迦羅求羅虫

小さな寺の日々の出来事

報告会に行ってきました

2011-06-20 09:15:46 | 原発
朝一番で、市文化センターへ出向き、東北の高速道路料金免除になる
被災証明書の発行を受けてきました。
いわき市は、地震、津波、またそれによる停電断水、さらには原発事故と、
おおむね市民全部に被災証明が発行されますが、自治体によっては扱いがまちまちで、
福島市などけっこう厳しいらしい。
今後避難の必要が出てくるかもしれないのだから、何とか便宜をはかってほしいです。
もっともヤフーオークションに、簡便発行のいわき市被災証明書が出品されていたという
とんでもないニュースもありましたね。
まったく何を考えているんだよ!(怒)

という朝からばたばたの日曜日。
法務が重なり、また午後遅くには住職が京都へ向かう予定もあったけれど、
どうしても気になっていた、科学者木村真三さんの報告会に行ってきました。
木村さんが呼びかけをして始まったチームの調査というのは、
車に機器を載せて道路を走って測定するというもの。
街と街、集落と集落をつなぐ道路を測ることによって、
実際に人が住んでいる場所の詳細な汚染マップが作れます。
同時に、土壌の調査も行っています。
NHKのETV特集「ネットワークでつくる放射能汚染地図」で
放送され、大きな反響を呼びました。
(圧力(?)がなければ、再放送があるかもしれませんね)

少し遅れていったのでもう始まっていました。
会場の小名浜市民会館は車を止める余地なしの満杯状態。



それだけ市民の関心も深い、というか深刻な状況なのでしょう。
大きな画面に資料を写し出し説明しながらのお話は、
テレビで放映されたものに補足を加えるような感じでした。
木村さん自身の研究の大きな課題であったチェルノブイリについても
かなり時間を割いて話してくれました。
番組を見ていればいわき市にもかなり線量の高い、いわゆるホットスポットが
あるということは知っています。
今朝の新聞によると、この調査がきっかけで、ようやく市も動きを見せ、
その地区の避難の話がすすんでいるようです。
でも、このことをもってしても、避難区域を行政区で分けていく矛盾、
不合理性が見えてきます。

諸々具体的な内容については、ここに記しませんが、
いわき市の場合、大部分の地域においては、比較的数値も低いので、
今のところは(!)とくに大人は心配しなくても大丈夫だろうとのこと。
しか~し、子どもは別です。
子どもは大人の3倍の影響を受ける、0歳児ならなおのことです。
残念ながら、食材に関しては大人とは別に用意したほうがいいとのこと。
地産地消は大人だけ、というのはやむを得ないことですね。
と言っても、野菜類、特に葉物は、遠方のものがなかなか手に入らないという
状況もありますが。

各々の事情で、なかなか県外へ生活拠点を移すということなど出来ないという
家庭もあると思います。
わが家もそうだけど。
木村さんは、そういう家庭の子どもたちの夏休みなどの短期間の避難先として、
無理に県外に場所を求めなくても、会津地方などで、比較的数値の少ないところでも
いいじゃないでしょうか、と、おっしゃってましたよ。

最後は、会場からの質問に答える形になりました。
時間の都合で少ししか聞けなかったのですが、小さな子どもさんのいる
お父さん、お母さんの切実な質問が、心が痛かったです。
とくに、母乳の検体検査の結果、セシウムが出たと言ったお母さん。
心配ないと言われているそうですが、再度木村さんにも確認していました。
でも、どんなに大丈夫ですよ、と言われても、親は心配で心配でたまりませんよね。
わが子には、どこまでも純なものをあげたいですものね。

すでに言われていること、誰かも言っていることがあったとしても、
木村さんの言葉に信頼を(もちろん彼が絶対ということではい)置きたくなるのは、
ただ研究のためばかりでなく、そして行政のためでもなく、
ご自身が幼い子どもを持つ一人の親として突き動かされているという、
そのスタンスに共感できるから、かな。

さてその後の話も気になりましたが、急ぎ福島空港へ。
議会のため、住職しばらく留守になります。
申し訳ありません。