すでに猫を飼っている家庭で野良猫を迎え入れ、お世話するときの注意点|獣医師解説
2022年11月14日(月)
すでに猫を飼っている飼い主さんが野良猫を保護したとき、家に迎え入れようと考える人もいるでしょう。
その場合、野良猫をお迎えするにあたって、事前にどのようなことを考慮する必要があるのでしょうか。
ねこのきもち獣医師相談室の岡本りさ先生が解説します。
◆猫を飼っている家庭で野良猫を迎え入れるときに注意すべきこと
野良猫はお腹の中に寄生する内部寄生虫に感染していることがあります。
便検査を行ったうえで駆虫剤を投薬するなど、かかりつけの指示に従って対応するようにしましょう。
それまでは、先住猫とトイレや生活環境を一緒にしないようにしましょう。
ノミ・マダニが寄生している可能性もあるので、病院での確認と予防薬の塗布が完了するまでは、迎え入れた野良猫をケージから出さないことも大切です。
また、猫エイズや白血病ウイルスに感染している可能性があるので、ウイルスチェックが済むまでは先住猫と接触させないようにしましょう。
グルーミング、ケンカ、食器やトイレの共有で感染してしまうことがあるので、注意が必要です。
上記の理由から、野良猫を保護した際は先住猫とは完全に隔離をし、接触がないようにしましょう。
先住猫がワクチン接種をしていない場合はより注意が必要です。
また、保護した野良猫はできるだけ早急に動物病院を受診してください。
その際に先住猫がいることを獣医師に伝え、どのような注意や対応が必要か詳しく聞いてみてください。
◆先住猫がいる家庭で、保護した野良猫を家に迎え入れるかどうか検討する際のポイント
すでに猫を飼っている家庭で野良猫を保護し、飼う、飼わないの判断をする際のポイントとしては、下記のようなものに。
・猫同士の相性はどうか
・猫同士の相性や感染症の問題で猫同士が一緒の居住空間で暮らせない場合、適切に隔離できるかどうか これらを検討した上で問題ないと判断して飼うことを決めた場合、先住猫と保護した野良猫を対面させるタイミングとしては、動物病院での健康チェックや、不妊手術が終わったタイミングがよいでしょう。
野良猫を家に迎える場合、特に成猫の場合は人馴れするのに時間がかかったり、年単位で触れない可能性もあります。
そうした可能性があることも理解した上で、お迎えすることを検討してみてください。
(監修:ねこのきもち獣医師相談室獣医師・岡本りさ先生)
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
取材・文/柴田おまめ
ねこのきもちWeb編集室
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