TOKIDOKI 日記

日々のなかで、「へぇ~」「ふぅ~ん」と思った、
私につながるステキなコトやモノ、そしてヒトたちの記録です。

白山/花の名山を訪ねて その3

2011-08-31 | 写真日記

御日の出を知らせる太鼓は鳴らなかった。

一睡もできなかった山小屋の夜は長く、深夜2時に外へ出てみたが、
このときはガスの切れ間からきれいな星空がのぞいていた。
小屋では4時前からほとんどの人が起き出し、山頂へ向かう支度をはじめる。
私もサブザックにカメラだけを持って小屋を出る。

ビジターセンター前の広場は真っ暗で、登山者のヘッドランプが照らす細長く白い灯りが
闇夜の霧を突き刺すように交差しながらゆれている。
前方には登山道を行く人たちの灯りが、小さくチカチカ光っていた。

 

これは前日、ガスがかかるなかほんの一瞬青空がのぞいたときに撮影した。
神社の鳥居奥から御前峰へと道がつづいている。

 

足元をヘッドランプで照らしながら、石畳の登山道を登りはじめる。

 行くときは真っ暗で見えなかったが、
石畳の際で咲くイワギキョウが露をまとって瑞々しい。

 

室堂から御前峰までのコースタイムは40分。
石畳の道は緩やかに傾斜を増し、やがて階段状となる。

ようやくあたりは明るくなりだしたが、ガスガスで何も見えない。

    

5:15 御前峰(2,702m)着。左は古い木のピーク、そのすこし先に石の新しいピークがあり、
どちらも記念撮影の人たちで渋滞。ピーク下の岩場のくぼみに白山奥宮の社があった。

予定では、白山火口をまわるお池めぐりをするつもりだったが、こんなガスのなかでは展望も
得られないしと、やめることにした。それより、昨日探っておいたクロユリが咲く場所へ行ってみなくては。。

 

山頂下の斜面はお花畑がひろがり、コバイケイソウの大群落が霧のなかに浮かび上がる。

 

黄色のシナノキンバイ、ピンクのハクサンフウロ、白い小花が集まって咲くのはセリ科の花
オオサカモチかなぁ???
山肌を埋める花の群れを前に、ただボーゼンと立ち尽くす・・・


そうだ、クロユリはどこに咲いているんだろう、花畑の道を雪渓が残る方向へと歩いていくと、
アオノツガザクラやハクサンコザクラなど背の低い花たちが集まって咲いている場所に
点々と咲くクロユリを見つけた。

クロユリ4姉妹 

 

   

ミヤマキンバイ(左黄色の花)やミヤマウイキョウ右白い花)と混じって咲くミヤマクロユリ
ひときわ個性的な花の色、花弁内側の黄色い斑点模様もシブめで美しい。
遅くまで雪が残ると思われるこのあたりは、

チングルマもまだきれいに咲いて、

 

  

ハクサンコザクラアオノツガザクラは見事な群落をつくり、

 

  

ミヤマキンポウゲコイワカガミなど、色彩豊かなお花畑が広がる。
いつまでも眺めていたい美しさ癒されますね~
霧に隠されて、遠くの視界がきかないけど、花畑はずっと奥までつづいてる。
もうちょっと霧が晴れてくれないかななぁ~と、白い空を見上げて待ってみるが、状態は変わらず、
あきらめて戻ることにした。

 

雲間からわずかに射し込んだ光に、室堂平の神社裏手のコバイケイソウの群落が明るく輝いた。

小屋に戻り支度を整え、朝食をお弁当にかえてもらって下山にかかる。 7:30
黒ボコ岩まで昨日のルートを行き、そこから観光新道で下山する予定だが、ここを登ってきた人の
話では、途中から急勾配となり、相当にキツイとのこと。どうしよ、、、゜(゜´Д`゜)゜
だけど、天気がよければ展望の花の道、やっぱ行くしかない。

 

弥陀ヶ原の下りにかかると、空が明るくなってきた。

 

原にひろがるコバイケイソウと 
咲き終わったチングルマの(コレね)ボウボウした毛が、縞模様を描いてずっと奥までつづく景色は

  明るい空のもとで眺めるとさらに美しい。

 

 

   

白山は相変わらずガスっているけど、これから行く木道の先は青空いい天気になりそう
ここで今朝5時に別当出合から登ってこられた数人のパーティと出会い、写真を撮っていただい
たりして話をしたら、先週も来て、今日また日帰りで花を見にきたとのこと。なんでもクロユリが
川のように咲く群生地があって、今日あたりが見頃だという。一緒に見に行きませんかと誘われ、
うわ~行きたい!と思ったけど、昨夜一睡もできなかった身には登り返す余力に不安があり、
迷惑をかけることになったらいけないと諦めた。ハァ~、行きたかったぁぁ~

 

 

黒ボコ岩分岐を右に観光新道へ入ると、花の稜線になった。

 

展望、そして山肌を彩る花々を眺めながら 
たどる稜線は、素晴らしい!の一言。もう秋の花、ツリガネニンジンが咲いている。

 

イブキトラノオの大群落、ニッコウキスゲもチラホラ、

 

    

花と展望の尾根道がつづく。 反対側には砂防新道の崩落箇所と甚之助小屋が小さく見える。
濃いピンクの穂状の花は、カライトソウ(唐糸草)バラ科ワレモコウ属。穂の先端から花が咲く。

 

 

 

大好きなマツムシソウが咲いている! 花が大きく花色もくっきり濃いタカネマツムシソウだ。
おなじ花でも「高嶺」とつく高山種の花は、低山のより個性が強いように思える。
昨日歩いたコースでは見られなかった花で、歩くコースによって咲いている花の種類がずいぶん違う。

 

   

 

タカネマツムシソウとツリガネニンジンが競い合って咲く様子に、ゆく夏を感じてしんみり・・・
タカネナデシコもちゃんと咲いていた。

 

 

花にかこまれて歩く山道の楽しさよ! ルンルルン~
右奥に見える赤い屋根は、霞ヶ池避難小屋。 小屋地点の標高は2,020mあるが、
陽射しがきついためかなり暑い。登ってくる登山者のなかには、この付近で相当バテている
人を見かけた。 観光新道を上りにとると、陽射しを遮るところもなく、暑い日はけっこう大変だと思う。

 

   

トモエシオガマ白花バージョン?、右はマメ科のクララ。アルプスの少女ハイジに出てくる女の子を
思い出すけど、名前の由来は根をかむとクラクラめまいがするほど苦いことからついたそうで、
家畜の皮膚病やウジ殺しに使われていたということ。 クラクラ(@_@。がクララね~

 

 

避難小屋を過ぎたあたりから花も少なく 
なってきた。眺めのいい岩場でひと休み。 10:30
ヤマアジサイの向こうにこれから行く稜線が続く。岩場には男性二人の先客がいて、
御前峰を経て南竜ヶ馬場でテント泊、翌日は別山方面に下ると言っていた。
連れのかたはドッカリ腰をおろして休んでいたが、30代半ばくらいのかたは、大きなザックを
背負って立ったままニコニコしながら話す。頼もしや~
あそこに見える二つ目のピークを越したあたりから、ものすごい急坂になると言われビビる。
いろんなかたから聞いていて、覚悟はしているものの、不安要素。。

 

   

岩が重なってできたトンネルをくぐり、しばらく行った先の分岐を左へ曲がると
ド~ッと底の方まで見える坂道となり、一部崩落した場所を過ぎ、坂はさらに勾配を増して続いた。
けど、思ったほどタイヘンではなく、もっとすごいのもこれまであったので拍子抜け(゜д゜)
でも、ここを上がってくるのはイヤだなと思った。

13:15 別当出合着  室堂平から5時間45分かかったことになる。
花を撮影しながらのゆっくりペースだとこんなもんかな、、。

今回山デビューしたおニュウのザック 
これまで使用していたものに比べ快適だった。
背中にザックの背面が密着しないようになっていて、風が通るので、暑苦しさがずいぶん違う。
 
体によくフイットして、重みが腰にかかり、肩が痛くならなかったのもよかった。
ギアの選び方ひとつで、体にかかる負担もずいぶん違う。

団体用の観光バスだと思い込んでいたのが、乗合バスとわかって慌てて飛び乗る。
13:30 別当出合を出発、13:45 市ノ瀬ビジターセンターに着いた。

クルマを走らせながら、このまま帰るか、もう一泊するか考える。
温泉に入って食事をしてとなると帰宅は深夜になりそう、睡眠不足でロングドライブもなんだし、
白山「かんぽの郷」にもう一泊して帰ることにした。

明日は「五箇山」に寄ってみよう。。