思考の7割と収入の3割を旅に注ぐ旅人の日々

一般的には遊び(趣味)と見下されがちな「旅」も、人生のなかでやるべき「仕事」である、という気概で旅する旅人の主張と報告。

北海道旅の目的と成果

2012-01-29 00:00:19 | 自分の旅話(非日常)
先日はほぼ旭川・札幌市内の“観光”とは言いつつも、まあ1週間以上出かけるのは久々だったので旅と称したいが、それで今回は何をやりたかったのか、何をやってきたのか、について優先順位順に軽く触れるとおおまかには以下。


●冬季(積雪期)の旭山動物園に行く

05年9月、夏季の真っ只中ではかったが通常の時期の旭山動物園を観に行った。そうなると冬季はどうなのか、ここの売りの「行動展示」であっても動物たちの生態にも変化があるのか、と冬季の状況も知りたくなった。それに噂はちょいちょい聞いていた、ここの冬季限定の催しでペンギンの雪上歩行が見られる「ペンギンの散歩」を1度は観てみたい、というのが実は今回の第一義であった。ホントに。
これについては別投稿で写真多めで触れる。


実は北海道入りの前に1か月ほど、北海道観光関連の雑誌で最近の情報は掴んで軽く予習していたが、旭山動物園を“旭川動物園”と書いていてうろ覚えというか勘違いしている誤記も散見されたのがあちゃー、という感じなのだが、入口のこれを見れば「旭山動物園」だとよくわかるでしょ。

●最近の札幌界隈のスープカレー事情を把握する

近年は東京など内地への出店も年々盛んになってきた北海道産のスープカレーについては、僕は03年から触れていて、だからここ数年は全国区で活躍? している(今年はまず今クールのフジテレビ月9ドラマ『ラッキーセブン』に出演している)大泉洋が、内地での活動時はその広告塔みたいな役割を担う前から知っているが、北海道自体が5年以上ぶりなのでその間に流行り廃りもあるだろうから現状はどうなのか、というのが気になっていたので巡ってみた。
ただ、スープカレーは1食あたり900~1300円程度とやや高めなので経済的な問題により、今回はスープカレー専門店は1週間の滞在で旭川も合わせて6軒しか行けなかった。でもそれだけでもだいたいのことはわかった、つもり。
これも写真付きの別投稿で。


札幌市内に5店舗展開中の、2002年開店で道内のスープカレー店としては古株の「lavilavi本店」。郊外型の店舗となると冬場の店前の道路はどこもこんなふうにぐずぐず。
そういえば、19日(木)夕方に客は僕だけで閑散としていたここに食べに行った1時間後に、札幌駅近接のビル上階にある支店のひとつのESTA(エスタ)店をちらっと覗きに行くと、交通の利便性では数段上のそちらは観光客を中心にほぼ満席状態で、やはり人通りの多いところ、つまり立地の優劣は重要なんだなー、とも感じた。まあ積雪の有無(足下と路面状態の良し悪し)で集客というか客の流れはまた違いがあるか。

●書店巡り

といっても主に気になっていたのは札幌と旭川のジュンク堂書店で。ほかにも地元の小・中規模の書店もいくつか行ってみたが、僕が普段から行き慣れているここの池袋本店や新宿店よりは売場面積はやや小さいとは思うがそれでも同等に近い規模の書店が進出すると、地元の書店としてはかなりの脅威かなあ、とはうっすら思った。まあ消費者としてはここ特有のかゆいところに手が届く品揃えの豊富さはとても助かるか。
また、文化的に道内の版元からのいわゆる地方出版も盛んだが、ジュンク堂に限らず規模の大小を問わず道内産の出版物は僕は10年ほど前から購読している(『北海道いい旅研究室』の)海豹舎の出版物も含めて、相変わらずどこも良い扱いになっていた。


ジュンク堂書店旭川店。は、この建物の奥半分で、5階層。当たり前だが近年、全国各地に出店して勢いのあるジュンク堂ではここが日本最北。

●市街地を歩く、見る、撮る

まあせっかく約8年ぶりに冬季に行くので、冬らしい街並みや道路事情も知っておかないと、と思い、旭川-札幌間の往復移動と札幌市内で1日のみ札幌市営地下鉄の一日乗車券を利用してカレー店巡りをした以外はほとんど、街は徒歩で移動していた。雪道なので凸凹やツルツルの箇所はたしかに面倒ではあったけど(でも注意深く歩いたので、尻が着くほどの大転倒はなかった)、冬の北海道を体感するにはそれが最も手っ取り早いから。
で、8年前は旭川市街はそこそこ歩いたが札幌市内は疎かになっていて、だから今回は札幌を重点的に視た。やはり県庁所在地なので幹線道路はどこも除雪が進んでいたが、下の写真の2枚目のように大きな道路から2、3本離れた細い道路に入ると、道路脇に除雪した雪が山脈のように積み上がって道幅も狭くなってクルマがすれ違うのも困難で、しかも歩道の段差も激しくて歩行者としてはちょっとした冬の登山道を歩くかのような箇所も案外多かった。札幌の中心部でもこうなるのね。しかも視界が狭まっていると、交差点で左右からのクルマの往来も確認し難いし。これは旭川も同様で、というか旭川のほうが積雪量は多いために雪の壁もまた一段と高いので、より歩くのは難儀する。

札幌市内に限って言えば、昨年12月で開業40周年の札幌市営地下鉄が広範囲に発達していて、朝夕のラッシュ時の通勤風景も眺めてみたが、その利用率の高さもよくわかった。これが冬季は交通の混雑緩和にかなり役立ってきたんだろうなあ、と改めて実感した。
それから、そんななかでも札幌で除雪の進んでいるところやロードヒーティングで完全に雪が解けている箇所では自転車の通行も結構多かったが、やはり速度は控えめだった。


札幌。札幌市電の通行する幹線道路や国道は、車道も歩道も雪はほとんど解けていて進みやすい。


札幌。でも細い道路に入ると、このような立派な雪山があちこちでできあがっている。しかも、路面の汚れも跳ねたせいであまりきれいではないやつが。これは独立峰。どちらかと言うと数m連なっている連峰のほうが多く見られる。


札幌。大通公園では毎年2月恒例の「さっぽろ雪まつり」の準備が進んでいたが、まだ始めたての頃だったか。


札幌。冬季の交差点によくある、スリップ防止のために撒く砂の袋の置き場。


札幌。夜の除雪車。道内の道路では絶対的な存在なので、路上駐停車の車両(写真右)も強気で蹴散らしてゆく。


旭川。16日の徒歩移動中に偶然立ち寄った、日本最北? のヴィレッジ・ヴァンガード。店内のあの整然としていない陳列も内地の店舗同様になっていた。それにここの支店には大概置いてある、あの野宿本の在庫もあった。この時期にその需要があるか否かは不明。


旭川。建て替えて昨秋に改装されたJR旭川駅
高架化にもびっくりで、以前の平屋の駅舎の面影が完全に無くなっていて、ちと寂しくも思った。以前の駅舎では駅寝するさいのお気に入りの場所があって、そこで通算10泊くらいしたことがあってそれなりに思い入れもあったから。でもまあ時代の流れか、と受け止めておく。


旭川。17日朝7時台の平和通買物公園。寒いときはこんなもの。


旭川。細い路地も除雪は入っているが、雪が解けないと路面はツルツルテカテカ。


旭川。JR旭川駅から徒歩で行くと25分ほどかかる、旭川市科学館「サイパル」。21日午後に行って思いのほか楽しめて、ここだけでもひとネタできるが、長くなるので割愛。

●飛行機に搭乗する。

本来はリッチ? な乗り物で、いつも貧しい僕としては旅の移動手段のなかでは最も手をつけ難く、08年10月に沖縄県に行ったとき以来3年3か月ぶりの飛行機だったが、今回はこれが大きな鍵となった。
というのも、元は今回の北海道行きを決めたのは、昨年10月下旬からスカイマークで成田国際空港(以下、成田。第2ターミナル発着)と札幌・旭川・那覇を結ぶ「成田シャトル」という路線が始まったのだが、その就航キャンペーンでwebからの予約限定だが最安で980円から搭乗できる、という大盤振る舞いの企画をやっていて、それに便乗したから。たしかこの3路線は来月末まで搭乗分だっけか。これはNHKなどのニュースでも軽く報じられていたな。ある乗客は旭川-成田(乗り継ぎ)-那覇を980円×2=1960円で移動できたとか。
で、座席予約は2か月前からだが、そんな価格破壊ぶりでは競争率も当然高く、毎日の発売日の発売時間の9時30分から1分も経たないうちに毎日限定20席ほどらしい980円の座席はすぐに売り切れていた。そのほかに3800円、5800円、7800円、の予約対象もあるがそれでも普通運賃よりは断然安いのでそれらの座席も連日10時頃までにはどんどん埋まってゆく。まあスカイマークの場合、成田は羽田国際空港(以下、羽田)よりも便数が少ないし、ただでさえ機体が小さいから競争もより激しくなるのだけど。
というなかで、僕もそれに乗っかって今月は暇になることが事前にわかっていたので2か月前だから昨年11月中旬から試しに仕事の合間にその航空券獲得競争に挑むと、旭川線で往路は3800円、復路は980円、の往復の座席が取れた。これがもし取れなかったら、行かなかっただろうね。
あ、ちなみに道内では新千歳空港は数回、帯広空港は1回利用したことがあるが、旭川空港は今回初めて利用した。

特に復路の980円が大きく、もちろんこんなふざけた? 運賃で飛行機に搭乗したのは初めてで、特別な商品といっても僕の旅経験のなかでもかなり革新的なできごとで、不意討ち的に頭を後方から殴られるくらいの衝撃価格だなー。
でも今後は、最近は東南アジアの国際線を中心に話題のLCC(ローコストキャリア)の路線が国内にも昨年から徐々に飛び火しつつあるので、今回のように3桁金額まではいかなくても国内線・国際線ともにひょっとしたら現行の普通運賃もその半値くらいまで値下がったりして価格競争は熾烈になるかも、と思った。たしかに国内の1、2時間程度かそれよりも短時間の移動であれば過剰なサービスは要らないし。
ほかにも成田-福岡線も来月から、成田-神戸線も3月から就航するので、それらの3月搭乗分のキャンペーンは今も続いていて、その路線も数回試してみたがダメだったので競争は今も激しいみたいね。

だから実質、航空券も含めて自宅-成田-旭川(空港)の往復移動にかかった支出は航空券の計4780円も含めて、約7700円だった。空港からの連絡バスで旭川駅まで往復しても1万円はかからなかっし、なんだこの金額は。でも、すんごい助かったけど。


往路。3800円の航空券。当たり前だが荷物の機内預けもふつうに行なえる。


往路。3800円の眺め。北海道の南岸。


往路。旭川空港。タラップからして旭山動物園推し。


復路。旭川空港の搭乗前の検査時の手荷物の小物入れは、木製のものもある。


復路。980円で成田到着。

おおまかには以上の5点だった。
このほかにも、札幌・旭川の代表的な登山用品店の秀岳荘(5年ぶり)など少し気になっていた店も軽く巡ったり、節約のために連日氷点下のなかで野宿したことによってしぜんと耐寒訓練になったり、というのも一石二鳥や三鳥の良い経験となった。


17日(火)のJR旭川駅付近の朝。滞在中は最も寒いと感じた日で、気象庁による旭川の記録を見ると、5時台はこの日の最低気温のマイナス19.7度だった


自分の記録的にまたお金の話になるが、北海道入りのための交通費も含めて今回の総支出額は約3万6000円だった。今回は食事は火器は携行せずにすべて買い食いと外食にしたのでちと高くついた。それに一部、交通費でPASMO、食費でWAONを使って支払っていたので、どんぶり勘定になってしまったのはやや反省。
僕の近年の旅にしてはかなりの出費で、今回だけで旅1年分くらいの費用と労力がかかったが、まあ昨秋に仕事ばかりで何もできなかったぶん発散? して、旅人としての勘は少し取り戻せたかも。

この勢いで、来月は気候も体感気温もガラッと変わってしまうがなんの脈絡もなく沖縄県へ行く予定。ちなみに来月も復路は羽田だが往路は成田からなので、なぜか成田へ2か月連続で行くことになるが、まあいいか。
そういえば、成田では駅を降りるときに提示する身分証明証も必要。これ、国際線ならばパスポートで充分だが、国内線の場合は運転免許証などより証明しやすいモノが無い僕のような場合は健康保険証くらいしか持っていないので、忘れないようにしないと。


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