恐山という名はカルデラ湖である宇曽利山湖(うそりさんこ)を囲む外輪山の総称であり、単独の山はない。
その宇曽利山湖畔に恐山菩提寺がある。
この菩提寺の周辺が恐山霊場となっていて、高野山、比叡山と並ぶ日本三大霊場の一つとなっている。
ずっと前から恐山という場所に対して抱いていたイメージは恐ろしさと物珍しさ、霊的なものなどだった。
その名前からやイタコについての話を聞いたりしたからかもしれない。
そしてやっと恐山に行く機会を持つことができた。
下北駅を降りたらバスが待っていた。
バスの中では恐山について色々と説明があったが、騒音で良く聞き取れなかった。
途中、「不老水」という湧水のある場所で止まってくれ、希望する人はその水を飲むことができた。
しばらく走ると左に赤い橋が見えて、「三途の川」と書いてあった。
何だかこの辺りから別世界のような気がしてきた。
入山料を払い、山門をくぐると正面に菩提寺があり、その脇からすぐに荒涼とした風景が広がっていた。
硫黄臭の漂う岩場地帯がずっと続いて、硫黄がボコボコと湧いていたり、お地蔵様があったりと何だかおどろおどろしい感じだった。
ここまではずっと思っていた通りの場所だった。
でも、しばらく歩いてやっと岩場地帯を抜けたと思ったら風景が一変し、極楽浜と呼ばれている宇曽利山湖畔に出た。
山門
菩提寺の脇から荒涼とした風景が続く
極楽浜(宇曽利山湖畔)
極楽浜は白い砂浜が広がり、まさに極楽とはこのような場所なのかと思うほどで、砂浜を歩くと心地良い風が感じられた。
今まで荒涼とした風景だったから余計にそう思ったのかもしれない。
東屋があったのでしばらく休憩していたら、大声で叫んでいる人がいた。
多分亡くなった人の名前なのだと思う。
ここはそういった場所なのだと実感した。
そして山門まで戻った。
さあ、次はお待ちかねの温泉。
菩提寺の境内には湯小屋が男女2つずつあり誰でも入れる(入山料は必要)温泉が湧いている。
この温泉は脱衣所と木の枠で造られた簡単な湯船があるだけだがそれがまた素朴感があっていい。
湯船は二つ並んでいて、熱い方と少しだけぬる目のもの。
コバルトブルーの色をした温泉は、硫黄泉でPH1.8の強酸性泉と書いてあった。
ピリピリとした感じがあるが入浴後はさっぱりとした感じだった。
境内にある湯小屋
湯小屋内部
菩提寺には宿坊もある。
恐山例大祭期間中に「イタコ」の口寄せがあり、希望する人は宿坊に泊まって朝早くから並ぶらしい。
ちなみに恐山と「イタコ」は直接関係は無く、恐山が場所を提供しているだけだとのこと。
拙いブログをご覧くださりありがとうございます。
恐山温泉には何回となく入っていますが、やはりいつも誰か入ってこないかと気になりますね。
最近では年をとったので、それほどではありませんが・・・