徒然なる日記

映画、音楽、本からテレビやCMを含めた広告全般の話まで。好き勝手に綴っていきまーす。

「子産」

2009年09月12日 | 
春秋時代の鄭の宰相「子産」の話。



北の晋、南の楚に挟まれた小国・鄭。
毎年どちらかの国に攻められ、そのたびに従うという、
非常に危うい外交をしている中で、子産は礼をもって、執政にあたる。
子産が宰相の間は、攻められることもなく平和で、改革を推し進めた。
民を愛し、時には民の反感を買ってでも改革を突き通す。
そんな政治家です。
30年ほど後に生まれた孔子が尊敬してやまなかった人としても有名。

印象的な内容がいくつかありました。

【名君とは】
恐れ続ける人。
天の高さを恐れ、
地の広さを恐れ、
人としてのおのれの無力さを恐れる。
その無力から踏み出してゆく行為が、
天の道に、地の理にかなっているかという意識を持ち続けているため、
恐れは尽きない。

【地位について】
貴地にすわったものが懼れを知り、降階を思っているとすれば、
それはその者はふさわしい地位にいるということだ。
謙虚であるから、その地位を与えられたのだ。
高位に上って、降階を求めるものは、知者であると言える。

【人間】
人は貪欲から身を滅ぼす。

【賢とは】
賢者を推薦するものが賢者。
孔子は斉に鮑叔(ほうしゅく)と、鄭の子皮を挙げた。

孔子は、
「鮑叔は管仲を成功させ、子皮は子産を成功させた。
ところが、管仲と子産が自分の才にまさる者を成功させたとは、聞かぬ」と。


部下からどれだけの人間を見つけ、上に引き上げるかですなぁ。。。


とにかく、この本は「礼」ということについて、かなり語られていて
「晏子」と同じぐらい響くものがあった。