vagabond の 徒然なるままに in ネリヤカナヤ

エメラルドグリーンの海,溢れる太陽の光,緑の森に包まれた奄美大島から,乾いた心を瘉す写真をお届けします。

舞い降りる

2006-06-14 21:57:18 | ネリヤカナヤの花・植物
花と出会った瞬間,自分のためだけに,大空から舞い降りてきたんじゃないか,そんな風に感じる刻がある。
このクチナシ(本州以南。アカネ科)の花と出会ったときも,そんな思いを感じた。

本土にいるときは,クチナシの香りは,芳醇ながらも,いささか厚化粧な感じがした。
それに,ちょっとくたびれた花に出会うことも多かった。
それで,気になる存在ではありながらも,ちょっと敬遠していた。

奄美大島の森の中に咲くクチナシの花は,背筋がピンと伸びていて,さながら,プリマドンナが,舞台上でチュチュをひらりと広げたようなイメージ。
香りも,本土のクチナシとは違って,清楚で格調高くも慎ましやかに自己主張する,といった甘酸っぱさをほのかに漂わせた非常に好感の持てるもの。
同じ花でも,これだけ違う。
森の中での発見は果てしなく続く...

【2006.5.20 奄美大島・奄美市 Canon EOS Kiss デジタルN with Canon EF-S60mm F2.8 マクロ USM】
にほんブログ村 写真ブログへより多くの人に奄美群島の魅力をもっともっと知って頂くため よろしければ こちらのクリックをお願いいたします!

露に濡れる花(その7)~ゲットウ(サネン) 2

2006-06-13 22:32:09 | ネリヤカナヤの花・植物
雨上がりには,ゲットウ(島では「サネン」と呼ばれる)の花が一際美しい。
香り立つような鮮やかな花は,ちょっと曇った心も明るくさせてくれる。
晴れた日のサネン花よりもさらに味わい深い。

露に濡れたサネンの葉は,近付くだけで匂い立つよう。


この日は,蕾の先に滴る雫も"試食"してみました。
甘い露ではなくて,普通の雨雫だけど,ほんのりとサネンの葉の香りが漂い,なかなかに美味!?


昨夜の「魔の10分間」の後,ワールドカップ中継が終わっても,悔しいやら呆然とするやら納得できないやらで,眠れぬ夜を過ごした方も多かったかと思います。
でも今宵は,サネン花の写真で傷付いた心を癒してください
とはいいながら,今,NHKラジオで,クロアチアの選手がインタビューで「日本選手はやる気があるの?これでクロアチアが予選通過だね。」と発言してました。悔しいー
やっぱり納得できないなぁ
【2006.6.11 奄美大島・奄美市 Canon EOS Kiss デジタルN with Canon EF-S60mm F2.8 マクロ USM】
にほんブログ村 写真ブログへより多くの人に奄美群島の魅力をもっともっと知って頂くため よろしければ こちらのクリックをお願いいたします!

最初の一滴(ひとしずく)~ヤンバルセンニンソウ

2006-06-12 21:53:48 | ネリヤカナヤの花・植物
鬱蒼と茂ったシダ類の合間にひっそりと咲くヤンバルセンニンソウ(キンポウゲ科。種子島・屋久島以南に分布)。
そぼ降る雨。
シダの先から雨の雫が一つ,また一つ滴り,その下のヤンバルセンニンソウの花を濡らしていく。
花の先で耐えられなくなった雫はやがて地に落ち,川へと集まり,海へと流れゆく...


つる性の常緑草本のヤンバルセンニンソウは,先日の写真のように,高いところにもスルスルと伸びていき,見事な花を楽しませてくれるが,時折,低地にも花が咲いていることがある。
そして,雨の日にはこんな素敵な情景を味わわせてくれる。

【2006.6.11 奄美大島・奄美市 Canon EOS Kiss デジタルN with Canon EF-S60mm F2.8 マクロ USM】
にほんブログ村 写真ブログへより多くの人に奄美群島の魅力をもっともっと知って頂くため よろしければ こちらのクリックをお願いいたします!

はんなりと 虹♪

2006-06-12 21:38:43 | ネリヤカナヤの海・空
今日も土砂降りの奄美大島。
が,日没の直前になって,一瞬,西から光が。
もしやと思って,東の空に目をやると,はんなりと虹♪
急いでカメラを持ち出し,シャッターを切る。
ファインダーをのぞいているうちに,みるみる間に,色褪せていってしまった...
雨の多いこの季節,ほんの少し幸せな瞬間。

さぁて,そろそろワールドカップ 対オーストラリア戦が始まる。
日本代表を応援するため,テレビの前に陣取るとするか。
この虹が勝利の予兆ならよいのだが

【2006.6.12 奄美大島・奄美市 Canon EOS Kiss デジタルN with Canon EF70-200mm F2.8L IS USM】
にほんブログ村 写真ブログへより多くの人に奄美群島の魅力をもっともっと知って頂くため よろしければ こちらのクリックをお願いいたします!

初対面!リュウキュウアカショウビン!!!

2006-06-11 22:31:33 | ネリヤカナヤの生き物
リュウキュウアカショウビンという鳥をご存知だろうか。
リュウキュウアカショウビンは,本土にも夏鳥として渡来するアカショウビンの亜種で,画家・田中一村が,こよなく愛し,繰り返しその作品の中に描き込んだ鳥である。
奄美大島では,山裾の比較的民家の近くにも棲息していて,4月ころから9月ころまで,キュロロロロロロローと極めて神秘的な美しさの鳴き声を聞かせてくれる(鳴き声はこちらのサイトにあります。)。
アカショウビンは,奄美大島の島民にも馴染み深く,奄美の民話にもよく登場するらしい。
また,田中一村の描いたアカショウビンは,「里の曙」という黒糖焼酎のラベルにも使われていて,この意味でも左党には馴染み深い鳥だ。
ただ,私にとっては,実は,アカショウビンは,奄美に住んでこの一年,どこまでも神秘の鳥で,会いたいようで会いたくないような複雑な対象だった。

「黒いオルフェ」(1959年・仏)という映画をご存知だろうか。
このギリシャ神話のオルフェウスの話(死んだ妻を黄泉の国から連れ帰る話。日本神話のイザナギの国産み伝説とも親和性がある)をモティーフに,カーニバル開催時のブラジルのリオを舞台に,若い男女の悲恋を描いた名画である。
この映画の中に,黄泉の国へと誘う"仮面の男"が登場する。
この男は,非常に不気味な存在で,鑑賞者をも不安な気持ちのただ中へ引きずり込む。
この映画を見て以来,私にとって,リオのカーニバルは,ただひたすら明るいだけのものではなく,歓喜と絶望とが紙一重であることを想起させるシンボリックなものになった。

さて,アカショウビン。
私にとっては,この「黒いオルフェ」の"仮面の男"にも似て,黄泉の国へと誘う存在のように思えてならなかったのだ。
まず,声はひたすらに神秘的で,魂の中心へと響き渡る。
そして,鳴き始めるのは,まだ漆黒の闇の時刻。空が茜色に変わるにつれて,闇が支配する世界(黄泉の国)に人間を止めようとするかのように,鳴き声が多くなってくる。
日中は,それほど鳴かないが,夕闇が迫るにつれて,再び鳴き声が盛んになり始める。まるで闇の世界に誘うかのように。
闇への誘いは,やがて,奄美の闇の世界の帝王 リュウキュウコノハズクへと引き継がれる…(コノハズクの鳴き声はこちら
それに,かなり大きな鳴き声なのだが,声はすれども姿が全く見えないというのが,また不気味。

という次第で,ちょっと飛躍があるかもしれないが,アカショウビンは黄泉の国へ誘う使者のように思われるのだ。
もちろん,早朝と夕暮時に鳴くというのも,人を警戒して木立の中からなかなか出てこないというのも,鳥一般に通有する特性。
だが,その神秘的な泣き声と,例えば「ダチュラとアカショウビン」等の一村の絵の中で描かれている予言者を思わせるような風貌を思うと,やはり何か霊性の高い存在のような気がするアカショウビン。
こんなアカショウビンだからこそ,その鳴き声が聞こえてくると,特に,真夏などには,体感温度が3度は低くなる気がする。
(以上,私の極めて個人的かつ独断的な講釈にお付き合い下さりありがとうございます


というわけで,お近付きになりたいようななりたくないようなそんな存在のアカショウビンだったのだが,今日,ばったり森の中で出くわしてしまった。
その直前から,近く(といっても100mは離れている)で盛んに鳴いていたのだが,どうせいつものように視野無いに入って来ないだろう,と足下の花の写真を撮っていたところ,頭上のリュウキュウマツの方から一際大きな鳴き声が…
急いで,カメラを構え直してシャッターを切る。
キリリと切れ上がった眉と凛々しい面立ち。
一村の予言者を思わせるアカショウビンの表情よりも,さらに人間的な強い意志を感じさせる。


1枚,2枚…3枚目を撮った瞬間,飛び立ってしまった。
どうやら私は,黄泉の国からの使者には縁遠いようだ。
少しホッとする
それにしても,アカショウビン,とっても胴長。


飛び立った後は,木立の中に入り込み,しばらく鳴いた後,フラッと飛び去っていった。
初めて会ったアカショウビン。
どうやら「使者」ではないことがこれでハッキリしたので,今度こそは,もっと沢山お会いしたい,そう思った。

昨日,今日と,徒然と書いてしまいました
明日からは,通例どおりのショートバージョンに戻ると思いますのでよろしくお願いいたします
【2006.6.11 奄美大島・奄美市名瀬 Canon EOS Kiss デジタルN with Canon EF70-200mm F2.8L IS USM(トリミング加工あり)】
にほんブログ村 写真ブログへより多くの人に奄美群島の魅力をもっともっと知って頂くため よろしければ こちらのクリックをお願いいたします!

金作原原生林への道

2006-06-10 23:59:12 | ネリヤカナヤの花・植物
金作原へ着くまでは,ちょっとした苦難の道程でした…
今日は,金作原への行き方と,はじめて行かれる方への多少のアドバイスをお伝えしたいと思います。
(FORTUNEさーん!やっとアップすることができましたよ
ガイドブック等にも一応の道は書いてあるものの,実は,詳細に行き方を書いた本はほとんどない。
そこで,私が,今回,参考にしたのは,こちらの地図(なお,この地図は,名瀬市子育てマップの一つで,公園やトイレの場所が書いてあったりして,お子さんのいる家庭では,結構重宝するかも。ただ,2003年作成と少し古くなったのと,酔っぱらいの常駐度,挙動不審者の出没頻度等が書いていないのがやや残念)。
こちらの地図の注記では,「途中から未舗装の道となっていて普通乗用自動車では車の底をぶつけるなどで故障等のトラブルが予想されます。はじめての方は必ず一度行ったことがある方に同行してもらうか,ツアー等をご利用下さい。」と書いてある。
が,その下を見ると,名瀬中心部から比較的近い「小宿・里」ルートに,「道沿いに金作原への案内板が出ています。尾根までは舗装路で,尾根から金作原への道は未舗装ですが,比較的道幅は広い道です。」とある。
それに手許にあるガイドブックの地図(まっぷるマガジン「屋久島・奄美大島・種子島」)には,小宿からの道は国道58号線並みに太々と描かれている!
おぉ!これは行ける!!
ということで,ガイドさん等に頼まずにぶらりと出掛けてみることにしたのだが,それが素人の浅はかさ…


辿り着いたのは,こんな感じの砂利道。
というのは若干不正確で,写真を撮るだけの気力と余裕がやっと出てきた場所が,ここ。

小宿中学校の脇を抜けて,2分も自動車を走らせると,そこは,舗装はされているものの,草木の鬱蒼と生い茂った山の中。
離合はおろか,2000ccクラスの自動車なら道を外れずに走らせるのが難しいぐらいの道幅。
草が深々と茂っているのであまり気付かないが,その先には,10mほど下に沢があるようで,道を外すと,沢へと真っ逆さま!とも思われる。
だが,方向転換をするスペースは当然ながら無く,前へ前へと走らせるしかない。
旧道の屋入峠への道を走らせたときよりも,恐い。
そうなると,いくら撮影好きの私と言っても,車を止めて撮影する余裕はない
とにかく,対向車が来る前に,自動車を少しでも前進させなければ!

やがて砂利道に到達したが,ここからがまた長い。
この砂利道も,道幅は舗装路同様,やたら狭い。
「離合スペース」もほとんど無く,「離合スペース」というよりは,そこへ自動車を踏み込ませても谷底へ落ちていかない程度に地盤が比較的しっかりしているため離合の目的で使われたのではないかと思われる,草地の少し薄くなった場所が時折見かけられる程度。
しかも,雨が降って地盤が緩くなる度に道路が削られたためか,轍は相当深く,車底を擦りそう。
比較的大きな砂利も多く,パンクも心配!
と,レスキューを呼ばざる得なくなったときのことを考え,携帯を覗くと,当然のことながら,アンテナは立っていない
とにかく,車を走らせるしかない!
5kmほど車を走らせただろうか。
この間,時速10~20kmで約20分の走行。
ようやく,左 金作原,右 知名瀬(ちなせ)との看板が見えてきた。
何せ,対向車が来る前に目的地へ行かねば(冷静に考えると,「目的地」に方向転換できるスペースがあるかどうかは未確認で,もしかすると行ったきりかもしれないのだが)。

ここまで来て知名瀬集落へと降りていくわけにはいかない。
当然,左へ進路を取った。
砂利道は依然として続く。
このころ,漸く砂利道にも慣れて(?)きて撮ったのが上の砂利道の写真。
とはいえ,写真では,あまり分からないが,道は少し盛り上がっているため,道から外れれば,おそらく自力ではリカバリー不能。

と,そのとき悲劇が!
な,なんとここまで来て,対向車が出現!!!
しかも,ナンバーからしてレンタカーっぽくて,ドライバーは中高年の方。
(あれ,レンタカーって,原生林や林道に入り込むのを禁止しているケースも多いんじゃなかったっけ?)
白の中型車が林道の真ん中で仁王立ちだぁ!
人生の先輩を後退させるわけにはいかないので,私めが後退。
冷や汗をかきながら200mは後退しただろうか…ようやく離合可能なスペースを発見。
離合の際,深々とお辞儀をされ,とても清々しい気分になった
まるで,疲れ果てて帰路につく中央線の終電で,お年寄りに座席を譲ったときのような爽快感。


知名瀬との分岐点から1.5kmほど走らせて,ようやく上のようないかにも"金作原らしい看板"に遭遇!
やっと金作原に辿り着いたのだ。
しかし,あの有名な金作原である以上は,駐車スペースがあるはず,と車をさらに走らせていくと,道がどんどん狭くなり,1500ccの自動車でも走らせるのが難しいぐらいの道幅になり…

なんと,写真等で見たことのある,金作原のジュラシックな世界へと突入してしまった!
そうか,上の写真の看板の付近に自動車を止められるスペースがあったから,あそこで止めておけば良かったぁ!と思っても後の祭り。
前を見ると,ガイドさんに案内された女子大生と思われる団体さんがいる…
原生林の真ん中で人に会えて嬉しいやら,こんなところまで車を突入させてしまって恥ずかしいやら
ともあれ,ここは林道ではあるけれど,遊歩道でもあるから,車を踏み込ませるのは今後絶対に止めよう!と固く誓ったのでした。

森を楽しんでいる人たちの邪魔をしないよう,また,谷底へ車を転落させないよう気遣いながら,そろりそろりと車を走らせ,ちょっとした駐車スペースを見付けて,しばらく散策。
その後,Uターンして,帰路は,「子育てマップ」にも「未舗装の道が一番短いのはこのルートです」と書いてあった「知名瀬」ルートへ。

前記の知名瀬との分岐点から知名瀬までは,舗装路で,道幅は広くはないものの,要所要所には離合スペースがあり,対向車を確認するためのミラーも完備されている。
砂利道を10km近く走らせた後だけに,運転技術がかなり進歩したような錯覚に陥る
その後は,快適なドライブを楽しんで,帰宅したのであった。
下の写真は知名瀬に向かう途中の道からの風景。
山が果てしなく深く連なっている。


名瀬中心部から知名瀬を経由して金作原に向かうときの目印は,知名瀬教会(下の写真)。
県道79号線をこの教会のある場所で左折すれば,あとは道なりに進めば,金作原に辿り着く。


私は,今回,ガイドなしで金作原に行ってしまった(しかも翌週もまたまた行ってしまった)が,金作原初体験の方,特にはじめて奄美大島を訪れる方には,ツアーに参加したり,ガイドを頼まれることを強くお薦めします。
道路が必ずしも整備されていないというだけでなく,金作原に棲息する希少動植物を見付けるのはそれほど簡単ではないので,ガイドを頼まれた方が,短時間で効率的かつ楽しく奥深く金作原を満喫できるからです。

もし,自力で行かれる場合には,次の点にご注意下さい。
1 林道を外れないこと。
林道を外れて草むらに足を踏み入れると,ハブに打たれる(噛まれる)危険性がかなり高くなります。また,林道を外れて,森の中に入り込むと,二度と抜け出せなくなる危険もあります。実際,タナガ(川エビ)獲りに行って消息不明になられた地元の方もいらっしゃいます。ガイドブックに載ってはいても,ここは原生林です。

2 自動車は,上の写真の"金作原らしい看板"付近に止めて散策すること。
私も知らずに散策路に自動車を突っ込んでしまいましたが,これはかなり迷惑な行為です(反省)。自動車で見て回る場所ではなく,散策路(往復2km弱でしょうか)ですから,必ず自動車は歩行者の迷惑にならない場所に止めましょう(そういった注意喚起の看板でも立っていれば良いのですが…)。

3 金作原周辺は,国有林として保護されているので,動植物・昆虫の採取は禁止されています。
破ると刑事罰を受けることもありますよ。そういえば,「とっていいのは写真だけ。残していいのは思い出だけ。」(動植物は獲らない。ゴミは残さない。)って最近聞かない気がしますが,名言ですよね。是非,守りましょう!

4 この梅雨の時期は,土砂崩れの危険があります。
素人考えでは,できればこの時期は行くのは避けた方がよいかと思います。
6月末になって梅雨が明けて夏が来れば満喫できると思いますよ!

5 運転技術に自信のない方は,運転して金作原に入るのは止しましょう。
林道を200~300mバックできる自信がない人は自力突入はやめた方が良いと思います。

と,最後に,細々と注意点を書きましたが,是非,奄美大島を代表する原生林の一つである金作原をお楽しみ下さい!
【2006.5.20 奄美大島・奄美市(金作原)Canon EOS Kiss デジタル with Canon EF-S10-22mm F3.5-4.5 USM】
にほんブログ村 写真ブログへより多くの人に奄美群島の魅力をもっともっと知って頂くため よろしければ こちらのクリックをお願いいたします!

たまにはこんな夕景を...

2006-06-09 23:25:54 | ネリヤカナヤの海・空
奄美大島は,序盤こそ空梅雨かと思わせる天気が続いていたものの,最近は,土砂降りの毎日が続いている。
あと3週間は,こんな天気が続くのだろう
そうなると恋しいのは,写真のような夕暮れ時の風景。

今日お届けする写真は,梅雨入り前の蒲生崎からの夕景。
こちらの地図の「屋仁」とういう集落の北西端が蒲生崎(がもうざき)。
上の写真は,蒲生崎から南西の笠利湾を臨んだ写真。
半島が十重二十重に連なる美しい風景は,私のお気に入りの一つ。


同じ蒲生崎から北西側の東シナ海を臨むとこんな風景が見られる。
この場所から,夕陽が東シナ海に沈む瞬間を見られればと思うが,水平線上に雲がかかることも多く,それはなかなかに難しい望み。
それでも,実際の風景は,私の写真の10倍ぐらい,ダイナミックで美しい。


空と海とは刻一刻とその表情を変えていく。
天球が音を立てながら動いていくかのような錯覚すら感じる。


蒲生崎は,源氏に敗れて奄美大島に流れ着いた平家(平有盛)が,見張り所を設けた場所でもある。
他のスポットから少し離れているため,駐車場,展望台等は完備されているものの,訪れる人も多くはなく,運が良ければ,ルリカケス,アカヒゲ等の姿を見かけることもできる。
何度か訪れたことがあるが,私にとっては,行く度に,ゾクゾクッとした不思議な感覚を覚える不思議な場所。
こういう感覚を覚えるのは,蒲生崎のほかには,長雲峠(奄美自然観察の森)と湯湾岳山頂付近ぐらいだろうか。
いずれも,人気(ひとけ)がかなり少ないというだけなのかもしれないのだが…
【2006.4.30 奄美大島・奄美市笠利町(蒲生崎) Canon EOS Kiss デジタルN with Canon EF70-200mm F2.8L IS USM & Canon EOS Kiss デジタル with Canon EF-S10-22mm F3.5-4.5 USM】
にほんブログ村 写真ブログへより多くの人に奄美群島の魅力をもっともっと知って頂くため よろしければ こちらのクリックをお願いいたします!

露に濡れる花(その6)~ギョクシンカ(玉心花)

2006-06-08 20:59:53 | ネリヤカナヤの花・植物
奄美の森の中を歩いていると花の美しさにハッとする瞬間がたびたびある。
ことに梅雨時の森の中の白い花の美しさは格別だ。


今日の写真は,ギョクシンカ(アカネ科・九州中部以南)の花。
梅雨時の薄暗い森の中で,この時期,ギョクシンカは,眩しいほどに輝いている。


ギョクシンカは,漢字では「玉心花」と表記される。
1~2cmほどの花の集合体(20cm前後)を白い玉に見立てたのだろうか。
それとも,雄しべがすこし煌めいて見えることから,これを心(芯)に見立てて名付けられたのだろうか。


上から見下ろすとこんな感じ。
浜辺で人が大の字になって寝ころんでいるかのようだ


森の中でギョクシンカを見かけたら,じっくり観察してみよう。
今の季節,森の中では,ほぼ週替わりで色々な花が楽しめる。


【2006.6.3 奄美大島・奄美市 Canon EOS Kiss デジタルN with Canon EF70-200mm F2.8L IS USM】
にほんブログ村 写真ブログへより多くの人に奄美群島の魅力をもっともっと知って頂くため よろしければ こちらのクリックをお願いいたします!

ところで,日本にキリスト教を伝道したフランシスコ・ザビエルの末裔(アルバロ・デ・マリチャラル氏・不動産業)が,ザビエルの生誕500年を記念して,今,水上バイクで,香港から,マカオ,石垣島,奄美大島,鹿児島,山口,等を経由して東京へ向かう約5000kmの旅を続けている(記事はこちら)。
4月7日に香港を出発して,2か月後の6月7日に漸く奄美大島に到着したそうだ。
水上バイクでも2か月かかる遠い旅路。
「危険かもしれないが挑戦したかった。先祖もそうだったように。毎日ザビエルに祈ってるよ。」と,マリチャラル氏(2006年6月8日付 朝日新聞より)。
かのザビエルは,かつて,どのような思いと苦しみを感じながら,我が国にたどり着いたのだろうか。

露に濡れる花(その5)~クマタケラン(カシャ)

2006-06-07 02:32:28 | ネリヤカナヤの花・植物
梅雨時の奄美では,「クマタケラン(カシャ)」(ショウガ科。九州南部以南に分布)も咲き乱れている。

似た花に,「ゲットウ(サネン)」があるが,ゲットウの花は垂れ下がるのに対して,クマタケランの花はゲットウよりも心持ち小振りで垂れ下がらない。
また,葉の芳香は,クマタケランの方が抜群に良く,その葉は,カシャ餅をはじめ食物の包装等に使われる(こちらを参照)。

残念ながら,枝全体が満開の株はなかなか見付けられない...

ところで,奄美大島では,豪雨が続き,とうとう北部の龍郷町では土砂崩れが起きて,住宅半壊の被害も起きてしまったようだ(ニュース記事はこちら)。
みなさんどうぞお気を付けください。

【2006.6.3 奄美大島・奄美市 Canon EOS Kiss デジタルN with Canon EF-S60mm F2.8 マクロ USM】
にほんブログ村 写真ブログへより多くの人に奄美群島の魅力をもっともっと知って頂くため よろしければ こちらのクリックをお願いいたします!

露に濡れる花(その4)~デイゴも見納め

2006-06-05 01:07:59 | ネリヤカナヤの花・植物
梅雨時に咲く,デイゴの花も,そろそろ見納め。
奄美2年目にして気付いたことがある。
それは,木 全体が満開の花を一斉に楽しませてくれるソメイヨシノや梅などと違って,デイゴは,同じ木の中でも,パラパラと気ままに花を咲かせていくということ。

上の方から,下の方へと,順番に花開いていくデイゴの花。
これでもかとばかりの満開の花を期待していたが,どうりで,いつまでも願いが叶わないわけだ...

ひょっとすると,デイゴの木が花を炎の如く一斉に開かせる時があるのかもしれない。
でも,それは,言い伝えによると,台風襲来が甚だしい年。

台風常襲の奄美ならではの"デイゴ占い"。
それが正しければ,しかも,私の感性が正しければ,おそらく今年も台風襲来は少ないはず。
ただ,データ上は,台風の当たり年と外れ年が交互に訪れているようにも思われ,そして,昨年は外れ年(上陸・接近が少なかった)。

さぁて,何を信じれば良いのやら
【2006.6.3 奄美大島・奄美市 Canon EOS Kiss デジタルN with Canon EF70-200mm F2.8L IS USM】
にほんブログ村 写真ブログへより多くの人に奄美群島の魅力をもっともっと知って頂くため よろしければ こちらのクリックをお願いいたします!

露に濡れる花(その3)~ガジュツ(紫ウコン)

2006-06-04 20:13:48 | ネリヤカナヤの花・植物
おがみ山で,艶やかなガジュツ(紫ウコン)の花に出会った。
薄紫の部分は,苞で,花は,黄色の部分らしい。
ガジュツは,インド,ヒマラヤを原産地とする生姜科の多年草。
琉球経由で我が国へも渡来し,生薬として重宝されているそうだ。
肝臓・心臓にはウコンが,胃腸にはガジュツが効くらしい。

効能にも興味があるが,露に濡れた花の美しさも絶品。

【2006.6.3 奄美大島・奄美市 Canon EOS Kiss デジタルN with Canon EF-S60mm F2.8 マクロ USM】
にほんブログ村 写真ブログへより多くの人に奄美群島の魅力をもっともっと知って頂くため よろしければ こちらのクリックをお願いいたします!

梅雨の中休み~おがみ山にて

2006-06-03 23:36:29 | ネリヤカナヤの海・空
今日は,久々に胸の隅々まで爽やかになるような晴天。
奄美大島は,瀬戸内町古仁屋で6月2日午前11時までの24時間雨量が201mmに達するなど,土砂降りの後だけに空気中の塵も少なく,冴え渡った空。
太陽は,既に真夏らしさを感じさせ,Tシャツ越しに素肌をチリチリと焼き付ける。

奄美市名瀬中心部のおがみ山の遊歩道へも若葉の影がクッキリと投影されている。

おがみ山は,繁華街の近くにありながら,豊かな森で,(希少種こそあまりいないものの)アカショウビンをはじめ小鳥たちのさえずりを堪能できて,ヒカゲヘゴ等の南国情緒あふれる植物たちに満ちていて,しかも,アメリカ軍政下から日本への復帰(1953年12月25日)にまつわる歴史も学べる(復帰運動の拠点だったこともあって,石碑等が建っている),素晴らしい場所。
おがみ山は,古くより,伊津部ノロの神山として,島人の心の拠り所とされてきた山。
おがみ山は,「御神山」とも「拝山」とも言われるが,島口では,「うぐゎん山」というらしい(島尾敏雄・島尾ミホ・田畑英勝「奄美の伝説」角川書店(日本の伝説23)30頁より)。

因みに,「伊津部」は名瀬の中の集落で,おがみ山の麓近くにある。「ノロ」とは,村の神事を主宰する神女で,琉球王朝の宗教的官僚組織の末端を担っていた(たとえばこちらこちらを参照)。
ノロが琉球王朝から受けていた辞令等の資料が奄美市立奄美博物館(奄美文化センターのすぐ隣)で見られます。
なお,官僚である「ノロ」と似た存在に,「ユタ」という巫女がいます(今でもいらっしゃるようです)が,こちらは,土着的,習俗的存在のようです。

おがみ山は,ガイドブック等ではあまり取り上げられていない気がするが,名瀬で宿泊される機会があったら,自信をもって,早朝散歩をお薦めしたい。
おがみ山へは,こちらの地図の大島支庁のちょっと東側の「××商店」の「店」の文字の下を通っている遊歩道から行ける。
遊歩道は,ちょうど車1台分ぐらいが通れる広さで,整備されているので,遊歩道から外れない限りハブに遭うこともまずないと思う。
(この遊歩道は,あまりに整備されているので,2003年11月に天皇皇后両陛下が奄美大島日本復帰50周年記念式典の際,自動車で,おがみ山の山頂近くにある日本複帰記念碑まで行けるように整備されたのではないかと推測しているのですが,真偽のほどは定かではありません

観光関係の方には,是非,名瀬歴史散歩マップ等を整備して,おがみ山,高千穂神社,らんかん山,立神(の見える場所)等をぐるりと回れるマップを整備して頂きたいところ。
おそらく私が知らないだけで,名瀬中心部にももっと沢山の史跡等があるはずで,名瀬を訪れた人たちにも楽しんでもらえると思うのですが…


久々の青空に小鳥たちも心地よさそうにさえずっていた。
あまり粘らなかったので,ほとんど撮れなかった…
上の写真は,アマミシジュウカラ,かな?
おしりを向けてちょっと失礼!

下の写真は,おがみ山から臨んだ名瀬港と名瀬市街地。
木々が,たっぷりと水気を帯びて濃緑色です。


若葉は,やはり青空の下が一番映える。
鮮やかなグリーンシャワーを体中に浴びた。

土砂崩れで,瀬戸内町方面は道路も寸断されているようです。
皆様どうぞお気を付けください。

うーん,今日も色々と書いているうちに,更新時間が遅くなってしまいました
お読み頂いている皆さん,ごめんなさい
【2006.6.3 奄美大島・奄美市 Canon EOS Kiss デジタルN with Canon EF70-200mm F2.8L IS USM & Canon EOS Kiss デジタル with Canon EF-S10-22mm F3.5-4.5 USM】
にほんブログ村 写真ブログへより多くの人に奄美群島の魅力をもっともっと知って頂くため よろしければ こちらのクリックをお願いいたします!

金作原原生林へ!(その6)~キンギンソウ

2006-06-03 00:26:40 | ネリヤカナヤの花・植物
原生林の中の湿地には,キンギンソウ(ラン科。屋久島・種子島以南)も沢山咲いていた。
木漏れ日を体中で一生懸命に浴びようとしている。


花が,下の方から咲き始め,はじめは白色(銀色)だが,しばらくすると黄色(金色)に退色し,花序全体にこの2色が混ざっていることから,名付けられたのだそうだ。
黄金色の光を浴びていると金色に見えなくもないが,薄紅色や淡雪色の方が近い気もする。
いずれにしても,森の中で見付けた瞬間は,ホッと心が和む,そんな素朴な愛らしさを湛えた野草。


光線の当たり方が変わるだけで随分と雰囲気も変わる。

キンギンソウは,何故かしら,ノッポの花と少しだけおチビの花とがペアで仲良く並んで咲いていることが多いように思えた。
単なる偶然なのか,それとも,雄花と雌花の違い等があるのだろうか?
ちょっと不思議。

今日の奄美大島は,昼まではバケツの底が抜けたような雨だったけど,夕方になって,カラッと晴れて,日差しが容赦なく照りつけ始め,気のせいか蝉の鳴き声も聞こえた(幻聴?)。
この調子で明日も久々に晴れると良いのだが…

【2006.5.20 奄美大島・奄美市 Canon EOS Kiss デジタルN with Canon EF-S60mm F2.8 マクロ USM】
にほんブログ村 写真ブログへより多くの人に奄美群島の魅力をもっともっと知って頂くため よろしければ こちらのクリックをお願いいたします!