動物たちにぬくもりを!

動物愛護活動の活動経過や日々の出来事、世の中の動き等幅広く紹介します。

ペットの火葬で“ゴミ”を一緒に燃やす火葬場の委託先従業員

2022-11-20 06:03:07 | 動物実験・動物虐待

利用者「許せない」…ペットの火葬で“ゴミ”を一緒に燃やす
 火葬場の委託先従業員ら【愛知発】

2022年11月11日(金)   

愛知県犬山市の火葬場で、驚きの対応が明らかになった。
ペットを火葬する際、一緒にペットボトルやコンビニ弁当の空き箱などのゴミが燃やされていた。

問題意識なく日常的に…少なくとも10年以上前から
リポート:
こちらがペット用の火葬場です。
この中にある動物炉で、従業員らがペットの亡き骸とゴミを一緒に燃やしていたということです。

問題が発覚したのは、愛知県犬山市の火葬場「尾張北部聖苑」。
運営する愛北広域事務組合が8日、ペットを火葬する際に、委託先の火葬業者の従業員らが、コンビニ弁当の空き箱やペットボトルなどのゴミを一緒に燃やしていたと発表した。

<SNSへの投稿内容>
「動物火葬の際、ゴミを一緒に燃やしている」
SNSに投稿されたこの書き込みを、他の葬儀会社が発見。
連絡を受けた火葬業者の調査で問題が発覚した。
組合によると、火葬を担当していたのは委託業者の従業員6人。
ペットの飼い主や組合職員の立ち合いはなかったという。

愛北広域事務組合の課長:
運営は組合がして、火葬の業務を委託している。
まさかそのような対応がされていたとは思いもよらなかった。
ペットの飼い主さまに対して、心よりお詫び申し上げます。

ここでペットの火葬をしたことがある人は…。
火葬場を利用した人A:
今知って、ペットに対して悪いことしちゃったなって。許せないですね。
火葬場を利用した人B:
ロンちゃん、火葬場に連れて行ったもん。
ショック。
そんな…かわいがってたのに。

一体なぜ、このようなことが起きたのか。
火葬業者の聞き取りに対し、現場の管理者は「日常的になっていた。認識不足だった」と答えているという。
この火葬業者は、1989年から30年以上にわたって組合から業務を委託。
少なくとも10年以上前からはペットの死体とゴミを一緒に燃やしていて、現場ではそのことについて問題意識が持たれていなかったという。

火葬業者「五輪」名古屋支店の担当者:
動物専用の火葬炉でございまして、それ以外の用途はございません。
職員の問題意識が欠けていたと反省しております。
施設のご利用者の皆さまをはじめ関係各位の皆さまに、大変なご迷惑とご心配をおかけしたことを深くお詫び申し上げます。

(東海テレビ)


病気の猫、数十匹も…虐待ブリーダー女逮捕

2022-11-19 05:51:22 | 動物実験・動物虐待

病気の猫、数十匹も…虐待ブリーダー女逮捕、
適切な保護せず病気そのまま 赤字経営だった「ねこやさん」

2022年10月28日(金)  

病気の猫を放置したとして、埼玉県警生活経済課と浦和署は27日、動物愛護法違反(虐待)の疑いで、さいたま市浦和区木崎3丁目、動物繁殖販売業の女(60)を再逮捕した。


浦和署=さいたま市浦和区常盤

再逮捕容疑は、昨年6月ごろ、雄猫1頭が耳ダニや中耳炎などに罹患(りかん)しているにもかかわらず、同年10月31日までの間、獣医師の診療を受けさせるなどの適切な保護をせず、虐待した疑い。
女は容疑を認めているという。
同課によると、女は「ねこやさん」という店名で猫を販売。
猫が病気にかかっている認識はあったという。
同店で飼養していた猫は、数十匹が病気にかかっていたとみられる。
今回の猫は昨年10月31日、動物愛護団体が保護した。
同店は赤字経営で、女は「お金がなかった」と供述しているという。

 

猫すぐ病気に…異変感じた客 「ねこやさん」の女逮捕、
家に180匹 放置された病気の猫「ご飯あげた」

2022年9月29日(木)  

病気になった猫を放置したとして、県警生活経済課と浦和署は28日、動物愛護法違反(虐待)の疑いでさいたま市浦和区木崎3丁目、動物繁殖販売業の女(60)を逮捕した。


浦和署に入る女=28日午前9時53分

逮捕容疑は、自宅で飼養していた猫6匹が病気にかかっていたにもかかわらず、昨年6月ごろ~同10月29日までの間、獣医師の診療を受けさせるなどの適切な保護をせずに虐待した疑い。
「医師の診察を受けさせなかったことは間違いないが、ご飯を食べさせるなど世話をしていたので虐待はしていません」と容疑を一部否認しているという。
同課によると、女は「ねこやさん」という店名で猫を販売。
6匹の猫はスコティッシュフォールド、マンチカン、ミヌエットの3種で、呼吸器の疾患や結膜炎、皮膚炎などに罹患(りかん)していた。

女は、昨年10月29日時点で、2階建て住宅内で180匹の猫を飼養。
同日、動物愛護団体が6匹の猫などを引き取ったという。
昨年10月、猫を購入した40代男性などから「猫を購入後、すぐ病気になってしまった」と同署に相談があり発覚。
同市にも同様の相談が複数寄せられているという。
同課は、猫が劣悪な環境で育てられていたとみて、詳しく調べている。


コミックエッセイ「たまさんちのホゴイヌ」

2022-11-18 06:03:05 | 幸せになったワン・ニャンたち

ガリガリに痩せて心を閉ざしていた野犬…
少しずつ距離を縮めた結果「可愛すぎて胸が苦しい」
 SNSで話題の保護犬コミックエッセイ

2022年11月4日(金)  

tamtam(タムタム)さんは、行き場を失った犬や猫を保健所から預かり、家庭で慣らしてから里親を探す「一時預かりボランティア」を個人で続けている女性。
保護活動を通じて出会った犬や猫の姿を素朴なタッチの漫画にして発信するInstagram(@tamasisters)のフォロワーは4.6万人を超える人気で、女優の二階堂ふみさんら著名人のファンもいる。
「自分の方が犬や猫たちに支えられている」と語るtamtamさんに、保護活動に対する思いを聞いた。


著者のtamtamさん(提供)

tamtamさん宅には現在、犬3匹と猫7匹の計10匹がいるという。
「今までお世話をした子たちの数は、もう把握していません」と笑って振り返るtamtamさん。
自身の幼い2人の子供を育てながら、保護犬や保護猫たちがいつの日か里親の下で幸せに生きられるよう、日夜、愛情を注いでいる。
tamtamさんに引き取られた犬や猫たちは、それぞれ深刻な事情を抱えている。
例えばガリガリに痩せていた元野犬のビビは、tamtamさんに全く心を開かず…というより目すら合わせず、ケージの隅で岩のように固まったままピクリとも動かなかった。
なんと、実に丸1カ月もの間、ケージから出てこなかったという。
それでもtamtamさんは、常に警戒心MAXのビビと少しずつ距離を縮めていった。
今は、ふと目が合ったり、小首を傾げたりといったビビが時折見せるちょっとした仕草や表情に「可愛すぎて胸が苦しい…!」と悶絶するほどに溺愛。
ついには散歩に連れ出すことにも成功したという。
「ビビみたいに散歩できなかった子ができるようになるとか、今にも死にそうだった子が無事に生き延びて里親さんに引き取られ、海やキャンプなどに連れて行ってもらって幸せに暮らしている姿を見ると、心の底から『よかったなあ』と思います。私が保護活動を続けているのは、不幸な犬や猫たちを見て見ぬ振りはできないという思いももちろんありますが、実は『私自身が励まされるから』というのが本音かもしれません」
10月末、tamtamさんがこれまでにInstagramで発信してきた漫画のうち、ビビを含む個性あふれる7匹の保護犬に関するエピソードをまとめた初の書籍「たまさんちのホゴイヌ」が発売された。
Instagramで反響を呼んだ漫画に加え、描き下ろしのカラーイラストや実際の保護犬たちの写真も交えた、見どころの多い1冊になっている。
優しい絵と言葉、温かい読後感が魅力…ではある一方で、tamtamさんは「正直に言うと、この本は綺麗事なんです」と言い切る。
「実際の保護活動には、もっと厳しい現実があります。安楽死を迫られたり、保健所で触れ合った子が感染症になって、その犬舎全部が殺処分されたという報告を受けたり。それに、『保護』や『愛護』に暗いイメージを持っている人も少なくないと思いますし、殺処分問題に関心を持っていても、実際に保健所に足を運んでみようという人はほとんどいないのが実情です」
「でも厳しいことばかり言っていても、敬遠されるだけ。これまで漫画に描いてきたように、保護活動には楽しいこと、嬉しいこともたくさんあります。私は保健所に行くと、『犬や猫の命を救うためにこんなにも頑張っている人がいるんだから、私も頑張ろう』とむしろ元気をもらえるんです。この本を読んで、少しでも保護活動に関心を持ってくれる人が増えればいいなと願っています」

「たまさんちのホゴイヌ」は税込1320円。
売上の一部は、保護犬の支援活動などに取り組んでいる団体に寄付される。


【漫画】tamtamさんが描く話題のコミックエッセイ「たまさんちのホゴイヌ」

 (まいどなニュース・黒川 裕生)


交通事故で瀕死だったねこの1年後

2022-11-17 05:47:12 | 新聞記事・Webニュース・テレビ・書籍・ブログなど

交通事故で瀕死だったねこの1年後
 脳に後遺症は残るも奇跡の姿に大反響「頑張ったね」

2022年11月6日(日)

NPO法人「人と動物の共生センター」(岐阜県岐阜市)が今年3月に公表した推計によると、交通事故で命を落とす全国のねこは1年間で約29万匹だそうです。
現場に居合わせて激しく動揺してしまった……という経験のある人もいるでしょう。
ツイッター上では、そんな出会いから始まった感動の物語が反響を呼んでいます。
瀕死の状態で保護されたねこちゃんとのこれまでについて、飼い主のあや(@Ciao114)さんに詳しいお話を伺いました。


おめめぱっちりの美しいもっちーちゃんには壮絶な過去が…【写真提供:あや(@Ciao114)さん】

 ◇ ◇ ◇

◆交通事故で瀕死の状態…「出会い記念日」の投稿に反響
「1年前の今日 車にひかれたねこに出会った。生きるか死ぬかの瀬戸際で 明日の様子を見て安楽死も視野に……。でも翌日は自力で立って生きる意思をみせた。それからめきめき回復して、今ではしっこタレ娘だけど他のニャンのごはんを横取りするくらい活発! よくがんばったね、もっちー」
このメッセージとともに、ツイッターで公開された3枚のねこ写真。
傷付いた体のまま車の脇で横たわる姿から現在までを収めたものです。
写っているねこは、元保護ねこの女の子「もっちー」ちゃん。
かわいいお名前は、ブチ模様のある白い被毛が豆餅のように見えることから授かりました。
今ではすっかり元気ですが、あやさんによると、昨年10月27日に出会った時は瀕死の状態だったそうです。
「朝、車で通勤している最中に、片側二車線の国道のど真ん中で倒れているところを見つけました。車が走っているのに歩こうとしていたので、危ないと思い車を近くの駐車場に停めて確保しにいきました。そして病院の診察台に乗せたら、すっと自分で立ったんです。奇跡だと思いました。それまでは呼吸も浅く、目も開かず、水も飲めなかったので」
そして今年の10月27日、あやさんはハッシュタグ「今日は出会い記念日」を付けて3枚の写真とメッセージを投稿。大きな反響を呼びました。
リプライ(返信)には「もっちーよく頑張ったね これからも元気にかわいいおかお見せてね いつも応援してるよ」「何だか泣ける……」「美ねこさんに成長しましたね」と成長を見守っているファンの方や、もっちーちゃんとあやさんの関係に感動するという声が多数寄せられています。

◆過酷な治療を耐え抜いて回復したもっちーちゃん 脳には障害が

背後にはもっちーちゃん用のペットシーツ。トイレはなかなか覚えられないけれど、元気に暮らしています【写真提供:あや(@Ciao114)さん】

運命的な出会いにより一命を取り留めたもっちーちゃんでしたが、そこから始まった治療は苦労の連続でした。
「初めの1週間は病院に毎朝行って、脳の腫れを抑える注射と輸液をしてもらいました。保護4日目からシリンジで流動食が飲めるようになり、そこから徐々に歩けるように。約2週間後には、自力で排泄ができるようになりました。  現在は脳に障害が残っているので、視野があまり広くありません。疲れるまでぐるぐる歩き回って、高いジャンプはできませんね。また、トイレを覚えられずどこでも排泄します」
それでもあやさんは、瀕死状態からの脅威的な回復力や日々の元気な様子に喜びを感じています。
また、あやさん宅には先住の元保護ねこが7匹暮らしていますが、みんなもっちーちゃんを気遣ってくれているように見えるのだとか。


ミーちゃん、チャーちゃん、ラッテちゃん、マーちゃん、チビちゃん、シロちゃん、チョビちゃん。もっちーちゃんと同居するねこたち【写真提供:あや(@Ciao114)さん】

「もっちーちゃんにはとりあえず、元気になるまでケージの中で生活してもらって、食事などでケージから出す時は部屋に他のねこを入れないようにしていました。(もっちーちゃんが入っていた)キャリーケースはみんなが生活する空間に置いて、匂いを嗅がせていました。今でも他の子と仲良くできていませんが、みんながもっちーちゃんに気を遣って、優しくしてくれている気がします」
1匹だけはよくねこパンチと威嚇をしているそうですが、元気になったもっちーちゃんにはこの先もまだまだ時間があります。
同じ元保護ねことして、これからもっと仲良くなれる瞬間が訪れることでしょう。
あやさんのツイッターアカウントでは、ハイテンションで走り回るもっちーちゃんを落ち着いた様子で見守る先住ねこちゃんたちの動画や、大好きなごはん待ちの様子など、癒やされる日常の様子がたくさん投稿されています。
運命の出会いから懸命に命をつないだもっちーちゃん。
今の元気な姿は、見る者に大きな勇気と温かい気持ちを運んでくれるはずです。

【動画】大好きなねこじゃらしで“ハッスル”するモッチーちゃん

【写真】1年前は安楽死寸前 瀕死だった元保護ねこのもっちーちゃん 当時の様子

Hint-Pot編集部

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ドーベルマン窃盗事件のその後

2022-11-16 05:57:06 | 新聞記事・Webニュース・テレビ・書籍・ブログなど

ドーベルマン窃盗「ルパン作戦」に手を染めた4人は、いずれも愛犬家だった
 裁判では涙ながらに謝罪、原因は「動物愛の暴走」か

2022年11月4日(金)  

千葉県木更津市で大型犬のドーベルマンを盗んだ罪に問われた女は、法廷で涙ながらに謝罪した。
彼女たちはこれまで、動物愛護に取り組んできたという。
それが窃盗事件に手を染めるまでに至ったのはなぜか。
9月まで千葉地方裁判所木更津支部で開かれた公判では、飼い主の男性の飼育姿勢に一方的に不満を募らせて“救出”を思いつき、「ルパン作戦」と称した計画が完遂されるまでの経緯が明らかになった。
窃盗と住居侵入の罪を認めた女らは、いずれも執行猶予付きの判決を受けて確定している。
(共同通信=井口真之介)


ドーベルマン(事件とは関係ありません)=「公益社団法人日本警察犬協会」提供

▽このままだと不幸に
事の発端は、山間部にある静かな町を騒がせた脱走劇だった。
4月22日、後に窃盗の被害者となる男性が自宅外で飼っていたドーベルマン4匹が逃走。
マイ(30)=仮名=は、ボランティアとして自身の愛犬と一緒に捜索に加わり、その日の深夜に4匹を確保した。
この時、マイは「男性宅の飼育環境に疑問を持った」という。
裁判の中でマイはこう振り返っている。
「飲み水は底が見えないくらい濁っていて、ふんや陶器の破片も落ちていた。言葉にならないくらい衝撃的な環境だった」。
同じ動物保護団体に所属していたアヤカ(30)=仮名=に相談し、対応を検討した。


窃盗事件の現場となった飼育スペース=10月24日午後2時28分撮影

相談を受けたアヤカは男性宅を訪ね、1匹を譲り受けたが、他の犬の譲渡は断られた。
アヤカは飼い主とやりとりする中で「(犬たちが)このままだと不幸になってしまう」と感じ、保護団体代表だった男(51)に相談。
男性宅から残りのドーベルマンを盗んで“救出”すると決めた。
アヤカらはこの計画を、人気作の主人公にちなんで「ルパン作戦」と名付けた。

▽行き過ぎた行為
決行日の5月8日。
まず、アヤカが一人で男性宅を訪れ、「譲り受けた犬が体調を崩したので、餌を買うのを手伝ってほしい」と言って男性をホームセンターに連れ出した。
その隙にマイと男、さらに同じ動物保護団体のチヨコ=仮名=(52)が男性宅の敷地に侵入し、母犬と子犬の計2匹を盗み出した。
マイは公判で反省点を問われると、「(事前に)保健所や他の保護団体の意見を聞き、自分も飼い主と話し合って動いていたら強硬手段をとらずに済んだ」と振り返り、反省の弁を述べた。
「行き過ぎた行為だった。わんちゃんもあっちに行ったりこっちに行ったりで、幸せではなかったと思う」。
アヤカは涙ながらに謝罪した。
「飼い主をだまして盗んだことがずっと引っかかっていた。申し訳なかった」


千葉地裁木更津支部

▽認識の相違
マイは5月19日に逮捕されるまで、SNSや報道機関のインタビューで、男性の飼育環境を再三批判してきた。
公判でその時のことを「警察や保健所が注意しても変わらないので、世論が動いてくれたらと、わらにもすがる思いだった」と語った。
一方、保健所の認識はマイたちの証言と食い違う部分もある。
君津保健所によると、4月の脱走後に職員が飼育状況を確認しに行き、脱走防止措置を講じて狂犬病の予防注射を打つよう指導した。
その後、男性は犬小屋を囲む柵を補強し、注射も済ませた。
保健所の担当者は「ネット上では衛生面の課題を指摘する声もあったが、柵や予防接種の他に問題はなかった」と話す。

▽独善的
判決は逮捕からおよそ4カ月後の9月下旬に言い渡された。
池厚行裁判官は女3人と男1人をいずれも懲役1年、執行猶予3年とした上でこう断じた。
「飼い主の飼育方法に不適切な部分があったとはいえ、保健所の指導に従い改善を見せていた。盗んでまで自身たちの望む飼育環境を実現しようとする動機は独善的というほかない」

▽行政や警察と連携を

判決が言い渡された法廷

ペットブームが過熱する中、飼育環境の在り方を巡る意見の対立は起こりがちだ。
日本動物福祉協会(東京)によると、民間の保護団体や個人から「不適切な飼育環境を確認した際にどう対処すれば良いか」といった相談が寄せられることは多いという。
協会の町屋奈獣医師・調査員は、今回の事件を踏まえて警鐘を鳴らしている。
「虐待に当たるかどうかの判断は難しい。自分が『劣悪だ』と考える主観だけで動き、法を犯すことはあってはならない」。
対応するためには公的機関の関与が欠かせないとして、こう強調。
「まずは行政や警察、獣医師に相談して、不適正飼育や虐待の客観的な証拠を集めてほしい」。
その上で「行政側も、不適切な飼育環境を的確に見極め、きちんと指導できるような人材の育成が急務だ」と注文を付けた。


保護犬などの譲渡会会場で募金箱が盗まれる

2022-11-15 05:54:36 | 新聞記事・Webニュース・テレビ・書籍・ブログなど

保護犬などの譲渡会会場募金箱が盗まれる
 イヌをなでていた2人組が突然…防犯カメラが捉える 名古屋

2022年10月3日(月)  

名古屋市内で行われた保護犬などの譲渡会の会場で、募金箱が盗まれました。
善意を踏みにじる犯行の様子を、防犯カメラが捉えていました。

9月19日、名古屋市緑区のショッピングセンターの中にある、保護犬や保護猫の譲渡会の会場に設置された防犯カメラの映像には、2人組の人物がケージの中のイヌをなでる様子が映っています。
その後、二手に分かれると白い服を着た人物は何やら会場の奥の方をチラチラ気にする様子が。
そして手を動かし、何かの合図を送ったように見えるその直後…反対側にいた黒い服の人物が会場にあった箱を持ち去りました。
白い服の人物も後を追うように立ち去ります。
持ち去られたのは会場に置かれた募金箱。
この譲渡会を開いている団体にとっては死活問題です。

(NPO法人わんにゃんさとおや会 向井正男マネージャー)
「信じられないぐらいショックだった」

現在およそ250匹の保護犬や保護猫がいるこちらの団体。
エサ代や人件費などのほとんどがこうした募金で賄われています。
被害にあった譲渡会の会場では、毎月およそ10万円の募金が寄せられていました。
(NPO法人わんにゃんさとおや会 向井正男マネージャー)
「皆さんからいただいた気持ちのこもったお金。われわれにもだが、ご支援、ご協力いただいた方々にも謝ってほしい」
一方、9月22日、愛知県刈谷市にある、馬肉の無人販売店の防犯カメラが捉えた映像では、店に入ってきた人物が、商品の棚に向かうことなく、レジの横にある箱を触っています。
…すると、力づくで箱を取り外し持ち去りました。
持ちされたのは商品を購入した際に現金を入れる料金箱。
コンクリートの壁にネジや接着剤などで取り付けられていましたが、いとも簡単に取り外していきました。

(ONIKU STAND刈谷店 沖浦浩明オーナー)
「『うわっなくなっている…』と30分ぐらい何も考えられなかった」

被害にあったONIKU STAND刈谷店ではネジの数を増やしたり、固定する金具を新しく取り付けるなどの対策を迫られました。

(ONIKU STAND刈谷店 沖浦浩明オーナー)
「お金を返してほしいし、謝罪して二度とこういうことがないようにしてほしい」

いずれの事件も被害届が出されていて、警察が窃盗の疑いで捜査しています。

保護犬などの譲渡会会場募金箱が盗まれる イヌをなでていた2人組が突然…防犯カメラが捉える 名古屋(CBCテレビ) - Yahoo!ニュース


放置されたスーツケースの中から子犬6匹を発見

2022-11-14 06:02:04 | 動物実験・動物虐待

放置されたスーツケースの中から子犬6匹を発見
「なぜこんな残酷なことを」怒りの声(米)

2022年10月28日(金) 

今月19日、警察官2人が外に放置されたスーツケースの中から6匹の子犬を発見したというニュースがアメリカより届いた。
直前には外を走り回っていた母犬と子犬の2匹が保護されており、スーツケースの中にいた子犬たちの数匹にノミが寄生していたものの、健康状態は比較的良好だったという。
『Tampa Bay Times』などが伝えている。


スーツケースの中から子犬を発見した警察官(画像は『FOX 35 Orlando 2022年10月20日付「Puppies rescued after being abandoned inside closed suitcase at Tampa vacation rental」(Credit: Humane Society of Tampa Bay)』のスクリーンショット)

米フロリダ州タンパのデール・マブリー・ハイウェイ近くで、タンパ警察の警察官2人が母犬と子犬の2匹が走り回っているのを発見した。
人通りの多いエリアだったため警察官はすぐに犬を保護し、タンパ・ベイ動物愛護協会(Humane Society of Tampa Bay)に引き渡した。
その後、調査のため現場に戻った警察官2人は、犬の親子を見つけた現場近くで複数の犬の鳴き声を耳にした。
鳴き声を頼りに探してみると、貸別荘のすぐ外に放置されていたピンク色のスーツケースの中から聞こえることが判明。
しっかりとチャックで閉められていたスーツケースを開けてみると、中から6匹もの子犬が出てきた。
警察官らは再び同協会に戻って子犬たちを引き渡し、合計8匹の犬の親子は無事に再会を果たした。
同協会で最高経営責任者(CEO)を務めるシェリー・シルクさん(Sherry Silk)は、「恐ろしいですよ。なぜこんなことをするのか分からないです」と今回の件について怒りをあらわにした。
シェリーさんによると子犬たちは生後5週間ほどで、運ばれてきた時は数匹にノミが寄生していたという。
また母犬は低体重だったが、母犬と子犬ともに健康状態は比較的良かったことを明かしている。
テリア犬のミックスである母犬は約5歳で“ドーラ(Dora)”という名前が分かったが、子犬たちの名前は分からなかった。
そこで同協会のスタッフらは7匹の子犬たちに母親のドーラから頭文字の“D”を取って、“ドーソン(Dawson)”、“デイジー(Daisy)”、“デイヴィッド(David)”、“ダイアナ(Diana)”、“デーナ(Dana)”、“デラ(Della)”、“ディエゴ(Diego)”と名付けた。
同協会には「子犬を引き取りたい」とすでに電話がかかってきているが、生後8週以降に里親に渡すというルールを設けているため、実際に引き渡すのは1か月ほど先になるそうだ。
このニュースを知った人からは「なぜこんな残酷なことができるの?」「スーツケースに付いた指紋をとって犯人を捕まえてほしい」「怒りが収まらないよ」「子犬たちが無事で良かったけど酷すぎる」「犯人には罰が下ってほしいね」と怒りのコメントが多数あがった。
ちなみに昨年には、道路に置き去りにされた犬が必死に飼い主の車を追いかける様子を捉えた動画がネット上で拡散され、人々の涙を誘っていた。

(TechinsightJapan編集部 iruy)


ペットが一生をかけて教えてくれること

2022-11-13 05:42:35 | 新聞記事・Webニュース・テレビ・書籍・ブログなど

命には限りがある。ペットが一生をかけて教えてくれること

天国への扉(ペットメモリアル滋賀)

「子どもが生まれたら犬を飼いなさい」という、イギリスの詩(ことわざ)をご存知ですか?
この詩の作者は不明ですが、今では世界中に親しまれています。

・子どもが生まれたら犬を飼いなさい
・子どもが赤ん坊のとき、子どものよき守り手となるでしょう
・子どもが幼少期のとき、子どものよき遊び相手となるでしょう
・子どもが少年期のとき、子どものよき理解者となるでしょう
・そして子どもが青年になったとき、自らの死をもって子どもに命の尊さを教えるでしょう

ペットは人間に比べてはるかに短い命。
足元がおぼつかないほど幼かった犬が、たくましい成犬へと成長し、やがては老いて天国へ……。
限りある時間の中で、私たちはペットとかけがえのない絆をつくり、同時に短い命とも向き合います。
ペットが教えてくれる「命の大切さ」は、きっとお子さんの成長を大きくうながしてくれるでしょう。

ペットを飼うと子どもにどんなメリットがある?
お子さんが幼いほど、何かと手がかかるもの。
「ペットは飼いたいけれど、まだ早いのでは?」と心配するご家庭は少なくありません。
しかし、ペットがもたらすメリットはたくさんあります。
「子どもが幼いからまだ早い」ではなく、「子どもが幼くてもぜひ」なのです。
1.幸せの連鎖
イギリスのリヴァプール大学の研究によると、ペットと暮らす子どもは性格がおだやかになる傾向があり、知的好奇心や社会的な能力も高まるそう。
実際、ペットとの触れ合いは私たちに幸せをもたらしてくれます。
愛情たっぷりに接すれば、それ以上の愛情をもって応えてくれるので、ますます愛情を注ぎたくなる……
ペットのいる家庭では、このようなポジティブの連鎖が日常的なのです。
2.他者にやさしくなる
幼稚園や小学校は、子どもにとって社会生活の第一歩。
時にはお友達との関係でトラブルが起こることもあるでしょう。
集団生活において、「どうすれば相手が喜ぶのか」「何をしたら相手は嫌がるのか」など、相手の気持ちを読み取るスキルは欠かせません。
ペットのお世話が日課になっていると、他者を気遣ったり思いやったりする心が自然と身につきます。
クラスメイトはもちろん、下級生にも親切にできるような子に成長するかもしれませんね。
3.責任感が身につく
ペットは生きものです。
一緒に遊んだり散歩したり……といった楽しい面だけではなく、しつけやフンの始末など大変なことも多々あるはず。
時には「今日は眠いからお世話したくない」「友達と約束しちゃったから無理」などわがままを言うことがあるかもしれません。
しかし、ペットを飼育している以上、お世話を投げ出すことはできません。
「大切な存在のために責任を持って面倒を見る」ということが習慣化すれば、社会に出ても重宝される人材になるでしょう。
4.病気の発症リスクが下がる
喘息やアレルギーに悩まされる方は少なくありません。
米国医師会の小児科専門誌「JAMA Pediatrics」によると、幼少期にペットと暮らしていた子どもは、飼っていない家庭に比べて喘息やアレルギーの発症リスクが低くなるとされています。
幼いころからペットに触れることで、免疫力が向上するのですね。
5.心の寄りどころになる
ペットは、飼い主の感情を読み取る心に長けています。
楽しいときは一緒に遊んだり、泣いているときにはそっと側に寄り添ってくれたりなど、ペットは子どもにとって親友以上の存在になってくれるはず。
生きていればつらいことが付きものですが、ペットはいつでもあなたの味方。
「この子のためにもがんばらなきゃ」と、きっと自分の力で立ち上がって行けるでしょう。
実際、ペットの癒し効果は医療機関や学校などでも注目されています。
「アニマルセラピー」や「ドッグセラピー」などの名称で親しまれているので、聞いたことがある方もいるかもしれませんね。
動物と触れ合うと、子どもたちの心は大きく開かれていきます。
笑顔が増え、精神が安定し、前向きに生きていけるようになるのです。
NPO法人「日本アニマルセラピー協会」によると、ペットを飼っている家庭は、飼っていない家庭よりも年間で病院にかかる割合が20%少ないそうです。
金額に換算すると、オーストラリアでは3000億円、ドイツでは7500億円も医療費が削減しているとか。
「病は気から」といいますが、まさにその通りなのですね。
ペットとの幸せな暮らしは、メンタルに良い影響を及ぼし、健全なメンタルは体も丈夫にするといえるでしょう。
6.命の大切さを学べる
ペットとの生活は、いつかは終わりが来ます。
犬も猫も人間より早く歳を取るので、彼らの最期を看取るのは、ほとんどが私たちなのです。
人間とは寿命が違う生きものと生活すると、子どもは多くのことを感じるようになるでしょう。
「老いると立ち上がれなくなってくる」「自力でごはんを食べられなくなる」など一見ネガティブなことでも、子どもは子どもなりにしっかり学んでいきます。
もし亡くなってしまったら、子どもは悲しむでしょう。
泣いたり落ち込んだり、しばらくは気持ちが不安定になったりするかもしれません。
しかしその悲しさを乗り越えたとき、死とは何か、そして生とは何かを少しずつ理解できるようになるはずです。
ペットが生涯をかけて教えてくれる、「命」。
命の重みを知ったお子さんは、自分も他者も大切にできる心優しい子に成長するのではないでしょうか。
ペット火葬業を営んでいる私は、毎日のようにお別れの場面に立ち会います。
そのたびに、私はあらためて実感するのです。
命には限りがあるということを、そして出会いは奇跡だということを……。
ペットの最期を見送るのは悲しいですが、でも、だからこそ、やさしい自分に成長できている気がしています。
人も動物も、それぞれがひとつの命。
限りある時間の中で、悔いのないよう生きたいですね。

■子どもとペットの関わりの事例
子どもにとってペットは、親友以上のかけがえのないパートナー。
実際に子どもがいるご家庭でペットを飼育している方からは、このような声が寄せられています。
・娘が3歳のときに、天国へ旅立ったゴールデンレトリーバー。犬が亡くなるその瞬間まで、娘はしっかり見ていました。ただ「死」がよくわからないらしく、「どうして動かないの?」と私に何度も質問していました。その後火葬して、骨になったところも見せました。愛犬の死を通して、命とは何かを娘なりに考えたようです
・息子が生まれる1年前から猫を飼い始めました。生まれたての息子と対面した猫は、最初警戒していたのですが、何日かすると息子と同じ布団で寝るように。息子が4歳になった今では、猫と仲良く毎日遊んでいます。剣や銃のおもちゃを手にしても猫には絶対に乱暴しないので、「弱い相手にはやさしくする」ということが自然と理解できているようです
・1年以上前に亡くなったウサギのことを、3歳の娘は今でも思い出すことがあります。「いつ帰ってくるの?」とたまに聞かれますが、そのときは「死んでしまったから、もう会えないんだ。人も動物も、死んだらそれで終わりなの。だから、生きている間に、たくさんのことを楽しもうね」と伝えています

ペットと過ごした日々や、紡いだ絆。
ペットの体はなくなっても、それらは未来永劫変わることはありません。
胸に刻んだ小さな命の重みは、子どもの人生において大きな糧になるはず。
自分や他者を大切にしながら、1日1日を大切に過ごしていってほしいですね。

■まとめ
ペットは、その生涯をもって「命には限りがあること」を教えてくれます。
ペットが教えてくれる命の価値は、自分を大事にすることはもちろん、他者への思いやりにもつながるでしょう。
人間と動物。
心でつながり合う奇跡のような日々は、かけがえのない宝物です。
限りある時間の中、家族でたくさんの思い出をつくってくださいね。

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放置されるペット増加

2022-11-12 05:56:17 | 動物実験・動物虐待

放置されるペット増加…飼い主の死亡、介護施設への入居で
 保護団体も年間コスト800万円超でギリギリ

2022年10月24日(月)  

健康管理や食事など十分な世話をされず、虐待や多頭飼育崩壊による劣悪な環境に置かれている猫や犬を救おうと、NPO法人「ねこひげハウス」は埼玉県八潮市を中心に動物保護活動をしている。
代表の石川砂美子さんは高齢者宅で飼われていたペットが飼い主の死亡や介護施設への入居などでそのまま自宅に取り残されるケースが増えていると指摘。
「コロナ禍でペットを飼う人が急激に増えた。動物の命を軽く考えないで」と新たな社会問題化に警鐘を鳴らしている。


「動物にも福祉の問題があることを知ってほしい」と話すNPO法人ねこひげハウス代表の石川砂美子さん(右)とボランティアスタッフの高橋章子さん

動物好きの石川さんが活動に取り組むようになったのは約11年前。
多頭飼育崩壊寸前だった市内の男性宅の猫たちを保護したことが始まりだった。
その家をシェルターとして借り上げ、現在は猫102匹と犬2匹を保護している。2015年にNPO法人化し、里親探しやみとり、緊急保護、地域猫への正しい理解や不妊手術などを行っている。
普段は約30人のボランティアスタッフと交替で猫や犬の面倒を見る石川さん。
自宅は別にあるが、たまにタオルなどの日用品を取りに帰るだけで、24時間365日ほとんどの時間を動物たちと共に過ごしている。
シェルターで暮らす猫の3分の2が7歳以上の老猫。
約3割ががんや腎臓病など何らかの病気を発症し、交通事故で大けがした猫もいる。
普段の食事や掃除、薬や病気の治療費は年々増え、年間の維持費は800万円以上。
支援者も徐々に増えてはいるが、常にぎりぎりの状態という。
それでも「この子たちを救うために活動を続けていかなければ」との思いが行動を支えている。
今月からクラウドファンディングにも挑戦し、当面の運営資金の確保を目指している。
コロナ禍で新たな社会問題も出てきている。
ペットを飼う人が急激に増えたが、高齢者宅で飼われていたペットが飼い主の死亡や介護施設への入居などでそのまま自宅に取り残されるケースが近年増えているという。
「コロナ禍で寂しい気持ちは理解できるけど、動物の命を軽く考えないでほしい」と石川さんは訴える。
オランダや独など欧州に比べて日本は動物愛護に対する意識や法整備も遅れており、行政だけでは解決できず、多くの愛護団体にしわ寄せがきているという。
「大げさに聞こえるかもしれないが、人間だけでなくペットを含めた地域全体の包括的なケアが必要」と危機感を募らせる石川さん。
「高齢化(少子化)でペットを取り巻く環境も大きく様変わりしている。家族の一員として本当に最期まで育てられるのか、自分に万が一のことがあったら誰に引き取ってもらうのか、家族や親族とよく相談してから覚悟を持って飼ってほしい」とモラルの向上を呼びかけている。

■支援の相談、問い合わせ  同団体ホームページ https://nekohigehouse.org/、または石川さん(電話090・2316・4838)

ねこひげハウス|埼玉県八潮市にある保護犬猫シェルター (nekohigehouse.org)


水やご飯ももらえず、痛ましい状況で飼われている犬を救助できるか・・・

2022-11-11 05:57:38 | 新聞記事・Webニュース・テレビ・書籍・ブログなど

水やご飯ももらえず、痛ましい状況で飼われている犬…
救助して「保護」したいけど大丈夫?【弁護士が解説】

2022年10月23日(日)  

虐待され、生命の危機が迫る動物を目の当たりにしたとき、私たちには何ができるでしょうか。
実は第三者が救出することを認めるような法的な制度は今日の日本には存在しないのだそうです。
あさひ法律事務所・代表弁護士の石井一旭氏が解説します。

【相談】
散歩で通り掛かる家の玄関先に、鎖で繋がれたまま、ほぼ放置されているような犬がいます。
犬小屋はぼろぼろで、周りには糞が散乱。最近は水やご飯も満足にもらえていないのか、汚れた器がそのままになっていて、犬も元気がなくなってきた気がします。
一刻も早く痛ましい状況から、ぜひ救ってあげたいのですが、この犬を「保護」していいでしょうか。


犬を救助して保護したいと思っても…できることは限られているようです ※画像はイメージです(Solomiia/stock.adobe.com)

■法律的には…第三者ができることは限られています
▽ペットは飼い主の所有物
結論から申し上げますが、こうした場合に第三者がペットを救出できる法的な制度は、残念ながら、今のところ存在しません。
ペットはあくまで飼い主の所有物であり、所有者は所有物について他人の干渉を許さない排他的な支配権を有するためです。
もちろん飼い主が虐待やネグレクトを行えば動物愛護法で禁止された犯罪に該当します。
有罪判決を受ければ飼い主が刑罰を受けることにはなります。
しかし、それによってペットが虐待状況から救出されるわけではありません。
虐待対象となったペットを犯罪者となった飼い主から取り上げる制度もありません。
逆に、刑事事件化することによって飼い主が逮捕・勾留され、あるいは実刑判決を受けてしまうと、ペットの世話ができなくなってしまいますので、誰が残されたペットを世話するのかという問題が発生することもあります。
といって、虐待を放置するわけにもいかず、非常に悩ましいところです。
劣悪な環境に置かれたペットを救うには、法律的には、飼い主に掛け合って、ペットたちの保護や引き取りを求めるしかありません。
飼い主が見つからなかったり、見つかっても引渡しを拒否された場合は、現状、第三者はどうすることもできません。
病気・飢餓状態などで虐待やネグレクトを受けていることが明らかであるケースや、多頭飼育崩壊した環境で飼育されているケースであっても、第三者がペットを強制的に保護できる制度は存在しません。
そのため、ペットの保護活動に従事する方々や行政の担当職員は、飼い主を探し出し、飼い主を説得する一方、新たな飼い主・世話人・引取先を探すなどして…ときには自己負担で自ら引き受けることまでして…ペットの保護活動を地道に行っている、というのが現実です。

▽緊急事態でも同じなのか?
目の前のペットに生命の危険が迫っているなどの緊急事態であっても、ペットを救い出すことはできないのでしょうか。
まず、無断で他人の所有する建物や敷地に侵入する行為は住居(あるいは建造物)侵入罪に、侵入のためにカギやドア、窓、柵などを壊せば器物損壊罪に、救助の際にペットに怪我を負わせれば動物傷害罪に該当してしまう危険がありますし、ようやくペットを救助できても、飼い主に対する窃盗罪に問われる危険があります。
また、壊した物品の賠償などの、民事上の責任を負わされる可能性もあります。
法律上は、急迫の危難を避けるためにやむを得ずに行われた回避行動については、緊急避難による免責の制度が存在します(民法720条2項、刑法37条1項)。
しかし、ペット救助の場合に必ず緊急避難が成立するわけではありません。
緊急避難の成否の判断では、「本当に緊急事態だったのか」「他の手段はなかったのか」「発生した損害が避けようとした損害の程度を超えないと言えるか」など、様々な要件が厳格に審査されます。
まさにケース・バイ・ケースです。
ですから、「救助行為は緊急避難が成立するから問題ない」と安易に考えて行動に出ることは危険です。

▽今後に向けて
このようなどうすることもできない現状に対して、現場で動物保護活動に取り組んでいる方々から、改善を求める声が強く上がっています。
そこで、緊急事態の場合の一時保護制度を新しく設けてはどうか、という議論が盛り上がりを見せています。
イギリスでは、動物虐待で裁判となった場合、判決が下るまでの間、虐待のおそれのある動物は、RSPCA(Royal Society for the Prevention of Cruelty to Animals)という民間団体が一時保護をすることができます。
飼い主がどうしても動物を手放さない場合は、2006年動物福祉法に基づいて動物を押収することや、裁判所から動物譲渡命令を出してもらい、適切な人物・団体に動物を譲渡させる、という制度があります。
日本でも同様に、例えば動物愛護管理法第4章の2以下で定められている動物愛護センターに虐待動物を一時保護する権限を与えたり、裁判所が問題のある飼い主から動物愛護センターへの譲渡命令を出す制度の創設を検討するべきではないでしょうか。
最初に述べたとおり、ペットは飼い主の所有物であり、所有権が憲法で財産権として保障されている強力な権利であることはもちろんです。
しかし、憲法29条2項は「財産権の内容は、公共の福祉に適合するように、法律でこれを定める」と規定しており、財産権は公共の福祉により一定の制限を受けるものと考えられています。
ペット・動物の地位の向上、動物愛護の気風の広まりを背景事情として、ペット・動物を虐待やネグレクト、悲惨な環境から一時的に保護することが公共の福祉に適合するという解釈も可能ではないかと、個人的には考えます。

◆石井 一旭(いしい・かずあき)
京都市内に事務所を構えるあさひ法律事務所代表弁護士。近畿一円においてペットに関する法律相談を受け付けている。京都大学法学部卒業・京都大学法科大学院修了。「動物の法と政策研究会」「ペット法学会」会員。

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