迦羅求羅虫

小さな寺の日々の出来事

健康調査はだれのため?

2011-06-17 21:52:48 | 原発
原子力損害賠償紛争審査会委員でもあり、
福島県放射線健康リスク管理アドバイザーの長崎大学山下俊一教授。
4月1日付で福島県立医科大学理事長付特命教授にも。

不安でいっぱいの県民に対して、
「100ミリシーベルトでも大丈夫。マスクなんかしなくてもいい。
外で遊んでもいい。」
「放射線の影響は、実はニコニコ笑ってる人には来ません。クヨクヨしてる人に来ます。」
などと、まるで○聴さんの法話みたいなふざけたことを言っていました。
しかし、彼自身は飯館や浪江、川俣の一部などの異常な空間線量の高さ、
その危険性を認識していたのです(まあ当然だろう)。
なんと、医師相手の講演会では、まったく視点の違う話をしていた。
学者先生の言葉に、住民たちは振り回され、浴びなくてもいい放射能を浴び・・・。
個人を責めるようなことではないと分かっています。
ただ、事故を起こした東電はもちろん、国や県の対応はあまりにもずさんで、
県民を愚弄したものであるということ。
国民を守るという真摯さのないこと。


悔しい、悲しい

この時代に生まれたことが不幸なのか、

この国に生まれたことが不幸なのか、

それでも生まれてよかった、と言える人生を

子どもたちが歩めますよう



●5月25日郡山医師会主催山下氏講演要約(転載)

長崎の被爆者追跡データ:年余を追うごとに過剰発癌、多重癌発生率の上昇がみられ
50年たった今でも上昇をつづけている。
一度、幹細胞 のDNAについた被曝の刻印は一生消えない事実がある。

チェルノブイリで活動した。現地で見られた小児甲状腺癌は成人の
従来のものと全く異なりDNA損傷パターンがすべて同じであった。
従来の甲状腺癌と異なり活動的で癒着が強く手術しづらい。
ただしI131のアイソトープ 治療によく反応した。

ロシアは慢性的なヨード欠乏地域であったためI131の内部被爆の効果が厳しく出た。
日本ではヨード が十分に普段からとられていることが予想されるため
チェルノブイリほどの被害は出ないことを予想している。

空間線量から計算した内部被曝の計算方法がある。(地図を提示)
それによると3/12から3/24にかけて24時間、乳児が屋外にい続けた計算では
飯舘村 、川俣の一部はその期間だけで100mSvの積算内部被曝量の範囲にはいっていた。

20km圏外にある最強のホットスポットでは、24時間屋外にいつづけた
積算内部被曝計算で500mSv見込まれる場所がある。
100mSv以下の範囲地図は提示されず。

母乳からヨウ素が検出されたが微量なので乳児には問題ない。
ただしそこから母体の被曝量を逆算できる。それによると
母体は数mSV程度のI131内部被曝と見込まれる。食事からと考えられる。
今回は汚染された食材の流通に即座に規制がかけられたので被害は出にくいと思われる。

100mSV以下が安全との保証は全くなくグレーゾーン。
そこにどう線引きするかは行政 の仕事。水面下で活発に議論されており20mSv規制は、
お母さんたちの運動の強さ如何では変わりそうな雰囲気である。

福島県立医大を中心に住民の健康追跡調査を頑張りたい。
最初の10日間が大事で3月で大部分の被爆量が決まってしまっている。
今後は最初の10日間、個人がどのような行動をとったかの聞き取り調査とセットで
健康追跡調査をしていく準備をしている。いわゆるコホート研究がなされるべき。



基本理念は「脱原発」

2011-06-17 08:51:04 | 原発
怒涛の更新しております(笑)。

今回の震災や原発事故を受けて発足した県の復興ビジョン検討委員会というものがあります。
いわゆる有識者会議ですね。
その検討委が、基本理念の原案をまとめ来月末にも県に提言するという話。
その原案にあるのは、「脱原発」の姿勢。
基本理念は3つの柱にまとめられ、脱原発は筆頭におかれています。

「原子力に依存しない、安全・安心で持続的に発展可能な社会づくり」
「ふくしまを愛し、心を寄せるすべての人々の力を結集した復興」
「誇りあるふるさとの再生の実現」

この理念のもと、太陽光発電などの再生可能エネルギーやリサイクル、省エネの推進、
再生可能エネルギー関連産業の集積による環境と雇用の確保の世界モデルとなる地域づくりを目指すというもの。
そして、これらの提言をもとに、県は復興計画を立案するという流れのようです。
まだまだ具体性に欠けた漠然とした表現ですが、ひとつの方向を提示したということは意味があります。
しかし、県が本当に脱原発政策へ舵をきることができるのかどうか、はなはだ疑問で不安。
これだけの被害を受けても、いまだ原発立地の首長は、脱原発に慎重論を唱えています。
彼らは、自分たちの町や住民の利益のことしか、頭には浮かばないのだろうか。
40年も前の古い原発の稼働を認め、プルサーマルも推進してきた知事の責任は?
朝日新聞が全国47都道府県の知事に原発やのあり方や、今後のエネルギー施策についてアンケートしたところ、
11人の知事が「やめる」または「減らす」と回答。
また再稼働拒否が立地県を含め25人いたというけれど、わが知事は「事故の収束が第一」として、回答を避けたとのこと。
いまだ知事の目線は、県民を飛び越え国や東電に向けられているのだろうか・・・。

今、県内各地、線量測定にやっきです。
安心、安全には程遠い道のりのような気がします。


庭の片隅でラベンダーが咲きました。
大好きな香りが漂ってきます。