富津尋常高等小学校・八田知英の短文があり、
そこに、安政の大地震と関東大震災が語られておりました。
引用しておきます。
「・・・やがて下から持ち上げられる様な気持でドーンと来た、
私は『 地震だ。出ろ 』と思はず叫んだ。
広尾訓導は『 大丈夫だ 』と云った
( 其の大丈夫だと言ったのは倒潰することはない、
夏休中に教室の柱を修理したからの意味で有った )
私は『 何に出ろ 』と言って外へ出た、
ころころと転げて畑の中まで転げ落ちた。
頭を上げて見ると『 ガラガラ 』と砂煙りを上げて
東側の校舎が倒れるのを見た。
私も広尾訓導も命を拾った。
児童も早く逃げ出して居った。
私の父母は江戸で生まれ安政の大地震のとき恐ろしい目に遭った。
母は常に『 下から来る地震はこはいよ 』と教へてくれた。
今更に母の言葉の有難味を覚える、
下から来る地震東京湾沿岸三、四尺も隆起したところから見ると、
下からまくし上げたに違ひない。 」
( p878~879 「大正大震災の回顧と其の復興」上巻 )
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