金作原へ着くまでは,ちょっとした苦難の道程でした…
今日は,金作原への行き方と,はじめて行かれる方への多少のアドバイスをお伝えしたいと思います。
(FORTUNEさーん!やっとアップすることができましたよ
)
ガイドブック等にも一応の道は書いてあるものの,実は,詳細に行き方を書いた本はほとんどない。
そこで,私が,今回,参考にしたのは,
こちらの地図(なお,この地図は,
名瀬市子育てマップの一つで,公園やトイレの場所が書いてあったりして,お子さんのいる家庭では,結構重宝するかも。ただ,2003年作成と少し古くなったのと,酔っぱらいの常駐度,挙動不審者の出没頻度等が書いていないのがやや残念)。
こちらの地図の注記では,「途中から未舗装の道となっていて普通乗用自動車では車の底をぶつけるなどで故障等のトラブルが予想されます。はじめての方は必ず一度行ったことがある方に同行してもらうか,ツアー等をご利用下さい。」と書いてある。
が,その下を見ると,名瀬中心部から比較的近い「小宿・里」ルートに,「道沿いに金作原への案内板が出ています。尾根までは舗装路で,尾根から金作原への道は未舗装ですが,比較的道幅は広い道です。」とある。
それに手許にあるガイドブックの地図(まっぷるマガジン「屋久島・奄美大島・種子島」)には,小宿からの道は国道58号線並みに太々と描かれている!
おぉ!これは行ける!!
ということで,ガイドさん等に頼まずにぶらりと出掛けてみることにしたのだが,それが素人の浅はかさ…
辿り着いたのは,こんな感じの砂利道。
というのは若干不正確で,写真を撮るだけの気力と余裕がやっと出てきた場所が,ここ。
小宿中学校の脇を抜けて,2分も自動車を走らせると,そこは,舗装はされているものの,草木の鬱蒼と生い茂った山の中。
離合はおろか,2000ccクラスの自動車なら道を外れずに走らせるのが難しいぐらいの道幅。
草が深々と茂っているのであまり気付かないが,その先には,10mほど下に沢があるようで,道を外すと,沢へと真っ逆さま!とも思われる。
だが,方向転換をするスペースは当然ながら無く,前へ前へと走らせるしかない。
旧道の屋入峠への道を走らせたときよりも,恐い。
そうなると,いくら撮影好きの私と言っても,車を止めて撮影する余裕はない
とにかく,対向車が来る前に,自動車を少しでも前進させなければ!
やがて砂利道に到達したが,ここからがまた長い。
この砂利道も,道幅は舗装路同様,やたら狭い。
「離合スペース」もほとんど無く,「離合スペース」というよりは,そこへ自動車を踏み込ませても谷底へ落ちていかない程度に地盤が比較的しっかりしているため離合の目的で使われたのではないかと思われる,草地の少し薄くなった場所が時折見かけられる程度。
しかも,雨が降って地盤が緩くなる度に道路が削られたためか,轍は相当深く,車底を擦りそう。
比較的大きな砂利も多く,パンクも心配!
と,レスキューを呼ばざる得なくなったときのことを考え,携帯を覗くと,当然のことながら,アンテナは立っていない
とにかく,車を走らせるしかない!
5kmほど車を走らせただろうか。
この間,時速10~20kmで約20分の走行。
ようやく,左 金作原,右 知名瀬(ちなせ)との看板が見えてきた。
何せ,対向車が来る前に目的地へ行かねば(冷静に考えると,「目的地」に方向転換できるスペースがあるかどうかは未確認で,もしかすると行ったきりかもしれないのだが
)。
ここまで来て知名瀬集落へと降りていくわけにはいかない。
当然,左へ進路を取った。
砂利道は依然として続く。
このころ,漸く砂利道にも慣れて(?)きて撮ったのが上の砂利道の写真。
とはいえ,写真では,あまり分からないが,道は少し盛り上がっているため,道から外れれば,おそらく自力ではリカバリー不能。
と,そのとき悲劇が!
な,なんとここまで来て,対向車が出現!!!
しかも,ナンバーからしてレンタカーっぽくて,ドライバーは中高年の方。
(あれ,レンタカーって,原生林や林道に入り込むのを禁止しているケースも多いんじゃなかったっけ?)
白の中型車が林道の真ん中で仁王立ちだぁ!
人生の先輩を後退させるわけにはいかないので,私めが後退。
冷や汗をかきながら200mは後退しただろうか…ようやく離合可能なスペースを発見。
離合の際,深々とお辞儀をされ,とても清々しい気分になった
まるで,疲れ果てて帰路につく中央線の終電で,お年寄りに座席を譲ったときのような爽快感。
知名瀬との分岐点から1.5kmほど走らせて,ようやく上のようないかにも"金作原らしい看板"に遭遇!
やっと金作原に辿り着いたのだ。
しかし,あの有名な金作原である以上は,駐車スペースがあるはず,と車をさらに走らせていくと,道がどんどん狭くなり,1500ccの自動車でも走らせるのが難しいぐらいの道幅になり…
なんと,写真等で見たことのある,金作原のジュラシックな世界へと突入してしまった!
そうか,上の写真の看板の付近に自動車を止められるスペースがあったから,あそこで止めておけば良かったぁ!と思っても後の祭り。
前を見ると,ガイドさんに案内された女子大生と思われる団体さんがいる…
原生林の真ん中で人に会えて嬉しいやら,こんなところまで車を突入させてしまって恥ずかしいやら
ともあれ,ここは林道ではあるけれど,遊歩道でもあるから,車を踏み込ませるのは今後絶対に止めよう!と固く誓ったのでした。
森を楽しんでいる人たちの邪魔をしないよう,また,谷底へ車を転落させないよう気遣いながら,そろりそろりと車を走らせ,ちょっとした駐車スペースを見付けて,しばらく散策。
その後,Uターンして,帰路は,「子育てマップ」にも「未舗装の道が一番短いのはこのルートです」と書いてあった「知名瀬」ルートへ。
前記の知名瀬との分岐点から知名瀬までは,舗装路で,道幅は広くはないものの,要所要所には離合スペースがあり,対向車を確認するためのミラーも完備されている。
砂利道を10km近く走らせた後だけに,運転技術がかなり進歩したような錯覚に陥る
その後は,快適なドライブを楽しんで,帰宅したのであった。
下の写真は知名瀬に向かう途中の道からの風景。
山が果てしなく深く連なっている。
名瀬中心部から知名瀬を経由して金作原に向かうときの目印は,知名瀬教会(下の写真)。
県道79号線をこの教会のある場所で左折すれば,あとは道なりに進めば,金作原に辿り着く。
私は,今回,ガイドなしで金作原に行ってしまった(しかも翌週もまたまた行ってしまった
)が,金作原初体験の方,特にはじめて奄美大島を訪れる方には,ツアーに参加したり,ガイドを頼まれることを強くお薦めします。
道路が必ずしも整備されていないというだけでなく,金作原に棲息する希少動植物を見付けるのはそれほど簡単ではないので,ガイドを頼まれた方が,短時間で効率的かつ楽しく奥深く金作原を満喫できるからです。
もし,自力で行かれる場合には,次の点にご注意下さい。
1 林道を外れないこと。
林道を外れて草むらに足を踏み入れると,ハブに打たれる(噛まれる)危険性がかなり高くなります。また,林道を外れて,森の中に入り込むと,二度と抜け出せなくなる危険もあります。実際,タナガ(川エビ)獲りに行って消息不明になられた地元の方もいらっしゃいます。ガイドブックに載ってはいても,ここは原生林です。
2 自動車は,上の写真の"金作原らしい看板"付近に止めて散策すること。
私も知らずに散策路に自動車を突っ込んでしまいましたが,これはかなり迷惑な行為です(反省
)。自動車で見て回る場所ではなく,散策路(往復2km弱でしょうか)ですから,必ず自動車は歩行者の迷惑にならない場所に止めましょう(そういった注意喚起の看板でも立っていれば良いのですが…)。
3 金作原周辺は,国有林として保護されているので,動植物・昆虫の採取は禁止されています。
破ると刑事罰を受けることもありますよ。そういえば,「とっていいのは写真だけ。残していいのは思い出だけ。」(動植物は獲らない。ゴミは残さない。)って最近聞かない気がしますが,名言ですよね。是非,守りましょう!
4 この梅雨の時期は,土砂崩れの危険があります。
素人考えでは,できればこの時期は行くのは避けた方がよいかと思います。
6月末になって梅雨が明けて夏が来れば満喫できると思いますよ!
5 運転技術に自信のない方は,運転して金作原に入るのは止しましょう。
林道を200~300mバックできる自信がない人は自力突入はやめた方が良いと思います。
と,最後に,細々と注意点を書きましたが,是非,奄美大島を代表する原生林の一つである金作原をお楽しみ下さい!
【2006.5.20 奄美大島・奄美市(金作原)Canon EOS Kiss デジタル with Canon EF-S10-22mm F3.5-4.5 USM】
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