和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

有難い。

2009-02-13 | Weblog
日下公人著「逆読書法」に、こんな箇所がありました。

「近ごろは、ほんとうにありがたい時代で、専門教養書が次々に出版されます。読んでみると・・・そうか、それならわかると目からウロコが落ちるようです。子どものころに持った疑問を生涯追及し続けてその結果を発表してくださる人が多くて、本好きの人にはこたえられない時代です。子どもの心の疑問は多いほど人生が実り豊かになります。」(単行本・p75)

昨年読んだ新潮新書の一冊。上田篤著「庭と日本人」。
読み甲斐があり、再読しようと思っていて、そのままになっておりました。
ところで、日下公人氏は1930年生まれ。
そうして、上田篤氏も1930年生まれ。
まあ、生まれ年が同じだからどうこうじゃないのでしょうが、
1930年というのが気になります。

それでもって、上田篤氏の「庭と日本人」を読んで、私にはとても
よい紹介の書評などできそうもないなあ。と感嘆しておりました。
せめて、第一章の「ストーンサークル 太陽をのぞむ」の一節ぐらいは
引用しておこうと思ったわけです。
ということで、とりあえず一箇所引用。

「もちろん、世界に太陽を尊重する国々はおおい。
しかし国旗を一つの例にとっても、太陽がかならずしもいちばんおおく採用されているとはかぎらない。世界に200ほどある国のなかで、太陽を単独に国旗として図案化しているとおもわれる国は日本をふくめて13ほど、いっぽう星を単独に図案化している国は49もある。さらに星と月を図案化している国をふくめると60にもおよぶ。つまり太陽より星を国旗に採用している国が断然おおいのだ。というのも、世界のおおくの国々では太陽より星が生活に密着しているからだろう。熱帯の砂漠では人々は夜しか動くことができず、山がない国では太陽をみても方位をとらえることができない。すると日本は太陽の恩恵をうけられるだけでなく、山があることによって太陽の動きを観察して、方位や季節、時刻などをしることができる。日本人が太陽を生活の原点とするはずだ。太陽をかたどった日の丸を国旗とする理由である。
・ ・・古くから太陽をまつるための祭祀場が日本各地にもうけられた。そこが人々の離合集散の基点となり、国土における人々の移動ネットワークの原点となった。・・・」(p50)

これが第一章。これから以降の章が、さらに「庭」をめぐる追及の足跡をたどることができるのでした。
コメント
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