TOKIDOKI 日記

日々のなかで、「へぇ~」「ふぅ~ん」と思った、
私につながるステキなコトやモノ、そしてヒトたちの記録です。

花いっぱい♪池の平湿原

2013-08-19 | 写真日記

地蔵峠から湯の丸高峰林道に入ってクネクネ道を15分ほど走ったら、
池の平湿原駐車場に着いた。駐車料金¥500を払うと、係りのおじさんが
林道ゲートが閉まる30分前には(林道開通時間はAM7:00~PM5:00)
戻るように、それにはこのコースを行くといいと地図を指さしおしえてくれた。
時間がないから湿原まで行って1時間で戻ってきますと私が言うと、
それはもったいない、このコースを行っても1時間半で帰ってこれるからるからと
いやにきっぱりした口調で言われたので、それもそうだなと納得、急ぎ足で出発。

 

駐車場周辺はニッコウキスゲが盛りで、夏らしさを盛り上げている。
ヤナギランはまだつぼみが多く、マルバダケブキと仲良く寄り添って咲いていた。

 

数万年前の三方ヶ峰火山の火口原に広がる高層湿原(標高2000m)が池の平で、
浅間山より以前にできたそうだ。

 

  

湿原へと向かう遊歩道わきではクルマユリやヤマオダマキが数見られる。

 

 

木陰のベンチで集うクロヒカゲとヒカゲチョウ。

 

   

カラマツの下で咲くのはエゾスズラン(アオスズラン)
背丈1mはあり、茎もがっしりしている。すずらんのイメージにはほど遠い。

 

湿原の木道から観察できる花は遠くにアヤメとワレモコウ。
咲きはじめのヤナギランもわずかに見られる。

木道を鏡池まで歩いて引き返し、三方ヶ峰へと少し登ったところを右に行ってみた。
道は上り坂で思ったより長い。これは急がないと、、。

せかせかと歩きながらも淡いピンクの 
小さな花を見つけ、思わず足が止まった。
もしかしてリンネソウ、、、 もう花は終わったと聞いていたのが、
4つほど残って咲いていてくれた。うれしい~~
リンネソウはヨーロッパやシベリアをはじめ寒冷地に広く分布する花で、
英名はtwinflower、分類学を大成したリンネ博士の名がついている。
博士はこの花が大好きだったらしい。
「赤毛のアン」にもアンが
特別好きな花として登場していて、出会いたい花のひとつだった。
小指より小さいくらいの花が茎の先にバランスよく二つ、
ほんのりピンクがかった色といい、その可憐な姿といい、とても愛らしい。
リンネ草という名ではあるけど、スイカズラ科で木の仲間。
来年にでも盛りの頃に来て、じっくり観察したい。

 

思わぬ自然の計らいでリンネソウにも出会え、足取りも軽く山道を登る。
道の両側はおもいおもいに咲く夏の花たちで賑やか

 

    

クルマユリ、ウラギンヒョウモン?、ミヤマアキノキリンソウ

 

   

びっしり花をつけるバイケイソウ、草むらにホソバノキソチドリをよく見る。

 

  

道の片側に張られたフェンスを覗きこんでみると、中にはコマクサの群生が見られたが、
花の時期は終盤で、きれいなものは少ない。フェンスには撮影用の窓があったけど、望遠
レンズがないと撮れない遠さ。 周囲の草むらにはイブキジャコウソウが盛り。

 

   

三方見晴歩道は花であふれ、クガイソウ、チダケサシ、ヤナギランは夏の陽射しに輝き、

 

   

その下の方ではシャジクソウ、カワラナデシコ、ハクサンフウロなど草丈の低い花が、
足元で散らばるように咲いている。

 

薄紫の花をいっぱいつけて、道の真ん中で咲いているツリガネニンジン。
どの花も、短い夏を謳歌するように、精一杯美しく咲いて、、、その姿に
拍手

 

小広いピーク見晴岳(2,095m)から望む水ノ塔山と篭ノ登山。
夏の高原を代表する花シシウドは、その大きさからも山がよく似合う。


 雄花から雌花へと変化しつつ、1ヶ月もの間
えんえん花を咲かせるドラマティックなしくみもおもしろい。日本特産種。

 

 

人もまばらになった歩道を 
時間を気にしながら地蔵峠へ下る。

明るい草原から針葉樹の繁みへと入っていくと、

 淡いクリーム色したコバノイチヤクソウが
小さいながらも薄暗い林床に群生して、そこだけ明るさを放っている。

 

薄紫の小さな花はグンバイヅルで 
この花は分布が限られ、本州の中部にしかないそうだ。
こんな可愛らしい花に軍配蔓とは味気ない名前をつけたもので、
しかも果実の形が軍配に似てるからとは、あんまりだわ、、。

 

急ぎ足でグルッとまわってラスト近く、草原にヤナギランが風にゆれる。
この美しい花を見ると、あちこちの山が思い出されて懐かしさがこみあげる。
ユーコン州ではfireflowerと呼ばれる名のとおり、山火事跡の裸地に真っ先に入り込み
まだ草も生えてない灰色の地面に密集して赤紫の花を咲かせていたのが印象的だった。

 

 カワラナデシコも草原でよく見る花だけど
細かく切れ込んだ花びらは優美で、自然の巧みな手仕事よと見入ってしまう。
花びらが濡れてしまうと、その美しさも半減してしまうけど、、。

 

予定を30分オーバーして駐車場に到着。
帰りは車坂峠へ出て、チェリーパークラインで小諸ICへ。
車坂峠までは未舗装の砂利道、ダイアナがないようにと祈りつつ2~3速で走る。

林道の終点、高峰山登山口に着くと、ニッコウキスゲが群れ咲いていた。
クルマを降りて花を眺める時間もなく、ウィンドウ越しにシャッターを切って通り過ぎる。

車坂峠(標高1,975m)からの快適なワインディングロード、チェリーパークラインは
標高差1,000m、距離15kmで、タイトなコーナーが連続する。
ジェットコースター並みの加速に180度ターンの急カーブ、眠気も吹き飛ぶ爽快さ
いやおうなくスピードが出てしまうのだけど、道路法面には花も多く、のんびり歩いて
下っていきたいと思うほど。 ヤナギランがびっしりとゴージャスに群れ咲くシーンに
思わずスピードをゆるめたものの停まるわけにもいかず、
遠ざかっていくピンクの花がサイドミラーに小さくなって、さよなら~

また、秋はゴールデンイエローのカラマツ、そして冬のわくわく雪景色ともに
ワンダフルビューのワインディングが楽しめる

湯ノ丸山、池の平湿原どちらも花が豊富で、日帰りじゃもったいないくらい。

 湯ノ丸山はレンゲツツジの花どころとして
有名だけど、自分としては夏の方が見応えがあった。
見落とした花もいくつかあり、次回は時間に余裕をもってゆっくり歩いてみたい。