旧プチ民宿高橋 山口編

宇宙、日本、宇部

鬼軍曹と東京ラーメンたべある記☆ 3/4 

2010-12-26 07:22:55 | ラーメン刑事(東京)

「つけめんTETSU高円寺店」   東京都杉並区 

 

前日、品川で「初代けいすけ」を食べる時、どっちかで迷った店がこの「つけめんTETSU」でした。

品川では振り切ったのですが、ここ高円寺にもあるという事で、何かの縁を感じて入店。

鬼軍曹はつけ麺がそんなに好きじゃないのですが、あえて付き合ってもらう事にしました。

     

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つけ麺って麺が冷たいから、自ずとスープが冷えてしまうという欠点があります。

しかし、この店では熱い石をスープに投入することで、スープ温度が復活するのです。

隣に居たカップルのスープから、凄まじい水蒸気が吹き上げていました。愛あっての事ですね。

   

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テーブルには鉄のレンゲがお行儀良く配置されていました。

これは後で気づくのですが、熱した石をスープに入れる時に使用するのです。

  

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出てきたつけ麺。スープからは魚粉のかほりが漂う・・。

  

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ここのつけ麺は超濃厚豚骨&魚介のスープがウリで、これに病みつきになる人が多いとか。

冷たくしめられた麺を、この熱々のスープにつけて口に運ぶ。

ぐはっ、濃いっっっっ!豚骨&魚介スープがトラウマになってしまいそうな味。

つける為に濃くしているとわかっていても、濃い。麺につけても濃い。

  

そして全員黙り込んだ・・・・・。

    

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終盤に差し掛かって、店員さんが「焼き石如何ですか?」と聞いてきた。

俺は恥ずかしいので断ろうと思った瞬間、鬼軍曹が「お願いします!」とまさかの回答。

 

焼け石が投入されたスープは「じゅーっ!」と凄まじい音と水蒸気を出してました。

これで熱々スープは復活しました。しかし、この時俺は全てを食べ尽くしていた・・・・・。

  

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つけ麺って、スープを割りスープで薄めて飲む文化なんですよね。

一応スープで割ってみましたが、体がかなり弱っていたので量は飲めず。  

 

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間違いなく、うちの嫁は食べれない・・・・、

  

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この店で意外だったのは、女性客が多かった事。帰る時も券売機の前でお姉さんが迷ってた。

それにしても、今回はつけ麺にのされてしまった。どうも自分は魚粉系だダメみたい。

昔、キャナルで「六厘舎」のつけ麺を食べた時は、美味しく食べれたんやけどなぁ・・・。

  

何やろ、豚骨&魚介の味って、どこも似たげな気がする。味の自由度が低いという宿命があるのかな?

広島のラーメンと一緒で、どこの店も味がほぼ一緒みたいな。

  

   

2戦目にして、もう体はボロボロ。ドラクエで言うと「字が黄色状態」。

俺は駅のコンビニで野菜ジュースとウーロン茶を購入して、駅前の植垣にへたり込みました。

本当は中野まで拘束する筈だったU部さんも、「これ以上、彼の家族を悲しませる訳にはいかない!」

と判断し、開放する事に致しました。 

     

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「まじっすか?本当に帰ってもいいんすか?」と安堵感たっぷりな彼の嬉しそうな声を、俺は今でも思い出せます。

 

 

  


鬼軍曹と東京ラーメンたべある記☆ 2/4 

2010-12-26 07:16:33 | ラーメン刑事(東京)

     

「高円寺とりそば大喜庵」  東京都杉並区

   

鬼軍曹のラーメン隊in東京の2日目スタートです。今回は逃げ遅れたU部さんも巻き込みました。  

すぐには帰れない事を奥さんに電話で説明する彼の切なさそうな声を、今でも思い出せます。

 

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基地から近いところでと考えてたら、高円寺にラーメン横丁というのがあるらしく、そこに行ってみました。

ていうか、憧れの高円寺に初上陸!こみ上げてくる想いを抑えつつ、ドキドキしながら改札を抜けました。

  

そこには4件の店が入っていて、「今日は長期戦だから」という事で一番あっさりしてそうな店に入りました。

ここは超有名店「湯島天神下大喜」の分店?大喜といえば雑誌「一個人」で高評価の店じゃなかったけ?

    

メニューをみると明らかに二郎を意識しているメニューとかもありましたが、

俺たちは1番あっさりしてそうな「とりそば」を注文。

湯島の店には沢山のメニューがあるっぽいけど、ここはとりそばをメインにしとるみたい。

   

店内はとても綺麗で、各自荷物を収納できる箱がありました。

オープン直後なので、お客さんは俺達含めて6人。開店直後は狙い目です。

     

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出てきたラーメンはスープが澄んでいて美しい。

スープを飲んだら鳥のうまみが凝縮された繊細なスープ。悪く言えば薄い。

麺はかんすいをあんまり使ってない系。鹿児島ラーメンの麺に似とる白い麺。東京にしては細めのストレート麺。 

                    

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炙った鳥さんが入っていました。とりそばだからチャーシューじゃないのね。今気づいた。  

    

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とにかくあっさりしとった。資さんうどんの肉うどんよりあっさりしとる、上品なラーメンでした。

俺の隣に居たおっさんは、とりそばのスープをすするなり、コショウを振りかけていました。

   

 

「腹が膨れる前に!」と俺達は急いで次の店に突撃したのです・・・・。

  

  


鬼軍曹と東京ラーメンたべある記☆ 1/4

2010-12-20 23:03:04 | ラーメン刑事(東京)

「初代けいすけ 品川店」   東京都港区  

   

  

羽田について、式場に荷物を預けて、F町鬼軍曹と向かったのは「品達」。

どこに行こうか迷って、最終的に「つけ麺TETSU」との2択になって、鬼軍曹が下した判断がここ。

  

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黒味噌ラーメンが有名らしい。

2代目の海老そばは有名やけど、勉強不足ながら初代の事は詳しく知らんかった。

軍曹と黒いラーメンを食べるとろくな事がないので、かなり怯えてしまいした。

  

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真っ黒いラーメン。盛り付けが美しい。

麺をすする。ちょっとモチモチして、ちゃんぽん麺でも通用しそうな麺。茹で具合は完璧。

   

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スープの味は濃い。とにかく濃い。色々入っているのだろうが、味噌とショウガと山椒の味しかしない・・。

まるで何かの燃料を飲んでるようだ。帰ってきてから知ったのだが、炭が入っとるらしい。

  

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食後に知ったのだが、ここのラーメンはご飯を投入し、雑炊にして食べる事が前提みたい。

   

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それにしても味が濃かった。南の島から来た俺達にはかなりきつかった。

都の食べ物のハードルの高さを思い知ったのでございます・・・。

   

  

  


またしてもなんつッ亭へ

2010-05-21 07:30:58 | ラーメン刑事(東京)

「なんつッ亭 弐」  東京都品川区

 

  

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昔、出張で上京した時に行ったことがあるのですが、品川という非常に便利な立地故、また来ちゃいました。

この店は東京のとんこつ界にマー油を知らしめた、意義深い店だと思います。

ちょっと前(今は知らない)では、どの雑誌でも「東京のとんこつNo1」でしたからね。

  

  

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前回も今回も感じたのですが、ここのラーメンは「九州人が作れないとんこつラーメン」という印象があります。

何故なら濃厚とんこつラーメンにつきものな「えげつなさ」がここのスープには殆どないからです。

濃厚とんこつの満足感はそのままで「えげつなさ」を「まろやか」にまとめあげた、凄いラーメンだと思います。

  

  

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麺は「細麺」と「平打ち麺」から選べます。全員後者を選んだのですが、ごわごわした感じのちゃんぽん系の麺。

なんで細麺が選択できるか?なんとなく理解できました。

おいしかったです。空腹時に食べたら、もっと美味しいやろうな。

 

あと、券売機に「入浴剤」というのがあったので、自分にお土産という事で購入いたしました。

 

  

つづく

  

 


またしても春木屋へ

2010-05-20 20:06:47 | ラーメン刑事(東京)

「春木屋」  東京都杉並区

 

前回の東京で食べた春木屋の味が忘れられないのと、嫁にぜひ食べさせたかったので、

F町家の皆様にわがままを聞いてもらい、再び荻窪にやってきました。

 

東京ラーメンの礎といわれる名店。

出てくる醤油ラーメンは、醤油の味、魚介の香り、脂の旨みの3味が爆発します。

それにもちもちの縮れ麺が絡みつくというドラマ。もはや完璧です。

  

  

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やっぱりおいしいですね。この味がわかるようになった自分を褒めてやりたいです。

あと、店員さんの対応が良すぎるものこの店の魅力だと考えます。 
  

  


念願のホープ軒を攻める

2010-05-20 01:46:00 | ラーメン刑事(東京)

「阿佐ヶ谷ホープ軒」  東京都杉並区

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ずっと行ってみたかった「ホープ軒」。遂に念願かなって阿佐ヶ谷ホープ軒に行って来ました。

出てきたラーメンはぶあつい脂の層がはっているラーメン。

なのにスープは意外にもサラサラしていて、軽い印象を受けました。

麺はちょっと柔らかめ。このスープになじませるように、わざと柔くしとるんかなぁ?

 

 

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スープ自体は濃くもなく優しくまろやかな味。鶏がらと野菜を使っとるんと思う。ニンニクも合います。

背油と思われる油がスープにアクセントをつけていました。

この口に残る油の味が好きか否かで、ここのラーメンの印象が変わるような気がします。

 

 

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どこかで似たラーメンを食べた記憶がある。でも思い出せない。

 

 

 


東京死亡遊戯  最終回

2009-12-21 21:58:57 | ラーメン刑事(東京)

これで最終回です。今まで、ご迷惑をおかけ致しました。 

  

  

東京で1番食べたかったラーメンは「ラーメン二郎」です。
ここ3年位食べてみたいなぁ・・・と思い焦がれていました。本当です。
「多分、美味しくないんだろうな」とか「変な客でいっぱいなんだろうな」とか1日1回は二郎の事を考えたり、
明石さんPCの壁紙を勝手に二郎のラーメンにしたりしていました。
(俺のせいで、明石さんは多くの人から変な人だと思われたことでしょう・・・)

 

本当です。 

  
 
会社にも二郎体験者が数人いて、彼らから話を聞くと、
「あれは人間の食べ物ではない」とか「3回目からようやく美味しいと感じ出した」等、

ネガティブな意見が多かったです。
天邪鬼な俺はそんな意見をガソリンに、二郎への想いを馳せらたのでした。

 

俺と二郎との出会いは雑誌「一個人」のラーメン特集です。
そこで二郎の事が載っており、それからずっと気になっていたのです。
一昨年東京へ出張に行った時に二郎目黒店に行こうと考えていましたが、
うっかり予想外の接待を受ける羽目になり、夢を叶える事ができませんでした。 

  
 

なので今回は「二郎を食べるまで、家には帰らない」と堅く決心しておりました。

まだまだ書けるけど、前置きが長くなるのでこの辺にしておきます。。。。。

   

 

 

   

今回、標的は荻窪店にしました。理由は春木屋から歩いていける距離に立地しているからです。
F町と俺は春木屋で胃腸の準備体操をしてから、本日のメーンイベントを迎えようかという魂胆です。 

 

しかし、不幸が俺達を襲います。

 

 

 

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これはショックだったなぁ・・・・・。

  

 

 

何が起きたのか?店主は自分が作ったラーメンの毒にやられたのか?
俺達は途方に暮れつつも、立ち直しを図るべく作戦会議を行いました。

 

 

 

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あのステディーな家族は、まさか二郎でラーメンを食べるつもりだったのか?

 

 

 

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青梅街道はもう冬なのさ。

 

   

 

目黒店や三田本店は遠いから却下。
吉祥寺店は学生の悪戯で「二郎」から「生郎」になってしまったから却下。
大久保店は大久保にあるので却下。
歌舞伎町店は店員さんが外人さんらしいので却下。

結果、東西線に乗って高田馬場まで向かいました。

 

 

 

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僕は今、阿佐ヶ谷の駅に立ち、電車を待っているところ。

 

 

 

高田馬場でおりて暫く歩くと、不穏な行列を発見しました。それが二郎高田馬場店です。
行列の内訳は地味な格好した男が殆どです。しかも、童貞率がかなり高そうな行列です。 
15人位いたでしょうか?中にはあまりにも場違いな、管理職風のサラリーマンが2名混じっていました。

 

 

 

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不気味な雰囲気は伝わるでしょうか?

 

 

  

それにしても回転が悪い。待てど暮らせど行列が進まない。
食べた後に納得したのですが、あの量と麺の太さ故、1人あたりの喫食時間が長いのでありましょう。

  
 
お店に入口には発券機があり、そこで食券を購入します。
俺は小ラーメンを購入したのですが、樹脂製の赤い食券はヌルヌルしていました。。。。

 

 

 

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発券機と重々しい店の空気。

 

 

  

発券機には以下の無料トッピングがありますので、注文時に大声で追加してくれと書いてある。

 

・ヤサイ。
・トウガラシ。
・ニンニク。
・カラメ。
・アブラ。

 

店内を覗くと殆どの人が野菜のみで標高120mmはありそうなラーメンを食べている。
「あんなん食ったら、死ぬ。でも、何かトッピングしないと勿体無い!」と貧乏性の俺は思い、
「アブラをトッピングしよう!」と、血迷った決心を致しました。

  
 

行列が少し進んで店内に入れたと思いきや、店内奥の階段で待つように指示されました。
店内は私語も無く、厳粛な雰囲気です。長渕のライブみたいです。

  

ラーメンでこんなに緊張したのは初めてです。
ラーメンと真剣勝負しないとならない雰囲気が、そこにはありました。

店長の奥さんらしき人が、完食するとそのまま病院への片道切符を頂けそうなラーメンを運んでいます。
ドブロックの髪の毛が薄い人に似たお客さんは、それがテーブルに置かれると、

美味しそうな顔をして喰らっていました。

  

  

今思えば、F町以外のお客さんは、全員人間に見えませんでした。 

   

  
1人で来るお客さんが多いのでしょうか?俺とF町は別々の椅子に座る事になりました。
とても不安でした。ラーメンを食い来ただけなのに、なんでこんな恐怖を味わわんとならんのか!?

  

厨房を覗きます。麺は非常に太いので、事前にまとめて茹でているようです。
多分、茹で上がるのに10分以上かかるのではないのでしょうか?

 

その茹で上がった麺を平たい湯切り網で掬い上げ、まともに湯切りをせぬまま「ベチャっ」と丼に投入する。
それに野菜を鷲掴みで丼に乗せ、体に悪そうな背脂をお玉一杯丼にかける。

  

  
 
よく云えば、ジャンクな感じです。

  

俺はトッピングは?と聞かれ、怯えながら「アブラ」と答えました。
F町は何を思ったのか?「ヤサイ」と云っていました。
もうF町に会えなくなると思うと、とても寂しかったです。

 

それからそんなに待つ事なく、東京の若者を熱狂させるラーメンがやってきました。

 

 

 

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店内はラーメンを撮る雰囲気では鉄板無かったので、写真はブレています。

 

 

  

アブラの量が尋常じゃありません。見た瞬間、玉袋が「キュっ」と縮み上がりました。
こりゃないなぁ・・・とスープを飲もうとすると、油の層が20mm位あります。こんなの初めてでした。

 

スープというか油をレンゲに掬って飲みました。甘くて美味しいです。
ていうか、俺のように油に耐性がある人なら、間違いなく旨い!と思える味です。
岩国の寿栄広食堂の中華そばの上に乗っている油と同じ味です。

 

麺を箸で持ち上げました。重たいです。太さはうどん並みです。
その麺を良く見てみると、切り口がギザギザしています。どんな製麺しているのでしょうか?
麺はとてもモチモチしています。その太さ故、すぐに飲み込む事ができません。
一部生茹で粉っぽいところがありました。特に気にはしませんでしたが。

 

肉はチャーシューの様に薄切りされた物ではなく、塊でした。
これの味付けは絶品で、とても美味しかったです。遠くでニンニクの味がしました。

 

これらを掻き混ぜて食べようにも、量が多すぎて掻き混ぜれません。
仕方ないので、ばっかし食いでもやしだけを片付けて、ラーメンを食べました。
凄まじい食い応えですね。こんなの、ラーメンじゃないです。  
  
 
スープを味わいたかったのですが、油の層が深すぎて途中棄権しました。
なので、この店の味を思い出そうにも、あの油の味しか思い出せない・・・。  

 
 
 
俺は嫁とまだ小さな息子がいるので、スープを全部飲むは止めました。
「ごちそうさま!」と丼を台の上に上げると、一目散に店を後にして、自販機で烏龍茶を買いました。

 

それから暫くして、かなり草臥れた顔をしたF町と再会しました。

  

 
 
高田馬場から阿佐ヶ谷までの電車、俺とF町には特に会話はありませんでした。
「もう何も食べたくない」、「あれはラーメンじゃない」みたいな会話をしたような記憶があります。

内臓に大打撃を受けた俺達は、この後に予定していた「ホープ軒」と「大勝軒」を断念しました。 

 

 

  

ラーメンツアー、終劇。

 

  

 

今思えば、二郎のラーメンは量が多し、その割安いし、若者の見方な気がします。
あの店に行く事を恥ずかしいと思わなければ、あの店は彼らの聖地になりうるでしょう。 

 
 
味は悪く無かったです。油の味しかなかったけど、むしろ美味しかったです。
あの太い麺の食べ応えは抜群で、あの1杯は心の隙間全てを埋めてくれる可能性を秘めています。

  

だけど、俺のようなオッサンにはもうキツイ。
多分、これからの人生、能動的に二郎に行く事は無いと思います。
でも、誰かに誘われたら、ヒョコヒョコついて行くと思いますが。。。

 

その時のトッピングは「全乗せ」にする予定です。

 

最後にF町情報ですが、一緒に行列に並んでいた管理職風の2人は奥さんに絡みまくっていたそうです。
「アブラってなに?」と質問をして奥さんを困らせたと思いきや、
「それって美味しいのか?」とトドメの質問をして、奥さんをかなり困惑させていたとの事。

  

 

 

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重たい体を引き摺り、羽田から大嫌いな飛行機に乗る。

 

 

 

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宇部空港に帰ってくると、凄まじい勢いで息子がやってきた。

 

 

 

 

  

完。

 


東京死亡遊戯 その4

2009-12-19 07:17:24 | ラーメン刑事(東京)

「春木屋」  東京都杉並区 

 

 

実は今から10数年前に春木屋に行った事があるんですよ。

 

俺が行った高校の修学旅行?は、毎回新宿解散なんですね。
しかもこの日から春休みが始まるので、北へ冒険に行く奴がいたり、
東京に滞在して観光する奴がいたり、そのまま北九州に帰る奴もいたり。
今思えば、自由すぎますね(笑)

 

俺はどうしたかというと、中央線に乗って春木屋に行きました。
日豊線と異なり引切り無しに来る電車にビビりつつ、荻窪まで電車に揺られました。

  

何で春木屋に行ったかというと、
元日本ラーメン協会副理事長故竹内伸氏の「春木屋理論」が気になってたからです。

  

彼の趣味はラーメン食べ歩きで、九州ラーメンを食べまくっていた高校生のある日、
「東京ラーメンとはいかなるものか?」という理由で春木屋に行ったそうです。
「東京のラーメンなんて大した事は無い!」と決め付けてかかったのですが、
その出てきた醤油ラーメンに凄まじいショックを受けたそうです。
そして、自分がどれだけ井の中の蛙であったかを思い知ったそうです。

   

 

そこで先代の主人から以下のような言葉を頂いたそうです。

 

「常に味を研鑽して、ベースとなる味を絶対に変えず、
 お客様には気付かれないように少しずつ味を変えていく。
 それで初めて『変わらない』と言われるんだ。
 そしてそれが『いつも変わらず美味しい』という本当の意味だ」

 

それが「春木屋理論」です。
結果として春木屋のラーメンは彼の人生を変え、
それからのご活躍は皆様の存じるとおりです。

 

俺も高校生の時はラーメン食べ歩きを趣味としてましたから、
いつかは春木屋のラーメンを食べたい!と常に考えていたのです。

 

なので、新宿で解散した直後に母親に「今、新宿におる」と自慢電話をした後に、
すぐさま夢を叶える為に中央線に乗り込みました。

 

で、春木屋に到着してラーメンを食べたのですが、その時の印象は今も忘れられません。
感想は非常に残念な事に「これ、お湯やないと?」というものでした。
そして「春木屋理論」にさっぱり共感できぬまま、荻窪を去りました。

  
 
当時北九州周辺のラーメンが当たり前だった俺には、あまりにも薄かったのです。
そんなラーメンしか知らなかったので、醤油ラーメンが邪道と取れたのでしょうね。
今思えば、春木屋のラーメンを理解する力を、あの頃の俺は全く持ち合わせてなかったのでしょう。
春木屋というか、色んなラーメンを理解する経験と包容力(ラーメン愛)が無かったのでしょう。

 
 
前置きが長い。ごめん・・・。 

 

 

それから約10年。お宿が阿佐ヶ谷だったという事もあり、
再度春木屋を攻める覚悟を決めました。

 

阿佐ヶ谷から電車に乗って、荻窪で降りる。荻窪駅は少し綺麗になっているような気がする。
春木屋に到着。お店はあまり記憶と異なってはおりません。
店に入る。椅子に座る。荷物は荷物置き場へと店員さんに勧められる。
メニューを見る。高い(笑)

 

 

 

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荻窪駅っち、こんなんやったけ??? 

 

 

 

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お店の外見は変わってない。

 

 

 

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東京の物価は高い。 

 

 

朝ごはんという事で、シンプルに中華そばを注文。
時間がかかるかな?という予想に反し、5分程度でラーメンが到着。
厨房を覗くと、店員さんがニコニコしながら丁寧な仕事をしています。
そこから春木屋の逆襲が始まります。

 

スープを飲んだ直後の感想ですが、全然お湯なんかじゃありません。
醤油辛さの後に、強烈な魚介の味がやってきます。
見た目はシンプルですが、醤油と魚介でとても複雑な味です。
周防大島の「たちばなや」のラーメンに醤油を特攻だような味です。

 

 

 

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これが春木屋のラーメン。

 

 

 

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アップしたけど、ピンボケ。 

 

 

 

そしてスープが熱い。スープの表面には鶏がらからと思われる数mmの甘い油の層があります。
この油がラーメンの味に動物気を混ぜ、三位一体の訳のわからない味を作ります。

 
 
麺の茹で具合も完璧です。
このスープととてもマッチしています。

 

ぐへぇ、完璧です。恐らく、これが醤油ラーメンの王道なのでしょう。
あえてケチをつけるなら、俺にとって醤油が辛かった事くらいです。
舌がバカになりそうなので、スープを飲むのは半分位にしておきました。 

  
 
10年前の俺がどれだけ世の中をわかっていなかったのか?
今回の春木屋で痛感したし、昔イマイチと思った店でも、再訪する価値はあると思いました。
あー、嫁を連れて行くと喜ぶだろうなぁ。 

 

 

話はまとめですが、この10年、俺が変わったのか?ラーメンが変わったのか?色々と変化が起きてます。
10年前に春木屋が薄く、北九州のラーメンが濃いと感じたけど、今は両方丁度良いと思っています。
多分ですが、この10年で俺が食べる物の味が濃くなったんでしょうね。

  

加えてラーメンなんか凄く濃いのがある意味主流になりつつあるし、
昔はこってり=油が多いだったのが、こってり=味が濃い&脂まみれになってますよね。
関東の方では、濃い味に負けないように、太麺が主流になっているようです。

  
 
これから10年、そして20年。ラーメンはどう変化していくのでしょうか?
楽しみですね。

 

 


東京死亡遊戯 その3

2009-12-13 00:26:44 | ラーメン刑事(東京)

15時  「唐そば」  東京都渋谷区 

 

  

唐そばと聞いて涙を流してしまう北九州市民も多いと思います。
唐そばとはかつて黒崎に存在したラーメン屋で、今では伝説になってしまった店なのだ。
俺が高校生の時には間違いなく北九州市内で3本の指に入る店やった。

  

唐そばのじーちゃんが(確か長村到さん)がこれまた凄かった。
昔、民放に出てた時

 

「お客さんがラーメンを残したら、理由を調べる為に食べ残したスープを飲む」

  

と発言していた。みんなはそれを聞いてどう思うかわからんが、俺は神々しい物を感じる。
長村さんが北九州西の巨老なら、眠子のじーちゃんが北九州東の巨老と信じていた。

  

俺はよくJR鹿児島線に乗って黒崎まで食べに行ったんですけど、
ある日黒崎駅でキセル乗車がバレて駅員に説教された時から、この店の想いは確固たるものとなります。 
※この時、説教ルームで600万円請求された人の話をされて、かなり脅された。

   

 
俺の中でに唯一「キセルしてまででも食べに行きたくなる店」となったのです。  

 
 
あと、テーブルの上にゆで卵が置いてあり「ご自由にどうぞ」と書かれていたので食べまくったら、
清算時にゆで卵代を取られてしまったという思い出があります。←どうでも良い思い出。

   

 

   

そんな唐そばも閉店し、代わりに渋谷店がオープンしました。
※理由は話すと長いので割愛します。

  

10年前位に1度行ったけど、あまりにも美味しくなくて、
「俺の思い出を汚す気か!?」という想いを店に伝えるべく、殆ど残して店を後にしました。

  

それなのに今回唐そばに行った理由はもう1回あの味を確めたくなった事と、
その日のメインイベントである結婚式場の場所が青山だったからです。

   

久しぶりの渋谷。俺は高校から大学まで広末の下敷きを使っていました。
静岡に住んでいた頃は東京に行く度に渋谷へ行っていたのですが、
ここ最近はメッキリ行かなくなりました。

  

渋谷駅の南口から徒歩3分。昔2ゲーム位ボーリングを楽しんだプラネタリウムのビルは無くなってました。
お化けうどんのせいで、久しぶりの唐そばに着いた頃にはasmicさんとF町嫁&息子は脱落していました。

 

店内に入る。F町と懐かしいねぇ・・ボソボソと語り合う。
2人ともうどんの食べすぎで、ラーメンなんて到底無理なんですけどね。
興奮した20歳位の若者がレジで「中学2年生振りに食べれて感動です!」と云っている。
こいつもあの味を思い出したくて、ここに来たのか?かわいい奴よのう。 

 
 
カウンターにはあの忌まわしいゆで卵が置いてある。そうこうするうちにラーメンが来た。 

 

 

 

Tousoba

再会、2009。  

 

 

 

スープを飲む。麺を食う。結論からいうとバカ旨い。
お化けうどんを2杯食べてここまで旨いとは、これは北九州No1だ。
スープは福岡のラーメンらしくあっさりした豚骨。東洋軒やぎょらん亭と同じタイプの味っですよ。
加えてスープを飲んだ0.5秒後に来るタレの味とコクが堪らない。

麺も気持ち太めの北九州麺。食べなれて何とも思わんが、このスープとくんずほぐれつ感が堪らん。 
何とか完食する事ができた。これはもの凄い事だ。そんなに重たくないから食べれたに違いない。

   

 

俺もさっきの若者よろしく清算時に「高校3年振りなんですよ」と云った見た。
何故か店員に喜ばれた。キセルの話は下らないからやめといた。

ていうか、こーいう客は多いらしい。

 

  

こないだ渋谷に2号店を出したばかりだが、黒崎店を復活させないのか?と尋ねると、
「それは無い!」と断言されてちょっとムカついた。
しかも、「長村さんは入院中」という厭な情報をうっかり仕入れてしまい、ちょっと水を差されてしまった感じ。

 

 
店を出て、俺達は重たい体を引き摺りながら雨の宮益坂を登りました。 

   

 

つづく。