珠玉の音楽に囲まれて

オーディオのこと、音楽のこと、思いついたまま記していきます。
by 横浜のVienna Acousticsファン

音楽がらみの書籍から(下半期)

2012-12-29 11:19:06 | その他
仕事納めは、1年で最もホッとする日でもありますね。暦の関係で仕事初めが7日です。長い冬休みに、皆さんもあれこれ音楽を聴く計画を持たれていることでしょう。この下半期に購入した音楽関係の書籍を紹介します。

本でもネットでもそうですが、オーディオの音に関して「良し悪しでなく好みの問題」といった表現があります。最後はその人がどんな風に聴きたいかに依存するので、それはそれで理解するのですが、興味があるのはその前段です。録音→再生→知覚→好みの流れでいうと、最初の3つの部分です。音楽聴くだけなら理屈は不要でしょうが、いい音の裏側には、ベースとなる理屈があると思っています。

12月最初の記事でも触れましたが、『超広帯域オーディオの計測』を購入しました。超広帯とはCDの周波数帯域22050Hzを超えるという意味で、話題のハイレゾやDSD音源が相当します。書店でパラパラと捲ったところ、計測以外の内容も充実していることが判りました。デジタルΣ変調という言葉、雑誌等で目にしますが、中身は普通は知りませんね。知ったところで音が変わるわけではないですが、PCMだのDSDだの言葉が先行することに少々抵抗感があります。計測やジッタ、さらには聴覚にも章が割かれていて、まずはこの本に書いてあることは抑えておこうと思った次第です。


音が耳に到達してから知覚されるまでにも、物理現象があって、万人に共通するメカニズムがあります。実際、心理物理学という、外界の刺激(光とか空気の振動など)に対する人の反応を定量的に調べる学問があります。例えばステレオ再生は、人間の空間知覚の特性を逆手にとっているのですが、音の大きさや位相の差が、どのように空間知覚に影響しているか、案外知っていないことに気づきます。少々値が張りましたがムーアさんの「聴覚心理学概論」は読み応えがあります。直接音と間接音の時間差は、クリック音のような非音楽だと敏感ですが、音楽だとそこまで気にしなくていいそうです(常識的な広さの部屋では)。


ここからは理屈じゃない方面です。以前からオーディオ評論家って不思議な存在です。収入、日常のサイクル等、よくわからないですね。オーディオは衰退していますし、ネット上には多様な情報が溢れていて評論活動もしにくい、と想像します。買わせるための評論と揶揄されることもあります。私が評論に期待するのはオーディオの楽しさを伝えていただくこと、に尽きます。伝え方には個性や経験、見識、文才が問われるので結局誰しもができるわけではありません。オーディオでPOPSやROCKを聴くこと、狭い部屋でもオーディオを楽しめること、の後押をもらったという点で、傅さんや和田さんは応援しています。


最後は番外編です。昨日、野球の松井選手の引退がニュースになっていましたが、私にとってインパクトが大きかったのが中山選手の引退です。アメリカW杯最終予選のイラン戦のゴールが忘れられません。0-2の劣勢、それも終了間際の1点でした。結果的にこの試合は負けたのですが、ゴール後にボールを抱えてセンターサークルに走る姿に、代表選手はもちろんファンも感ずるところ大だったと思います。イラン戦であっさり負けていたらドーハの悲劇すらなかったのではないか・・・その後の日本サッカー界の隆盛へのターニングポイントだったと、今振り返って感じます。


奇しくもこの12月に引退となったゴンにゴジラ、20年の活躍の裏にはケガとの闘いがあったことは共通しています。お疲れ様&有難う。うーん、理屈から180度かけ離れた話になってしまいました。
コメント (4)
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