乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

『東北』(とうぼく)

2008-12-26 | 能楽・狂言

       

       

       

       

       

       

       

       

       

       

       

 『東北』(とうぼく)

        後シテ

        前シテ  金春 欣三

 

              ワキツレ 是川 正彦

            ワキ  福王 和幸

              ワキツレ 山本 順三

        間                丸石 やすし

 

 

 2008年おん祭後宴能を楽しませていただいた。

 とても美しい。

 気品に満ちた美しい幽玄なお姿と動きは、私の心をとらえ 堪能させていただいた。

 能が、こんなに美しいものと感じるようになったのは、ごく最近のことである。

 

 こんなに優美なお姿を、私のようなものが写真に写すのはおこがましいと感じた。

 写真はほとんど撮らなかった。

 私は、まばゆいばかりのお姿を見つめた。

 そして、謡などを聴いていた。

 

『東北』が終わって、ため息が出た。

 私は、腰が抜けるような錯覚を覚えた。

 

 前シテでは、声がハスキーであった。

 ところが後シテでは まるで式部の亡霊が乗り移ったかのように、なめらかでつやのあるお声だった。

 私は、これは能楽なのかと、初心者なりに感じていた。

 

 名ノリ(?)はカッコウが良い。

 どの曲を聴いても、好き。

 

 写真は一応載せさせていただいた。

 本当は、この何百倍何千倍も美しかった。

 私がなかなかおん祭後宴能2008の記録を書けずにいた理由は、『東北』があまりにも美しすぎたから。

 今も思い出すと、身震いする。

 それほどまでに美しかった。

 

 

    『東北』

 三番目・鬘(かずら)物。

 五流現行曲。

 春の闇(やみ)に漂う梅の香と、恋愛歌人として名高い和泉(いずみ)式部の王朝の艶(えん)を重複。

 抽象化された幽玄能の原点ともされる曲目とのこと。

 東国の僧(ワキ、ワキツレ)が都に着き、所の者(間(あい)狂言)に東北院の門前の梅を和泉式部という名と聞いて眺めている。

 里の女(前シテ)が呼びかけて、和泉式部の愛した軒端の梅であると教える。

 また、梅の主(あるじ)は自分と告げて消える。

 

 僧の読経のうちに、式部の亡霊(後(のち)シテ)が現れる。

 和歌の徳と仏法をたたえ、都の春をめで、美しく舞う。

 シテの性格を和泉式部の霊とする脚本。加えて、梅の精のイメージを強く演出する流儀とのこと。

 

 

 最後になりましたが、このような美しい能を楽しませていただきまして、ありがとうございました。

 心より感謝申し上げます。

コメント (13)
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