和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

来い、来い来い、来い来い来い。

2022-01-23 | 詩歌
古本。太田信一郎著「東京のわらべうた」
(東京新聞出版局・昭和58年)が200円。

東京というか関東一円のわらべうたを取りあげた一冊。
はい。最後の著者紹介が楽しいので引用しておきます。

「大正14年11月横浜市戸塚区飯島町生まれ。
 昭和30年代後半から、本業の噴水工事業を経営の傍ら、
 わらべ唄の採集を始め、関東一円を妻とともに歩く。
 ・・・・」

「はじめに」は、こうはじまります。

「昭和30年代ぐらいまでの東京は、まだ戦前から引き継がれてきた
 郊外がそこここにありましたし、ちょっと足を延ばせば、
 武蔵野の欅の林を見渡し、寒風の中に早春の揚げ雲雀を聴きながら
 白雲の富士を遠望することも容易でした。
 郊外や野原には、必ず子供たちの遊ぶ姿がありましたし、
 町々の空き地や路地では、子供たちの賑やかな声が聞かれました。」

はい。そのまま「はじめに」を引用しつづけたい気持ちになります。
けれども、ここまでにして、本文からの紹介をすることに。

うん。タヌキにしましょう。

「狸にちなんで名高いのが、
 千葉県木更津は証誠寺と群馬県館林の茂林寺(もりんじ)。
 証誠寺はご存じの狸囃子、茂林寺は分福茶釜です。
 狸囃子の方は天下に知られた童謡『証城寺の狸囃子』
 (野口雨情詩・中山晋平曲)がありますが、
 茂林寺にも『分福茶釜の歌』があるのです。・・・」(p70)

ちなみに、寺の名の証誠寺は、詩には証城寺となっております。
宗派はというと、浄土真宗証誠寺と、茂林寺は禅宗で、
この本にその記述があります。著者が足を運んで調べられております。

え~と。こんな箇所はタイムリーな引用になるのかもしれません。
証城寺に関する記述に出てきます。

「ところで終戦後まもなく登場したNHKラジオの
英会話、平川唯一氏のあの『カム・カム・エブリボディー』
の曲がこれで、32年ごろから黒人歌手アーサー・キットが
歌って爆発的に売れた『お腹の空いたアライグマ』というのが
この歌。ハスキーな声でコエコエコエと歌ったのを覚えている
方もたくさんいらっしゃいましょう。
政子(住職の奥さん)夫人によると終戦当時に、
進駐軍が気に入って歌わせた日本の歌が三つあり、
一つは佐渡おけさ、
一つは炭坑節、
一つがこの証城寺だったといいます。」(p109)

この本には、野口雨情の詩と、それを曲にのるように
歌詞をかえた中山晋平の歌詞とが並べて載っております。
はい。最後は、歌詞をそのままに引用。

   証城寺の狸囃子

 証、証、証城寺
 証城寺の庭は
 ツ、ツ、月夜だ
 皆出て来い来い来い
 己等の友達ァ
   ぽんぽこぽんのぽん

 負けるな、負けるな
   和尚さんに負けるな
 来い、来い来い、来い来い来い
 皆出て、来い来い来い

 証、証、証城寺
 証城寺の萩は
 ツ、ツ、月夜に花盛り
 己等は浮かれて(己等の友達ァ)
   ぽんぽこぽんのぽん
     



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