決行

金曜日、やっと根回しができて週末実家に帰ることにした。

もう…疲れたからちょっとゆっくりさせて～～～って。

しかし、問題がひとつ。

私の誕生日が土曜日だった。

自分の誕生日を今さら自分で祝うのも面倒くさい。

何より私が今一番欲しいのは、休みなのだから…と色々言い訳を
考えるのだが、どうも彼に悪いような気がして…。

もし、彼が自分の誕生日に一人実家に帰って両親とお祝いしていたら
やっぱり私としてはおもしろくない…って思うから。

が、もうひとつ問題が。

彼は私の誕生日を覚えていない可能性が高い。

去年は夕飯の段で、

「ビール買ってきて。」って頼んだ時点で

「第３種でいいじゃん…。」って言われて

「誕生日くらいビールがいい。」って言って初めて誕生日だと気付かれた。

その後何度も

「ゴメンっ」て誤られたけど、それも違うでしょって感じ。

だから、今年も忘れている可能性大とふんでいた。

忘れていたら、単なる週末ってことで実家に帰ってもなんら問題なしと。


が、寝る前に娘がしゃべちゃった。

ショック…。

「それじゃ、帰れないじゃん！」と娘にヤツあり気味に寝た。


でも、朝起きたら彼はすっかり忘れているようで何も言ってこない。

だったらとご飯だけ用意して、さっさと実家に帰ってやった。

思うほど、ゆっくりはできなかったが、でも娘とキャッチボールができた。

日頃家にいると、あれやらなきゃ、これやらなきゃで気忙しく、気が付くと
疲れ切って外で遊んであげるほどの気力・体力がない。

だから、ほんの３０分程度の遊びでも娘はたいそう喜んでくれた。


そうそう、娘からはお手紙と缶ビール、ボールペンのプレゼントをもらった。

お手紙には『おめでとう』と『だーいすき』って書いてあった。

缶ビールは去年の彼とのやり取りを覚えていたのか、奮発して500ml缶を買ってくれた。

それでけでも充分だったのに、3色ボールペンも買ってくれた。

私がしょっちゅう、娘の音読カードや町内の用事でボールペンを探しているのを
見ていたのだろう。

そういう心遣いがさすが…って思った。


実家の母からはお赤飯を作っていただき、家事一切を免除した週末を過ごさせて
もらった。


ありがたや、ありがたや…。


が、そんな周囲への感謝の心とそれを糧に頑張っていこうって言う前向きな心も
家に帰った途端、彼の1日バナナ1房、牛乳１L生活と食べたものを片付けないって
現実に引き戻されまたイライラで一杯になった。


ただ…突然今朝、台所で彼が

「誕生日に何をあげたらいいのかわからないんだぁ…。」とつぶやいた。

まったく忘れていたと思っていたのでちょっとびっくり。

でも、

「そういうことじゃなくて、まずは『おめでとう』って言ってよ。」と返答。

するとしばらく経ってから

「遅くなったけど、誕生日おめでとう。」って言われた。


たぶん、これでお終いだろう。

まっ、そんなもんだな…。