければならない大学ばかりである。

「各大学の詳しい情報はネットで調べて、各大学に問い合わせてください。」と言われるが、大学、短大合わせて1000以上もある日本の大学をどうやって選べというのか。

第三者による大学の評判やランキングなどの情報はJASSOのような公的機関では出すことができない。ここに大きなもどかしさがある。
日本人の私でさえ、日本全国の大学の中で学生のために適当な大学を選ぶのは至難の業なのである。

タイでは年に2回「日本留学フェアー」として、タイ人留学生を積極的に募集している日本の大学の関係者が来て、説明会や募集活動をしている。
そのような機会をミャンマーでも設ければ、大学の選択に役に立つのにと思う。
これこそ、「実践的な情報」なのである。

セミナーの会場で、「自分の娘がEJUを受験してよい得点だったので、JASSO奨学金の受給が決まった。これからどうすればよいか。」と質問した保護者がいた。
その答えは、
「今、ちょうど日本では受験シーズンだから、今から大学に申し込めばよい。」という答えだった。

今から......?

出願期間というものをご存知ないのだろうか?
通常、どの大学でも試験日の1,2ヶ月前に締め切るのではないだろうか。
それに、どうやって出願大学を決めればいいの?どうやって願書を取り寄せるの?
入管に在留資格を申請するだけで1ヶ月半かかるのに、今から4月入学にどうやって間に合わせるの?

「日本に受験に来てください」と言うが、だれが保証人をしてくれるの?
受験会場までどうやって行くの?だれが案内してくれるの?宿泊の手配は?
受験のための短期ビザを申請するだけでも書類や手続きなどで大変なのに.....

まったく現状をご存じないらしい。

「隔靴掻痒(かっかそうよう)」というより、もどかしくて全身がかゆくなってきた。