乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

京都弁で話す 『さるかに合戦』

2008年12月06日 | 民俗考・伝承・講演

 

 京都弁擬き(もどき)で話す 

 

                   『さるかに合戦』

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 すんませぇん、おじゃましますぅ~

 

 むかぁし、むかし

 あるとこに、猿はんがいはったんやてぇ。

 あるひぃ(日) 猿はん 

 天気がええさかいに、歩いて行かはった。

 途中にな、 山道で猿は柿の種を拾わはったんぇ。

 もうすこぅし行かはったんやて。

 ほんなら 川のそばでな、蟹はんがおむすびを拾わはったんぇ。

 蟹はんは、

 「こなぃええもんを拾うてしもうた・・・。」  

と言わはりながら、猿さんに見せはってん。

 猿さんは、

 「うちも こない ええもん、もっとりますんぇ。」  

と、負けたはらしまへん。

 猿はんは 得意にならはって、柿の種を見せはりましたんや。

 そやけど、ほんまは猿はん、おむすびが欲しかったんや。

 蟹はんに向こうて、

 「すんまへ~ぇん。うちの柿の種と取りかえておくれやす。」  

と 手あわせて、たのまはりましたんや。

 

 蟹はんな、

 「あきまへんて。おむすびの方が 大きおすえ。かえたら、そんどす。」

と いわはってん。 

 そうしたら 猿はんかて、負けたらしまへなんだそうや。

 「柿の種は、まいたら 芽が出てくるんぇ。ようけい 実もなりますさかい。よろしおすえ。なぁて、いけずせんと、かえとくれやすな。」  

 蟹はん、それ 聞いて、

「そうどすなぁ。ほな、しゃぁないし、かえっこ しまひょか。」  

いうて、おむすびと柿の種をかえっこしはりましてん。

 猿はんな、蟹はんの前でどすえ。

 おいしそうに、おにぎりをたべはったんどす。

 えげつないでっしゃろ。

 いけすかんなぁ おもいますやろ。

 うちもどすんや。

 

 蟹はんどすか?

 泣きそうな顔 したはりましたんやて。

 そやけど、気ぃ なおさはって、家 かえらはったんどす。

 蟹はん 家に帰ってなぁ、柿の種をうえはったんやて。

 えらおすなぁ。

 うちら、頭 あがらしまへん。

 

「はよぅ、おおきぃ おなりやす。はよぅ、おおきぃ おなりやす。」

言うては、水をやらはったんやて。

 ほな、柿はどんどんどんどん大きいならはって、おいしそうな実がなったんやそうや。

 ふしぎどすなぁ。

 神さん、みたはるんでっしゃろなぁ。

 

 そやけど、蟹はんは木に登れへんのどす。

 蟹はん、こまらはりましてん。

 

 ちょうど ええとこに 猿はんがきはって、蟹はん実をとったげる いわはるんどすわ。

「おおきに。たしかります。とっとうくれやす。」

て、いわはったんやて。

 蟹はんは よろしゅう たのまはりましたんや。

 

 そやのに 猿はん

 木に登って赤そうな実、自分ばっかり食べたはるんどす。

 ずるいんやんなぁ。

 

 しびれきらさはった蟹はんは、

「うちにも一つ、おくれやす。」

 すると、猿はん 

 蟹はんめがけて 青い柿のみぃ(実)を、力一杯に投げはりましたんや。

 ほんで 大けがどすわ。

 そりゃ、かわいそうどしたぇ。

 うちら みてられ しまへん。

 

 噂を聞いた蜂はんやら臼はんやら ええとこおますぇ。

 猿はんに お灸すえはりましたんや。

 そぅやけど・・・

 後は、うちの口からは いえまへんなぁ。

 なんや、えらい 騒ぎやったちゅう 話どすえ。

 

 なんや 聞いた話では 

 猿はん、亡くなってしまわはったちゅう はなしどすわ。

 そやけど うちから聞いたて、いわんといておくれやっしゃ。

 これどっしゃかい(手を合わせて、拝む)

 たのみますぇ。

 

              おやかまっさんどした

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 (注意・京都弁といっても土地や職業によって随分言葉が違います。私は京都市内の山鉾町で生まれ育ちましたが、西陣の方や伝統工芸の職人さんなどは、もっと京都らしい言葉をお話しされていますことを、付け加えておきます。)

(注意・おやかまっさんどしたは昔話の結びの言葉ではありません。私自身がこどものころ使っていた話し言葉です。家におじゃまして 帰る時に、友達のお母さんに当てたご挨拶です。『ありがとうございました。(おじゃまして やかましくいたしました。ありがとう)』くらいの感覚で使っていました。歌舞伎などでは『おやかましゅうございました。』という台詞で話されます。)

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『おひとりさまの老後』  上野千鶴子 著

2008年12月06日 | 読書全般(古典など以外の一般書)

 (写真はイスタンブールで見かけた、魅力的な女性。長い時間、クロッキーを描いていた。  2008/10)

 

記録だけ  

 

2008年度 135冊目  

 

 『おひとりさまの老後

       

 上野 千鶴子 著

 法研

 平成19年7月12日第1版

 平成19年10月15日第18版

 263ページ 1400円+税

      images

 夜中、『おひとりさまの老後』を読む。

 読み物としても、結構 面白かった。

 この人は女性学が専門らしいが、確か女性社会学の立場から ひもといている人じゃなかったのかな?

 この人も、アサーティブネス・トレーニングについて、『介護を受ける』項目で記されていたよ。

 女性学専門だもの、当たり前だね。

 

 上野千鶴子さんって私より10年以上は年上なんだけど、読んでいると10年よりももっと 年齢が上に感じる人だな^^(笑み)

 非常に知性的で前向きだけど、本当は繊細な神経の持ち主のような気がする。

 表向きには突っ張っておられる表現をとられているが、結構かわいい性格なんだろうな^^

 

 上野千鶴子さんみたいな有名な先生でも 本の表紙の名前部分に 東京大学大学院教授って説明書きがあるんだ。

 表紙に書いてあるとね、読み進めていく内に、

『著者はどんな人だろう・・・。』

って イメージを膨らませてから、最後に著者略歴を見て納得するゲームができないんだよ。

 本は売れ行きは 倍増するのだろうけどね(笑み)

 

 難しいことは省いちゃうね。

 読んでいて思ったことなんだけど、女性っていろいろな生き方があるもんだなって、再び思い知らされたよ。

 まぁ、いいや。我が道を歩もう・・・。

 

 

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