和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

墨痕の芳名録。

2018-06-17 | 本棚並べ
古本で注文。塩澤実信著
「文藝春秋編集長 菊池寛の心を生きた池島信平」(展望社)
それが届く。

なあんだ、塩澤実信著「雑誌記者池島信平」の再出版です。
けれども、こちらの方が読みやすそうです(笑)。

「池島信平を励ます会に出席したメンバーの見事な芳名録も
加えた上で、上梓していただく運びとなった。」

とあり、本文のはじまりに、
その墨痕あざやかな芳名録が載っておりまして、
人名の多さも相まって、ぐっと身近な感じです。

墨痕の芳名録を載せたあとに、
こうありました。

「司会は、『暮しの手帖』の花森安治、
発起人代表が岩波書店会長小林勇、
文春OB永井龍男、ガク友代表林健太郎、
野次馬代表大宅壮一、
寄稿家代表小泉信三、
作家代表吉川英治、
評論家代表小林秀雄、
PTA代表佐佐木茂索、
バー友代表川口松太郎、
花束贈呈高峰秀子等々・・・・
約二百名出席という賑々しさであった。
・・まず司会の花森が、
『文藝春秋新社は菊池寛賞という、
すぐれた仕事をした者に与える賞があって、
僕や扇谷君なども貰っておりますが、
いかなる厚顔無恥なる文藝春秋といえども、
自分のところの社員には賞をやれないから、
そのかわりに信平の仲間が、
この会を開いたものであります』
と言って、爆笑をよんだ。」

はい。評論家代表の小林秀雄氏の
挨拶がいちばんつまらなく感じられます。


それはそうと、
塩澤実信著「雑誌記者池島信平」は
文藝春秋から単行本。そして文春文庫。
とでておりましたが、どちらにも
最後に司馬遼太郎氏の「信平さん記」が
載っていました。
この再出版の、本のあとがきには
それに加えて塩澤さんへ司馬遼太郎からの
単行本の読後感をしたためた文までもが
掲載されているのでした。こうして、
再出版本では、奥行きが加味されており。
本棚に置けば、ときに取り出してみたい。
愛着本としたい。熟成感があるのでした。

ということで、
もし塩澤実信著「雑誌記者池島信平」を
読もうとする方がおられるのなら、
「文藝春秋編集長 菊池寛の心を生きた池島信平」(展望社)
の方を私はお薦め(笑)。

ちなみに、ネット古書で送料共527円で私は購入。

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