「駒ヶ岳」とつく山の名前は全国にいくつもあり、
その由来は、山肌に見える残雪(雪形)が、駒(馬)形に見えることからきているという。
さて、今回登った会津駒ヶ岳は福島の奥地、桧枝岐村にある標高2132mの山です。
山頂から綾線をたどれば、尾瀬・御池にも6時間ほどで行けて、
3年前に尾瀬国立公園の一部として国立公園に指定されました。
その尾瀬に近いこともあって、山頂には高層湿原が広がり、
花の山として知られ、日本百名山のひとつでもあります。

東北道・那須塩原ICから国道352号線を登山口に向かって2時間ほど走ります。
くねくね峠道かと思ったら、どこまでも平らな舗装路で、民家もけっこうあり
山奥とはいえ、とても走りやすい道がつづいていました。
国道から林道を10分ほど上がったところが滝沢登山口。
荷物を整え出発です。

手すり付きのリッパな階段をトントンとのぼったら、あとは延々樹林帯の急登です。
今夜は小屋泊まりで、小屋は素泊まりのみということで、
食糧やら水やら持参しなければならず、それでザックはそれなり重く、
「ヒェ~ 重たい!」を連発しつつ、亀の歩みで歩きだしました。
下界の暑さを思うと、山は天然クーラーの涼しさではありますが、
それでも背負いなれない荷物で坂を登るのとで体はヒートアップ
汗がとめどなく吹きだします。
樹林帯では花もすでに終わっていて、咲いていたのは
この小さな花ツルアリドウシだけ、 、
マイヅルソウの葉がかなり見られたので、もうすこし早い時期だと、
ツライ登りを花たちに慰めてもらえたことでしょう。
ひと休みしていたところへヒラヒラと飛んできたのは

チョウかと思いきやガで、キンモンガです。翅の一部が欠けています。
ガの仲間にはチョウのようにきれいで昼間から活動するのもいます。
いやぁ~ 歩きやすい登山道ですが、展望のない樹林帯の急坂が長々とつづき
山登りのつらさを味わえます

そんな変化に乏しい樹林帯の、木の根元にはお地蔵さまがありました。
小さな岩板に彫られた可愛らしいお地蔵さま三体、なんだかほっとさせられます。
今回はめずらしく同行者をともなっての山行です。
小屋泊まりは初めてという、山歩きを始めたばかりの彼女、
バテて「山はもうこりごり・・」なんて言われないよう、スローペース
で山頂を目指します。
歩き慣れていないかたにはキツイ登りですが、大汗かきつつも始終にこやかに歩いてくれました。
いつもは黙々と歩く単独行の私も、久しぶりに連れ合って登る楽しい登山になりました。

標高が上がってくると、それまで咲き終わっていた花が見られるようになります。
ゴゼンタチバナもまだきれいな状態で咲いていましたし、マイヅルソウも咲いているのがあります。
白い花びらに黒いシベがシックなゴゼンタチバナ、咲き終わってシベだけが残った状態も、ステキですね。

そして、ようやく樹林帯をぬけ湿原に出ました!
霧がかかっていますが、明るく開放感ある湿原に出たうれしさ、
ワタスゲが風にゆれる高層湿原は、夏らしさいっぱいです
ベンチにザックを放りなげ、大休止&花たちを
に収めてと、ルンルンルルン


秋には葉が色づいて美しい草紅葉となるキンコウカ、黄色の花は繊細。

気品あるブルーのかわいい花、ミヤマリンドウ。
タテヤマリンドウに似ているけど、よく見るとちょっと違う。
おとなりの花びらがクルッとカールしている花は、名前がわからずじまい・・・
これはホソバノキソチドリでしょうか?
似ている花にキソチドリやトンボソウもあり、野生のランは区別が難しい。
湿原や沼のほとりには目立たないけどかわいい花が多いです。
でも高層湿原にいちばん似合う花といったら、やっぱワタスゲかな。。


ときおり薄日が射していたものの、雲はとれることなく、休んでいる間にも霧が濃くなってきました。
駒の小屋まであとどのくらいだろう、、、ここからは木道を歩いていきますが、
上り坂には変わりなく
もうひとがんばりしなくちゃです。
晴れていれば周囲の山々が見えるのですが、
霧にすっぽり包まれてしまい、ひたすら小屋を目指して歩きました。
ニッコウキスゲの残り花がふたつ、 濃い霧のなかでも鮮やかなオレンジ色を目立たせています。
そのキスゲの下で、咲き終わったチングルマの花柱が糸状になり、ちょうど風車のような輪になって、
風にそよいでいます。

チングルマという名前も、稚児が持つ風車に似ていることからきていて、
稚児車(チゴグルマ)がチングルマに変化したものといわれています。
まるく並んだ花柱は、しばらくすると赤味もとれ白く透き通ってきます。
山の歌にもでてくるチングルマ、咲いているときの真っ白な花もきれいですが、
咲き終わったあともこのように美しい姿でなおも・・・なんて山の花はいじらしいんでしょう

駒の大池ほとりに建つ駒の小屋に到着です。
あたりは白い霧がたちこめて、花の写真を撮るのもためらうほどでしたが、
ハクサンコザクラの群落があるよと小屋番さんから聞いて行ってみました。

ラブリーでキュートな山の花
ハクサンコザクラ,
雪解け間もない地面に群生するピンクの花は、ファンも多いです。
18:30撮影のため、画像が暗いです。

チングルマも、ここはまだきれいに咲いています。
先ほどご紹介した風車のような咲き終わった姿は、ちょっと想像できないですね。

小屋前のベンチで夕焼けに染まる空を眺めていたい、、、
青空に白い雲がぽっかり浮かび、その空を映しこんだコバルトブルーの池塘が、
草の緑にぽつんぽつんと散りばめられた湿原、花たちは風にのってダンシング
そんな夏の光景を期待していたのですが、、、
霧はますます濃くなって、明日の天気は雨の予報
山の神さまは、またこんど登ってきたときに見せてあげよう???と、
意味ありげに、霧のベールでお隠しになりました。。
それで、翌日に予定していた中門岳(ちゅうもんだけ)へのトレッキングは中止して、
下山することにしました。
また、ガスっているような天気の日や夕方には、ブヨとかヌノメといった虫の襲撃があり、
防虫対策をしてこなかった私は、そこらじゅう刺されてしまいました。
会津駒リピーターの女性何人かは、防虫ネットを被って歩いていましたが、
これが正解なんですね。
すっかり虫の餌食となった私、齧られたところが痒いのなんのって、トホホ。。
まぁ、山に虫はつきものですが、これまでこういったことはなかったのです。


でもでも~、同行の彼女はバテ気味ながらも無事に歩きとおせたこと、
駒の小屋を管理なさっているご夫妻が温かく迎えてくださったこと、
会津駒は素敵な想い出の山となりました
またぜったい行くぞ~~~
山の神さま~
こんど登ったときは、ベールかけないでね~
その由来は、山肌に見える残雪(雪形)が、駒(馬)形に見えることからきているという。
さて、今回登った会津駒ヶ岳は福島の奥地、桧枝岐村にある標高2132mの山です。
山頂から綾線をたどれば、尾瀬・御池にも6時間ほどで行けて、
3年前に尾瀬国立公園の一部として国立公園に指定されました。
その尾瀬に近いこともあって、山頂には高層湿原が広がり、
花の山として知られ、日本百名山のひとつでもあります。



東北道・那須塩原ICから国道352号線を登山口に向かって2時間ほど走ります。
くねくね峠道かと思ったら、どこまでも平らな舗装路で、民家もけっこうあり
山奥とはいえ、とても走りやすい道がつづいていました。
国道から林道を10分ほど上がったところが滝沢登山口。
荷物を整え出発です。

手すり付きのリッパな階段をトントンとのぼったら、あとは延々樹林帯の急登です。
今夜は小屋泊まりで、小屋は素泊まりのみということで、
食糧やら水やら持参しなければならず、それでザックはそれなり重く、
「ヒェ~ 重たい!」を連発しつつ、亀の歩みで歩きだしました。
下界の暑さを思うと、山は天然クーラーの涼しさではありますが、
それでも背負いなれない荷物で坂を登るのとで体はヒートアップ

汗がとめどなく吹きだします。
樹林帯では花もすでに終わっていて、咲いていたのは
この小さな花ツルアリドウシだけ、 、

マイヅルソウの葉がかなり見られたので、もうすこし早い時期だと、
ツライ登りを花たちに慰めてもらえたことでしょう。
ひと休みしていたところへヒラヒラと飛んできたのは

チョウかと思いきやガで、キンモンガです。翅の一部が欠けています。
ガの仲間にはチョウのようにきれいで昼間から活動するのもいます。
いやぁ~ 歩きやすい登山道ですが、展望のない樹林帯の急坂が長々とつづき
山登りのつらさを味わえます



そんな変化に乏しい樹林帯の、木の根元にはお地蔵さまがありました。
小さな岩板に彫られた可愛らしいお地蔵さま三体、なんだかほっとさせられます。
今回はめずらしく同行者をともなっての山行です。
小屋泊まりは初めてという、山歩きを始めたばかりの彼女、

バテて「山はもうこりごり・・」なんて言われないよう、スローペース

歩き慣れていないかたにはキツイ登りですが、大汗かきつつも始終にこやかに歩いてくれました。
いつもは黙々と歩く単独行の私も、久しぶりに連れ合って登る楽しい登山になりました。


標高が上がってくると、それまで咲き終わっていた花が見られるようになります。
ゴゼンタチバナもまだきれいな状態で咲いていましたし、マイヅルソウも咲いているのがあります。
白い花びらに黒いシベがシックなゴゼンタチバナ、咲き終わってシベだけが残った状態も、ステキですね。


そして、ようやく樹林帯をぬけ湿原に出ました!
霧がかかっていますが、明るく開放感ある湿原に出たうれしさ、
ワタスゲが風にゆれる高層湿原は、夏らしさいっぱいです

ベンチにザックを放りなげ、大休止&花たちを




秋には葉が色づいて美しい草紅葉となるキンコウカ、黄色の花は繊細。


気品あるブルーのかわいい花、ミヤマリンドウ。
タテヤマリンドウに似ているけど、よく見るとちょっと違う。
おとなりの花びらがクルッとカールしている花は、名前がわからずじまい・・・

似ている花にキソチドリやトンボソウもあり、野生のランは区別が難しい。
湿原や沼のほとりには目立たないけどかわいい花が多いです。
でも高層湿原にいちばん似合う花といったら、やっぱワタスゲかな。。




ときおり薄日が射していたものの、雲はとれることなく、休んでいる間にも霧が濃くなってきました。
駒の小屋まであとどのくらいだろう、、、ここからは木道を歩いていきますが、
上り坂には変わりなく


霧にすっぽり包まれてしまい、ひたすら小屋を目指して歩きました。

ニッコウキスゲの残り花がふたつ、 濃い霧のなかでも鮮やかなオレンジ色を目立たせています。
そのキスゲの下で、咲き終わったチングルマの花柱が糸状になり、ちょうど風車のような輪になって、
風にそよいでいます。

チングルマという名前も、稚児が持つ風車に似ていることからきていて、
稚児車(チゴグルマ)がチングルマに変化したものといわれています。
まるく並んだ花柱は、しばらくすると赤味もとれ白く透き通ってきます。
山の歌にもでてくるチングルマ、咲いているときの真っ白な花もきれいですが、
咲き終わったあともこのように美しい姿でなおも・・・なんて山の花はいじらしいんでしょう


駒の大池ほとりに建つ駒の小屋に到着です。
あたりは白い霧がたちこめて、花の写真を撮るのもためらうほどでしたが、
ハクサンコザクラの群落があるよと小屋番さんから聞いて行ってみました。

ラブリーでキュートな山の花

雪解け間もない地面に群生するピンクの花は、ファンも多いです。
18:30撮影のため、画像が暗いです。

チングルマも、ここはまだきれいに咲いています。
先ほどご紹介した風車のような咲き終わった姿は、ちょっと想像できないですね。



小屋前のベンチで夕焼けに染まる空を眺めていたい、、、
青空に白い雲がぽっかり浮かび、その空を映しこんだコバルトブルーの池塘が、
草の緑にぽつんぽつんと散りばめられた湿原、花たちは風にのってダンシング

そんな夏の光景を期待していたのですが、、、
霧はますます濃くなって、明日の天気は雨の予報

山の神さまは、またこんど登ってきたときに見せてあげよう???と、
意味ありげに、霧のベールでお隠しになりました。。

それで、翌日に予定していた中門岳(ちゅうもんだけ)へのトレッキングは中止して、
下山することにしました。
また、ガスっているような天気の日や夕方には、ブヨとかヌノメといった虫の襲撃があり、
防虫対策をしてこなかった私は、そこらじゅう刺されてしまいました。
会津駒リピーターの女性何人かは、防虫ネットを被って歩いていましたが、
これが正解なんですね。
すっかり虫の餌食となった私、齧られたところが痒いのなんのって、トホホ。。
まぁ、山に虫はつきものですが、これまでこういったことはなかったのです。


でもでも~、同行の彼女はバテ気味ながらも無事に歩きとおせたこと、
駒の小屋を管理なさっているご夫妻が温かく迎えてくださったこと、
会津駒は素敵な想い出の山となりました

またぜったい行くぞ~~~

山の神さま~
こんど登ったときは、ベールかけないでね~
