virtual"the elf"

神戸の舞子,海岸近くのelf。'04幕を下ろし、その秋仮想空間にてゾンビのごとく甦る。マスター谷口の世界へ酔うこそ!

ついでにタグボートのおさらい

2011-05-05 06:22:39 | 目の前の船
北公園にキタら・・
たいていタグボートが数隻係留されています。
今回は「あわじ丸」(日本栄船)がいました。
作られたのは兵庫区の"金川造船"

この船、二つの海峡でのエスコート業務許可を持っているようなので・・・
"エスコート業務"について以前お話しましたが、
連休で時間余裕のあるかたは今回おさらいをしてみましょ~。

 AB34C-・4-5海218 AB34C-16-6海339
この2つともがエスコート業務の許可番号。

小さな力持ち"タグボート"の主な仕事は・・
1.港の中で微妙な動きができない巨大船の接岸・離岸時に押したり曳いたりして、手助けをします。
2.動力のない"ハシケ"を押したり曳いたりして、物を運びます。
3.海上交通安全法で定められた狭い海峡・航路では巨大船の通過時には安全のため、水先人(水先案内人=パイロット)を
  乗船させて案内させる他に、前方や側方に「エスコート船」を走らせて航路確保をしなければなりません。
  (巨大船は進路変更も停止もすぐにはできないのでね~)
  で、エスコート業務許可を持った"タグボート"は「エスコート船」としても働くことができます。
  (勿論この業務が専門の"エスコート船"というのもあるわけですが)


[許可番号の解説]
その1 AB34C-・4-5海218
A:進路警戒船(エスコート業務)の許可あり。船の先を進み、進路上にいる船などに「どいてね~」などといいます。
B34:消防設備のうち第3種4種の装備あり(エスコートする船種によって求められる設備内容が異なる)
C:側方警戒船の許可あり(船の横に付いて警戒業務につくことができる)
・4:二ケタ表示なので・あり。""は明石海峡を示し、この数字の場所でのエスコート業務許可あり
5海:第管区上保安本部が認可しました(5菅の管轄:大阪湾~兵庫県、和歌山、徳島、高知)
218:5管からの許可交付番号

その2 AB34C-16-6海339
AB34C-までは同じです。
16:(岡山・香川以西の瀬戸内海の狭いところ)備讃瀬戸東航路・備讃瀬戸北航路・備讃瀬戸南航路・宇高東航路・宇高西航路・水島航路・来島海峡航路でのエスコート業務許可あり
6海:第管区上保安本部が認可しました(6菅の管轄:岡山県、広島県、山口県東部、香川県、愛媛県)
339:6管からの許可交付番号


[も少し細かい解説]
・もしもエスコート中に巨大船や危険物を積んだ大型タンカーに火災が発生したら、消火活動せねばで、それに対応した消防設備が必要です。よって、「B○○」表記があります。

・"4"の明石海峡は第5管区海上保安本部の管轄内なので、「・4-5海」はワンセットとなります。
"16"の岡山・香川以西の瀬戸内海の狭い7航路は第6管区海上保安本部の管轄内なので、「16-6海」もワンセットです。

・海上交通安全法で定められた狭い海峡・航路は関東以西~瀬戸内海までで、最後の部分は3海・4海・5海・6海の
 表記しかありません。
 ちなみに"関門海峡"は指定外ですので、エスコートする場合でも許可番号は必要ありません。

・・と、いうことですわ。。。
よって、この「あわじ丸」は海上交通安全法で定められた"瀬戸内海のすべての狭い海峡・航路"でのエスコート業務が可能ということです。


お天気がいい日、明石海峡が目の前の舞子公園に行ったとき、巨大船が通過してたら、じ~っと見てみましょ~!
タグボートがエスコートをしてたら紅白シマシマの吹流しを掲げているので、エスコート業務中なのかわかるかもね~(双眼鏡がいるかなぁ・・?)



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2 コメント

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Unknown (七星)
2011-05-11 13:50:14
進路警戒船の説明箇所の「どいてね~」で、この船の役割が分かりつつ、ぷぷっ!て吹き出してしまいました。
試験に出して欲しいです。

問題:進路警戒船の定義を簡単に説明せよ
回答:航行予定進路内の他の船舶に「どいてね~」と言う

想像するだけでニヤニヤしてしまいます。おもしろいです。
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どいてね~! (Bar-elf)
2011-05-12 07:15:17
七星さんへ

明石海峡では進路警戒船(エスコート船)が巨大船の1kmほど先を走って、
たむろしている漁船に「デカイの来るよ~、どいてね~!」とマイクで言ってます。

こういう仕事がイージス艦と漁船、潜水艦と釣りの乗合い船の衝突事故を防ぐんですねぇ。
自衛艦もエスコートしてもらったら?と思いますわ。
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