TOKIDOKI 日記

日々のなかで、「へぇ~」「ふぅ~ん」と思った、
私につながるステキなコトやモノ、そしてヒトたちの記録です。

富士を眺める 雁ヶ腹摺山

2010-11-15 | 写真日記

秋から冬にかけては、富士山が見える山に行くことが多い。

山梨県・大月市では、市内に18ある山々のなかから、
前山を従え、十二単を着たような富士を眺められる12の山頂を選んで
『秀麗富獄十二景』としている。
その一番が、雁ヶ腹摺山(がんがはらすりやま)で、
二番・牛奥の雁ヶ腹摺山と小金沢山、三番・大蔵高丸とハマイバ丸と後に続く。

雁がその腹を摺るようにして飛んでいくほど高い山、というのが山名の由来とか
聞いた記憶があるが、ま、一度聞いたら忘れないユニークな名前の山だ。
十二景の二番になっている牛奥の雁ヶ腹摺山は、雁ヶ腹摺山の北にあり、
またもう一つ笹子雁ヶ腹摺山というのが南にある。
これらの雁ヶ腹摺山、いつかどちらも登ってみたいと思っている。

 

大月へ向かう途中、山中湖に寄ってみた。

湖面から望む秋の富士、ちょっぴり雪化粧した山頂、すそ野はほんのり紅葉している。

 

R20から真木(まぎ)の信号を右折、集落の間の狭い道を抜けて林道へ。
きょうはゲートが閉まっていませんようにと願いながら、大峠へと高度を上げていく。
昨年のいま頃きたときは、無情にもゲートがおりていて、引き返せざるをえなかった

林道・真木小金沢線は、全面舗装されていて概ね路面の状態もよく、
春は新緑、秋は紅葉の美しい山肌を眺めながら走れる楽しい林道

    

ところどころカエデの紅がアクセントの黄葉の山。

 

 

 大峠 登山口

大峠の駐車場はクルマ10台ほどのキャパしかなく、休日は路駐のクルマが列をつくる。
道路をはさんで峠の左側が黒岳(1,987m)、右が雁ヶ腹摺山(1,874m)への登山口。
黒岳へのコースタイムが90分、雁ヶ腹摺山が60分なので
時間に余裕があれば、大峠を基点に両方の山へ登ることもできる。
前述の牛奥の雁ヶ腹摺山は、黒岳からさらに北へ70分。

 

  

明るく気持ちのよい山道をゆっくり登ることにする。
大方の葉は落ちてしまっているが、それでもわずかに葉を残した木々が淡い彩りとなって
目を楽しませてくれる。

 

    

    木々の向こうに見えているのはお隣の山、黒岳。

 

  

山頂下の一部が草原状になっていて、ぽつんぽつんとオヤマボクチがボンボンになってゆれていた。
セーターのブローチによく似合いそうな、まあるいフワフワの綿毛
エレガントなベージュも素敵なアースカラー。

 

さてさて、旧500円札に描かれている富士山、
その撮影地となった山頂に着いた。 富士の見える側だけが展望がよく、
反対側は針葉樹の樹林に岩がゴロンとしているだけの殺風景な山頂だ。

 

 

逆光になるため、写真だとイマイチだけど、素晴らしい富士の姿が眺められた。

旧500円札の富士山を撮影した日は、昭和17年11月3日、午前7時頃と立札に書かれていた。
今日は2日だから、偶然にも一日違いの68年前ということになる。

500円硬貨の発行に伴い、1985年に製造が中止された500円紙幣。
大事にとっておいた(笑)新券を取り出して見てみると、

 

68年前と比べ、雪の量が違うくらいで、山は昔そのままに保たれている。
いまや目まぐるしいほどに、何もかもが変わっていくなかにあって、
変わらずにあるのは山ぐらいじゃないだろうか?

 

はじめは誰もいなかった山頂に、二組の登山者がやって来た。
ご夫婦連れの一組は、ここまで来てやっと人の姿が見えたと言いながら登ってきた。
大峠から登るはずが、クルマのナビを頼っていたら金山峠に行ってしまい、
誰もいない山道を4時間近く歩いてきたと言う。
便利なハズのナビに不便を強いられる、よくあることですね~
このお二人、山をはじめたばかりそうで、今年の夏に富士山へ登って自信がついたとおっしゃった。

いまやブームの富士登山、どうでしたかとお聞きしたら、
お天気に恵まれ、素晴らしい眺めを満喫できたけど、とにかく人が多いのにウンザリしたとも。
とくに下山時は混雑した登山道の砂埃がひどく、マスクは必携、
靴に入る砂利をふせぐためのスパッツも必要と。
話を聞いていて、いつかは登ろうと思っていた富士山が、私からまたすこし遠くなった。
マスクして人混みのなかを歩く山なんて・・・

やっぱり、富士はこうして遠くから眺めるのがいいですね~
登れる時期が短いだけに、登山者が集中してしまう事情もあるが、

そう言われた言葉にも、もっともだなぁという思いもある。

 

雲がかかることなく富士の姿を眺められる機会というのもそうなくて、
いいタイミングで雁ヶ腹摺山に登れてほんとうによかった。

富士は日本一の山~と、思わず唱歌を口ずさんでしまう眺め、、、
高さといい、美しい山容といい、お山の代表

 

 

大峠にもどり、登ってきた雁ヶ腹摺山を仰ぎみる。

東屋のまわりで、たわわな紅い実をつけている木はマユミ

 

              

              びっしり実をつけた枝が、遠くからもよく目立ってとても綺麗

 

大気が澄みわたるこれからの季節は、富士山もいっそうスッキリと見える日が多くなる。
ひなたぼっこがてら、美しい富士を見に山に登るのもわるくない。。