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和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

支那・シナ・CHINA。

2015-09-19 | 短文紹介
竹山道雄著「まぼろしと眞實」(新潮社)に
「台湾から見た中共」と題した文が掲載されております。

そのはじまりは

「安倍先生のお伴をして台湾に旅行して、
昭和32年12月13日から翌年1月5日まで滞在した。」


支那についての記述があります。

「かねてから私は、どうして『支那』がいけないのかと
ふしぎに思つていた。・・・・
それからは『シナ』と書くことにしていた。
私にとっては、支那という字の中には周漢唐宋いらいの
文化の重々しいゆたかな感じがこもっている。
『中國』というと、革命いらいの新しいもので、
われわれがいだいている伝統的な敬意があらわせない。
それで、支那すくなくともシナを改める気にはならなかった。」
(p243)

石井桃子訳の絵本
「シナの五にんきょうだい」(福音館書店)。
私が持っている絵本の最後をひらくと
1961年1月1日発行
1968年4月10日第20刷。
裏には、小さく
全国学校図書館協議会選定『必読図書』
全国学校図書館協議会選定『基本図書』
厚生省中央児童福祉審議会特別推薦図書
NHK読書委員会推薦図書
日本図書館協会選定図書
と文字が並んでおりました。

それが絶版になって、
もう石井桃子訳は、
古本でしか手に入らない。

2003年読売新聞夕刊(3月15日)に
武田雅哉(北大教授・中国文学)氏が
この「シナの五にんきょうだい」を
マイ・ロングセラーというコーナーで
紹介しておりました。

そこから引用。

「・・・福音館版には、かなりのニッポンジンが
お世話になったことでしょう。ぼくが大学で
中国語や中国文学の授業をするようになった
ころには、邦訳は絶版になっていたので、
英語版を教室にかかえていき、
このステキにヘンテコな物語を読まずに育った
かわいそうな学生たちに、絵解きをして
聞かせたものでした。
この絵本には、中国文化の特徴が、
たいへんうまく書きこまれています。
死刑執行を楽しげに見物する群衆。
死刑を言い渡されてもニコニコ笑顔を
絶やさない五人兄弟。それでいいのか?
とつっこみたくなるようなハッピーエンド
・・・。
中国の物語に親しんでいる人ならば、
これらはいずれも、どこかで見たことのある
風景ではないでしょうか。
この作品は、そういう意味でも、
なかなかに『いいセンいってる』のでした。
ステレオタイプといわれる部分も含めて、
異文化を考えるときの、かっこうの
教科書であるといえるでしょう。・・・」


のちに、この絵本は瑞雲舎から1995年発行。
けれども、川本三郎訳となっておりました。
川本三郎訳では石井桃子訳には
なかった見開きの言葉が載っておりました。
それは
「 シナへのあいを
  おしえてくれた
    ちち と
  おはなしをかたるのが
   じょうずだった
    はは へ     」

と献辞がありました。
本題は
「THE FIVE CHINESE BROTHERS 」
コメント
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