TOKIDOKI 日記

日々のなかで、「へぇ~」「ふぅ~ん」と思った、
私につながるステキなコトやモノ、そしてヒトたちの記録です。

大菩薩連嶺

2010-11-29 | 写真日記

ポピュラーなハイキングコースとして知られる大菩薩連嶺、
ここを歩いたのは10年以上、いやもっと前かも??のことで、
「大菩薩嶺」と書かれた道標のところで記念撮影したことぐらいしか記憶に残ってない。

 

東名から御殿場市内に入ると富士山が真正面に大きい。
精進ヶ滝へ行くときに見た富士に比べ、わずか2週間で冠雪量はどっと増え、
さらに雪化粧した富士山が白くまぶしい。

 

  

11月5日(左)と11月19日(右)の富士、須走ICより。

 

 

中央道・須玉ICから塩山・裂石を目指し、大菩薩への林道に入る。
上日川峠までは、狭いが舗装された林道がクネクネと続いていて、タクシーも入る。


10分ほど走ったところに「千石茶屋」なる建物があって、
案内板によると、茶店の横から上日川峠に通じる登山道があるようだ。
峠までコースタイム1時間20分とある。
ここにクルマを置いて歩いて行こうかなぁ、、、とも考えたけど、
それだと時間に余裕がもてなくなるので止めにした。

高度が上がるにつれ、山の日陰部分は粉砂糖をまぶしたように白くなってきた。
そっか~、山はもう冬なんだね~

 

   

上日川峠に建つロッジ長兵衛の屋根もテラス白く染まり、
峠から福ちゃん荘までの登山道脇にも雪がついて、景色は早くも初冬。
駐車場からは南アルプスの白銀の峰々が遠望できた。

 

唐松尾根から雷岩へと思っていたのが、
案内板に「富士の眺めがよい」とあったのを見て変更、表登山道を登ることにした。

 

  

木で組まれた壁のさびれ具合といい、突き出た煙突の角度といい、雰囲気のある富士見小屋
横には富士を眺めてこげるブランコがある。このブランコには、ぼんやりした記憶が残っている。
ベンチの先には一部が朽ちた展望台もあって、小屋の名のとおり富士の眺めがよい。

 

           

           富士見小屋展望台からの富士山。箒でもって掃いてしまいたい雲・・・

 

 

  雪が溶けずに残る樹林帯の登山道。

道はゆるゆるした上り坂で道幅も広く歩きやすい。

だらだらと登りつめてゆくと左手に介山荘が見えてきて、建物を回り込んでいくと、
急に視界が開け、パ~ンと見晴らしのよい大菩薩峠に飛びだした。

  大菩薩峠(1,897m)

この峠は、中里介山の大長編小説「大菩薩峠」であまりに有名。
大長編というから、どのくらいの長さかと思って調べたら、1913年~1941年にわたり新聞に連載され、
41巻を数えて未完に終わった時代小説ということだった。
小説は何度も映画化され、主人公・机竜之介をさまざまな俳優が演じた。

あらすじを読むと、「音なしの構え」で知られる剣客・机竜之介が大菩薩峠で
通りがかりの老巡礼を斬殺するところから物語が始まり、それ以降何人も斬捨て、
その祟りか事故により失明。その後は夜毎に辻斬りを繰り返すようになる。
大長編だけに登場人物も数多く、居場所を転々とする主人公とからみながら話がつづいていく。

登山道には1954年に建てられたという文学碑があり、介山祭が毎年行われている。

また大菩薩峠は江戸時代まで、武蔵と甲斐を結ぶ甲州裏街道の重要な峠だった。
現在賽ノ河原と呼んでいる地点が当時の峠。

 

親不知頭からのぞむ大菩薩峠と介山荘。

 

稜線からの眺めは申し分ないパノラマコース

 

 

妙見ノ頭は、お弁当をひろげならナイスビューをたっぷりと楽しみたい場所。眼下には甲府盆地。

 

 

賽ノ河原へ一旦下ってのぼり返す。下に見える建物は避難小屋。

 

 

さらに笹原の尾根を進んで雷岩へ。
陽当りがいい尾根道は、雪解け泥んこがグチャグチャで歩きにくい。

 

 

  

そして~、ゆるゆるとのぼって標高2,000m地点。ちなみに山頂の大菩薩嶺は2,059m。
とにかく空がキレイ!!!  ホンモノの空は、お山の上にあるんだよ~

 

 

ここが雷岩かなぁって、岩が積み重なっている場所を見まわしていたとき、
かわいこちゃん発見!

  

  エサをついばんでいたイワヒバリと、

 

一瞬、見つめあって~ルンルン 

 

 

大菩薩のピーク大菩薩嶺は雷岩から10分ほどだが、樹林に囲まれ展望もないのでカット。

雷岩から唐松尾根にかけて望む富士山は、遠いけど山々を従え裾を広げた姿がとても美しい。
大菩薩を訪れた目的は、まさに秀麗な富士の姿を見たかったからだけど、
あいにく大菩薩峠でかかっていた雲が、この頃にはさらに増えて覆い隠してしまった。

雲がなければ富士が見えたのに~

 

十年ぶりに歩いた大菩薩、富士を眺める山として、三ツ峠・雲取山・雁ヶ腹摺山
などと並んで定評がある。
登山口も各所あり、裂石から上日川峠に上がり、福ちゃん荘から一周する今回のコースなら
誰でも2,000m級の山歩きが短時間でできるお手軽コースだ。
また、下山を大菩薩峠から丹波山村の丹波へと下る古い峠道は、時間はかかるが
昔ながらの山深い道がどこまでもつづくいいルートだそうだ。
日の長い春にでも、のんびりと歩いてみたい。