会場確保の顛末記

2007年02月22日 | Weblog
 ことわざに「来年のことを言うと鬼が笑う」というのがある。なんとはなしに聞き慣れているものだから、べつだん意味などは考えていなかったが、ふと、「来年のことを言うと、なぜ鬼が笑うのだろう」と疑問に思ったので、「ことわざ辞典」(岩波書店)を開いてみた。

「明日のことも分からないのに、1年も先のことをあれこれ言っても仕方がないというたとえ」とある。「残忍・非道の象徴で決して笑うはずのない鬼を笑わせてしまう…」とも追記してある。

 公演を組みたてる仕事は、いつも鬼を笑わせることに専念している面がある。手頃な「公演会場」を確保しようと思うと、1年前からの申し込みだ。

 わたしは3年間つづけて1月にやっている「和力」の松戸市公演を、来年もひきつづきやりたい。1月14日(日)に「松戸市森のホール21・レセプションホール」での「和力と一緒に新年会」を成功させていただいた後にそう思った。

 さて、会場を借りようと思い立ち、行動を始めたのはその1月公演の残務整理をおえた、2月になってからである。

 松戸市にはホール施設が4ヶ所あるが、来年は座席数500名余でアットホームな舞台が展開できる「森のホール21・小ホール」でやりたいものだと思っていた。
 来年1月、第2週の土曜日には、松戸か流山にある寺院での公演がすでに決まっている。(これは別ルートでの話なのでわたしはタッチしていない)。
 この日に続けて翌日、日曜日の午後に公演できたらよいなぁと願った。

 本来であれば「実行委員会」を開いて、開催日時・開催場所をみんなで決めるべきなのだが、1年前からみなさんにお集まり願うのは負担をかけてしまう。
 といって、使用会場を「押さえて」おかなくては、実行委員会が立ちあがっても「やる場所がない」という事態になってしまう。
 
 そこで電話をかけて会場の申しこみをした。

 ところが、小ホールは塞がっており、計画は練り直さなくてはならない。
「森のホール大ホール」は、2,000名に近い座席数であり、「松戸市民会館ホール」は1,200席。これでは大きすぎる。
 松戸市で3年前、初めて「和力公演」を実施した「松戸市民劇場」は332席であるから、魅力のあるホールである。しかし、ここでの会場申しこみは6ヶ月前なのだ。

 計算すると、7月になって会場受付することになる。使用したい人がダブルと抽選で決めるという。7月になって来年1月の第2日曜日を申し込んで、はたしてうまく会場が確保できるかどうかがわからない。休日のホール使用は案外と需要が高い。それで抽選に外れたらアウトなのだ。

 わたしはここでハタと当惑して、少しの日数、あれやこれやと考え悩む日がつづいた。
 いっそ寺院の公演はそのままやってもらって、別の日程(小ホールが空いている土・日)に設定しようか…。
 そうなるとメンバーの「移動経費」が大変になる…。なかなかこれぞという案が浮かんでこない。

 森の小ホールの会場へ電話をしてから4日か5日経った。

 所在もなく「念のため」とインターネットで、会場の空き状況を調べていた。

 すると、なんと塞がっていた希望する日が、あいているではないか。なぜそうだかは分からない。わたしは取るものもとりあえず、すぐさま会場に向い当該日程の「仮押さえ」をした。

 その時、受付のお嬢さんから、「仮に押さえておきますが、1週間経って本契約をしなければ、自然に流れてしまいますから気をつけてください」と説明があった。それで、なぜこの日の日程が再び空いたのかがようやく想像ができたのだった。

 多分、前に電話で問い合わせをしたとき、どこかの誰かが「仮押さえ」をしていたのだろう。それで塞がっていたのだが料金の払いこみをしての本契約を結ばなかったのかも知れない。

 来年の年初の日程を指折り数えてみる。

 1月12日(土)寺院ライブ、13日(日)森のホール公演、14日(祝)下矢切・蔵のギャラリー「結花」ライブ、15日(火)幼稚園(予定)と連続したコースが組めることになった。
 できればこの日数をもっと伸ばしたいと思っている。

 鬼が笑うかも知れないが、一年先、来年の手当てをしなければ動きがとれないような忙しい時代になってきている。
 鬼も笑う機会が多すぎて、雲の上で太鼓をたたいて雷雨を呼んだり、雪を降らせたりする本来の仕事がうすくなるから、暖冬になっているのだろうか。