迦羅求羅虫

小さな寺の日々の出来事

苔庭にはほど遠し

2011-06-28 16:37:52 | つれづれ
東電の株主総会。紛糾したそうで。
まあ当然でしょう。

ネットのニュースそのままだけど、東電の444株を保有する南相馬市、
161株を保有する白河市などが、一部の株主から出されている、原発の廃炉や、
新設しないことを求める「脱原発」の提案に対し、インターネットを通じて賛成の回答をしたそうな。
かたや、福島県。約8000株を保有。
しかし、これまで株主総会の議案に賛否の意思を示したことはなく、
今回も欠席だって。
なんで?言いたいこと言ってらっしゃいよ。
県民がこんなに苦しんでるのに、まだ東電に義理はりしてるんかいな。


さて、お天気がよくなったので、カーテン洗濯!
と、カーテンをはずしながら中庭を見たら・・・雑草だらけ
それも元気に伸びてるし・・・。
まあ中庭だけじゃなくて、前も裏もどこもかしこも雑草はびこってるんですが。

で、タイトルにあるとおり、中庭は水はけが悪いんで、苔がはえてる箇所がありまして、
それがけっこう広がっており・・・。
なんとなく、他に比べて放射線の値が高そうな気が・・・。
だからといって苔をはがすなんて、私の手には負えませんわ。
見て見ぬふりをして戻ってきましたが、
夏の暑さで苔がカラカラに干からびて、そうなったら剥がせるかも、
なんて期待をしています。


いわき市内の避難状況

2011-06-27 09:08:30 | 原発
いわき市内の避難所にいる人の数は、26日現在で277人。
うち市内の人が170人、市外からの避難者が107人。
一頃に比べればだいぶその数が減りました。
何度か炊き出しに行かせて頂いたいくつかの避難所も、そのときの半分以下。
市借り上げのアパートや、仮設住宅への入居が進んでいるのでしょう。
仮設に入ってもらい決められた義捐金を渡して一応の支援は終わり、というのが
行政の手順なのかもしれませんが、課題はたくさん残ります。
3か月以上にわたっている避難所生活もおつらいでしょう。
ようやく復興庁とやらができたようですが、遅いですよね、国の取り組み。

原発事故で県外に避難された方たちが戻ってきて、いわきに居を求める人が多いそうです。
不動産物件はアッというまにうまってしまうとか。
故郷に帰る時のために少しでも近いところに、という心情のあらわれかな。
原発の作業に従事している人も多いですしね。
週末の居酒屋さんはかなりの繁盛だそうです。
過酷な作業に疲れて帰って仕事のウサも晴らしたいところでしょう 
知人は東電の一次下請け会社に勤めていますが、神奈川にある本社は事故後
現場の切り捨て見え見えで、地元営業所を独立採算制にしてしまったとか。
浪江町にあった事務所を自宅に移し、離散していた社員を探し出し、
原発の収束作業の一端を担っています。
東電からの支払いはいつになるかわからないそう。
直接原子炉建屋に入るような仕事ではないけれど、
現場が安全、かつ円滑に作業をすすめるための環境を整える上での、
とても大事な仕事をしています。
だけど、今、仕事があっても、その先はどうなるかわからない。
今は規制がより厳しく(前はどんなテキトーなんだよ)、
被曝の上限を超えてしまうと仕事を続けられないし、そうなると
社員に給料も支払えないので心配だと話していました。
ストレスもマックスに近い。
身近にそういう話がいっぱいあります。
複雑です・・・。

さて、そんな状況で入ってくる人もいるわけですが、
一時的に避難した若いお母さん、赤ちゃんや小さな子どもたちが
帰ってこない(これない)例がたくさん。
自分の家に単身赴任しているようなお父さんたち。
わが家も、孫たちの帰宅時期を考えると悩みはつきない・・・
アクアマリンのあざらし、クララ母子は帰って来たのにね。

私の一番大好きな色と形のアジサイがきれいになってきました。

危険なお食事

2011-06-26 13:02:11 | 原発
雨が降るまえに草むしりを、とせっせと励んでいたら、
やっぱりポツポツきましたので、2時間ほどで引き上げてきました。

今日は何と言っても、復興構想会議でまとめられた提言について、
一言語っておきたいところですが、まあそれは皆さん新聞を読んで下さい。
とにかく、なんにしてもあちら(いちエフ)が何とかならないことには、ね。
で、何気にふくいちライブを開いてみたら、まあ!(@_@)

カラスが2羽、建屋の屋根でお食事中。



一生懸命運んできた食べ物をつついているじゃあありませんか。



だめだよ~、そんなとこで。
まじであのカンクローたちの行く末が心配です。
これは、影響の差こそあれ、まさしく今の我々の姿ですな・・・・

真ん中にあるのは何の作業のクレーンなんでしょうね。

人間の尊厳をこなごなにする冤罪

2011-06-21 16:21:01 | 様々な問題
東北北部、南部梅雨入りのもよう
午後から土砂降り、ものすごいカミナリにビビりました。
被災地での大雨による二次被害、三次被害の出ないといいのですが。
心配です。

さて、日曜日のニュースフロントラインで狭山事件が取り上げられました。
事件が起きたのは、1963年5月のことですから、実に48年も前の出来事です。
以来、犯人として逮捕された石川一雄さんの苦難の日々が続いています。
番組では、石川さんを有罪とした数々の証拠の矛盾について、改めて検証していました。
いずれも、素人が聞いても首をかしげることばかり。
なぜ、この事件の解決がこんなにも難しいのでしょう。
検察の証拠隠しは許されるものではありません。
人としての尊厳を奪われたままの石川さんに、一日も早い再審開始、
公正な裁判がなされることを強く望みます。
これ以上ないぐらい頑張っている石川さん、奥さまの早智子さん、
がんばれがんばれ
希望の光はすぐそこに見えています。



報告会に行ってきました

2011-06-20 09:15:46 | 原発
朝一番で、市文化センターへ出向き、東北の高速道路料金免除になる
被災証明書の発行を受けてきました。
いわき市は、地震、津波、またそれによる停電断水、さらには原発事故と、
おおむね市民全部に被災証明が発行されますが、自治体によっては扱いがまちまちで、
福島市などけっこう厳しいらしい。
今後避難の必要が出てくるかもしれないのだから、何とか便宜をはかってほしいです。
もっともヤフーオークションに、簡便発行のいわき市被災証明書が出品されていたという
とんでもないニュースもありましたね。
まったく何を考えているんだよ!(怒)

という朝からばたばたの日曜日。
法務が重なり、また午後遅くには住職が京都へ向かう予定もあったけれど、
どうしても気になっていた、科学者木村真三さんの報告会に行ってきました。
木村さんが呼びかけをして始まったチームの調査というのは、
車に機器を載せて道路を走って測定するというもの。
街と街、集落と集落をつなぐ道路を測ることによって、
実際に人が住んでいる場所の詳細な汚染マップが作れます。
同時に、土壌の調査も行っています。
NHKのETV特集「ネットワークでつくる放射能汚染地図」で
放送され、大きな反響を呼びました。
(圧力(?)がなければ、再放送があるかもしれませんね)

少し遅れていったのでもう始まっていました。
会場の小名浜市民会館は車を止める余地なしの満杯状態。



それだけ市民の関心も深い、というか深刻な状況なのでしょう。
大きな画面に資料を写し出し説明しながらのお話は、
テレビで放映されたものに補足を加えるような感じでした。
木村さん自身の研究の大きな課題であったチェルノブイリについても
かなり時間を割いて話してくれました。
番組を見ていればいわき市にもかなり線量の高い、いわゆるホットスポットが
あるということは知っています。
今朝の新聞によると、この調査がきっかけで、ようやく市も動きを見せ、
その地区の避難の話がすすんでいるようです。
でも、このことをもってしても、避難区域を行政区で分けていく矛盾、
不合理性が見えてきます。

諸々具体的な内容については、ここに記しませんが、
いわき市の場合、大部分の地域においては、比較的数値も低いので、
今のところは(!)とくに大人は心配しなくても大丈夫だろうとのこと。
しか~し、子どもは別です。
子どもは大人の3倍の影響を受ける、0歳児ならなおのことです。
残念ながら、食材に関しては大人とは別に用意したほうがいいとのこと。
地産地消は大人だけ、というのはやむを得ないことですね。
と言っても、野菜類、特に葉物は、遠方のものがなかなか手に入らないという
状況もありますが。

各々の事情で、なかなか県外へ生活拠点を移すということなど出来ないという
家庭もあると思います。
わが家もそうだけど。
木村さんは、そういう家庭の子どもたちの夏休みなどの短期間の避難先として、
無理に県外に場所を求めなくても、会津地方などで、比較的数値の少ないところでも
いいじゃないでしょうか、と、おっしゃってましたよ。

最後は、会場からの質問に答える形になりました。
時間の都合で少ししか聞けなかったのですが、小さな子どもさんのいる
お父さん、お母さんの切実な質問が、心が痛かったです。
とくに、母乳の検体検査の結果、セシウムが出たと言ったお母さん。
心配ないと言われているそうですが、再度木村さんにも確認していました。
でも、どんなに大丈夫ですよ、と言われても、親は心配で心配でたまりませんよね。
わが子には、どこまでも純なものをあげたいですものね。

すでに言われていること、誰かも言っていることがあったとしても、
木村さんの言葉に信頼を(もちろん彼が絶対ということではい)置きたくなるのは、
ただ研究のためばかりでなく、そして行政のためでもなく、
ご自身が幼い子どもを持つ一人の親として突き動かされているという、
そのスタンスに共感できるから、かな。

さてその後の話も気になりましたが、急ぎ福島空港へ。
議会のため、住職しばらく留守になります。
申し訳ありません。




健康調査はだれのため?

2011-06-17 21:52:48 | 原発
原子力損害賠償紛争審査会委員でもあり、
福島県放射線健康リスク管理アドバイザーの長崎大学山下俊一教授。
4月1日付で福島県立医科大学理事長付特命教授にも。

不安でいっぱいの県民に対して、
「100ミリシーベルトでも大丈夫。マスクなんかしなくてもいい。
外で遊んでもいい。」
「放射線の影響は、実はニコニコ笑ってる人には来ません。クヨクヨしてる人に来ます。」
などと、まるで○聴さんの法話みたいなふざけたことを言っていました。
しかし、彼自身は飯館や浪江、川俣の一部などの異常な空間線量の高さ、
その危険性を認識していたのです(まあ当然だろう)。
なんと、医師相手の講演会では、まったく視点の違う話をしていた。
学者先生の言葉に、住民たちは振り回され、浴びなくてもいい放射能を浴び・・・。
個人を責めるようなことではないと分かっています。
ただ、事故を起こした東電はもちろん、国や県の対応はあまりにもずさんで、
県民を愚弄したものであるということ。
国民を守るという真摯さのないこと。


悔しい、悲しい

この時代に生まれたことが不幸なのか、

この国に生まれたことが不幸なのか、

それでも生まれてよかった、と言える人生を

子どもたちが歩めますよう



●5月25日郡山医師会主催山下氏講演要約(転載)

長崎の被爆者追跡データ:年余を追うごとに過剰発癌、多重癌発生率の上昇がみられ
50年たった今でも上昇をつづけている。
一度、幹細胞 のDNAについた被曝の刻印は一生消えない事実がある。

チェルノブイリで活動した。現地で見られた小児甲状腺癌は成人の
従来のものと全く異なりDNA損傷パターンがすべて同じであった。
従来の甲状腺癌と異なり活動的で癒着が強く手術しづらい。
ただしI131のアイソトープ 治療によく反応した。

ロシアは慢性的なヨード欠乏地域であったためI131の内部被爆の効果が厳しく出た。
日本ではヨード が十分に普段からとられていることが予想されるため
チェルノブイリほどの被害は出ないことを予想している。

空間線量から計算した内部被曝の計算方法がある。(地図を提示)
それによると3/12から3/24にかけて24時間、乳児が屋外にい続けた計算では
飯舘村 、川俣の一部はその期間だけで100mSvの積算内部被曝量の範囲にはいっていた。

20km圏外にある最強のホットスポットでは、24時間屋外にいつづけた
積算内部被曝計算で500mSv見込まれる場所がある。
100mSv以下の範囲地図は提示されず。

母乳からヨウ素が検出されたが微量なので乳児には問題ない。
ただしそこから母体の被曝量を逆算できる。それによると
母体は数mSV程度のI131内部被曝と見込まれる。食事からと考えられる。
今回は汚染された食材の流通に即座に規制がかけられたので被害は出にくいと思われる。

100mSV以下が安全との保証は全くなくグレーゾーン。
そこにどう線引きするかは行政 の仕事。水面下で活発に議論されており20mSv規制は、
お母さんたちの運動の強さ如何では変わりそうな雰囲気である。

福島県立医大を中心に住民の健康追跡調査を頑張りたい。
最初の10日間が大事で3月で大部分の被爆量が決まってしまっている。
今後は最初の10日間、個人がどのような行動をとったかの聞き取り調査とセットで
健康追跡調査をしていく準備をしている。いわゆるコホート研究がなされるべき。



基本理念は「脱原発」

2011-06-17 08:51:04 | 原発
怒涛の更新しております(笑)。

今回の震災や原発事故を受けて発足した県の復興ビジョン検討委員会というものがあります。
いわゆる有識者会議ですね。
その検討委が、基本理念の原案をまとめ来月末にも県に提言するという話。
その原案にあるのは、「脱原発」の姿勢。
基本理念は3つの柱にまとめられ、脱原発は筆頭におかれています。

「原子力に依存しない、安全・安心で持続的に発展可能な社会づくり」
「ふくしまを愛し、心を寄せるすべての人々の力を結集した復興」
「誇りあるふるさとの再生の実現」

この理念のもと、太陽光発電などの再生可能エネルギーやリサイクル、省エネの推進、
再生可能エネルギー関連産業の集積による環境と雇用の確保の世界モデルとなる地域づくりを目指すというもの。
そして、これらの提言をもとに、県は復興計画を立案するという流れのようです。
まだまだ具体性に欠けた漠然とした表現ですが、ひとつの方向を提示したということは意味があります。
しかし、県が本当に脱原発政策へ舵をきることができるのかどうか、はなはだ疑問で不安。
これだけの被害を受けても、いまだ原発立地の首長は、脱原発に慎重論を唱えています。
彼らは、自分たちの町や住民の利益のことしか、頭には浮かばないのだろうか。
40年も前の古い原発の稼働を認め、プルサーマルも推進してきた知事の責任は?
朝日新聞が全国47都道府県の知事に原発やのあり方や、今後のエネルギー施策についてアンケートしたところ、
11人の知事が「やめる」または「減らす」と回答。
また再稼働拒否が立地県を含め25人いたというけれど、わが知事は「事故の収束が第一」として、回答を避けたとのこと。
いまだ知事の目線は、県民を飛び越え国や東電に向けられているのだろうか・・・。

今、県内各地、線量測定にやっきです。
安心、安全には程遠い道のりのような気がします。


庭の片隅でラベンダーが咲きました。
大好きな香りが漂ってきます。



いわき地区放射能調査報告会

2011-06-16 08:47:12 | 原発
身を挺して高濃度汚染地区に入って県内放射能汚染マップを作製している
木村真三さんの報告会が予定されています。
その調査の様子は、2度にわたってNHKのETV特集で放送されました。
その後も、いわき市に入り調査を続けておられるという話を聞いていました。
木村さんは、元放射線医学総合研究所職員で、その後厚労省へ。
しかし、今回の事故の汚染の実態調査に入るため、その職も辞したそうです。
(そのあたりには、上からの圧力が…とか何とか複雑な事情もありそうですが)

詳細な汚染マップを作るということは、今後私たちがこの地で生きていくための、
そして、将来の福島の創生のための、大事な足がかりとなるものです。
それなのに、誰もこれをやってくれません。
何度も言いますが、国も、県も、市町村も、ましてや東電も。

現地に入り独自の調査をするということ。
それは自らも被曝する可能性もあるということです。
とにかく県内いたるところで、専門の研究者や学者の方々の講演会、
研修会が開かれていますが、一般的な話はもういい、
このような、身近な実地調査にもとずいた報告、そこから導き出された意見こそ
私たちが求めているものです。
私も聞きに行きたい!
でも事情により行けません。
行かれる予定の方、お話を聞かせて下さい。


 「木村真三氏 いわき地区放射能調査報告会」

   6月19日(日) 午後2時~4時

   いわき市小名浜市民会館大ホール

   入場無料

   主催  いわき地区放射能調査委員会

   協賛  脱原発福島ネットワーク

義捐金

2011-06-15 17:17:18 | 3.11
先日はご門首が各県の被災寺院を訪ねられ、お見舞いをされたと伺いました。
また、教区にも多大な救援金を頂戴したということで、本当に有り難いことと思っております。

今日は、本山より参務さんがおいでになり、いわき市にも義捐金を渡されました。
一円たりとも無駄にせず、有効な使い道を探して頂きたいと思っています。
が、果たして・・・。

実は、同席した住職が帰ってきてから聞いた話。
原発事故の影響もまだ払しょくできないいわき市。
表面は普通の生活をしているものの、子どもを持つ親御さんの放射能に対する不安は
はかりしれません。
できれば、この義捐金で出来る限りの線量計を購入し、一般市民に貸し出しをするなどの対策を
講じてはどうかというお願いをしたそうです。
しかし、線量計は区長さんなどに渡しており、支所等でも測っているので問題ないと。
だいいち、今現在、線量計が手に入りにくい、とのことだったそうです。

たとえば、子どものいる家庭。
家の周り、部屋のあちこち、どのあたりが、どのような数値なのか、
気になっている人がたくさんいるはず。
確かに、学校や公園などの施設の数値はきちんと測られているのでしょう。
であれば、次に知りたいのは、今生活しているこの場所だと思うのです。
個人で求めるには高価な線量計。
しっかりとした手順を踏んで貸し出しをし、各人が測ったデータを報告するなどしたら、
いわき市の安心マップが出来るかもしれません。

たぶん、そんなことをする人手も時間も無いし、万が一、ホットスポットでも
見つかったら困るということになりかねないのかな。
まあ、実際、いわき市のホットスポットはありますものね。
NHKの番組でも取り上げられていましたし。
ということで、こういうことに使ってほしいという希望は、あまり期待できないようです。
おそらくは、復興事業に費やされていくのでしょうか。
まあ、それはそれで大事なことではありますが・・・。