乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

橿原考古学博物館  2009年度 秋季特別展「銅鐸 -弥生時代の青銅器生産- 」  奈良

2009-11-14 | 美術・文様・展示物
   (写真はイランのヤズドにある沈黙の塔(一回目))





     橿原考古学博物館  

         2009年度 秋季特別展「銅鐸 -弥生時代の青銅器生産- 」




 関西文化の日を利用して、橿原考古学博物館を楽しむ。

 昼前に館内に入ると 『銅鐸 』の特別展が開催されていた。



『銅鐸 』

 なじみが無いので説明をじっくり読みながらすすむ。

 儀式や祭事に使われたことは知ってはいたが、聴くための小さな銅鐸と,見るための大きながあるとのこと。

 作り方や実際に現在ボランティアの方々によってつくられた銅鐸などが展示されている。


『銅鐸 』についてわたくしが興味を覚えたのは三点。

    1、絵柄

    2、文様

    3、銅鐸4種類分類法(正式名を知らない)


1、絵柄

 流水文銅鐸によく見られる 動物 人間など

   * 鹿や亀、猿や蜻蛉

   * 鹿を捕まえる人物

   * 脱穀をする人物

 これらは銅鐸の前後で物語性を持つ。

 上の*を見ると,五穀豊穣祈願がこの絵の中に含まれていることがわかる。


 ここで興味深いのは 蜻蛉と鹿を捕まえる人物

 蜻蛉文様においては時代を下って奈良時代ではあるが,正倉院展の宝物の中にも蜻蛉の絵柄が複数回 認められた。

 蜻蛉の模様に心を止めていたが,弥生時代に既に蜻蛉の絵柄が描かれていたのはどういう訳か・・・。

 思えば不思議な気がするが,蜻蛉においては今後気をつけておこう。


 鹿を捕まえる人物。

 鹿は神に仕える生き物という。

 ではなぜ鹿を捕まえる人物なのかという疑問が生じる。

 この疑問を解決すべく説明が,常設展の説明にあった。


 鹿

 弥生時代には高床建物のまわるには鹿が群れていた。

 鹿は神とつながる生き物でありながら,弓でいられ,神に捧げられることが必要とされていた。

 また、弥生人は再生する鹿の角に霊力を感じていたという。



2、文様

  流水文

  渦巻文様

  袈裟襷文様

  横帯文様

 上などの文様が多く見られる。



3、銅鐸4種類分類法(古い順)

  『菱環紐式』

  『外縁付紐式』

  『扁平紐式』

  『突線紐式』

 これらがわからず、説明員の方に教えていただいた。

 説明員の方は『菱環紐式』『外縁付紐式』『扁平紐式』『突線紐式』についての見方と区別の仕方を代表的展示物の前まで行って詳しく説明して下さいました。

 教えていただいた後すぐにノートをとり、なんとかわかった気分。

 2009年度 秋季特別展「 銅鐸 -弥生時代の青銅器生産- 」の二室で一時間半から二時間を楽しむことができました。



 銅鐸 を見学した後は,常設展に向う。

 橿原考古学博物館の常設展については後日記録したいと思います。





 最後までおつきあい下さいました皆様,ありがとうございました。

 心より感謝申し上げます。

 また博物館の中でご親切にして下さいました関係者の皆様,ありがとうございました。

 この場を借りまして,御礼申し上げます。

 皆様,ありがとうございました。



                  乱鳥合掌



 【橿原考古学博物館の公式HPによる 

     2009年度 秋季特別展「銅鐸 -弥生時代の青銅器生産- 」のご案内内容 ▼】



 弥生時代を象徴する青銅器である銅鐸は表面に鋳出された絵画などから農耕祭祀に関わる道具と考えられています。それと同時にその立体的で、優美な姿は弥生時代の青銅器鋳造技術の結晶です。奈良県内では、銅鐸が破片も含め28点、鋳型は田原本町唐古・鍵遺跡から発見されています。
 今回の特別展では、銅鐸の鋳型や青銅器生産に関連する資料から弥生時代の青銅器生産に迫ります。また、銅鐸に残された製作痕跡から製作技術について紹介します。

会   期: 2009年10月3日(土)~11月23日(月・祝)

開館時間: 午前9時~午後5時(ただし、入館は午後4時30分まで)

休 館 日:毎週月曜日  10月13日(火)  *会期中の祝日は開館

入 館 料:大人 800円(500円)、高校・大学生 450円(350円)、
       小・中学生 300円(250円)、()は20名以上の団体料金

主  催:奈良県立橿原考古学研究所附属博物館
     文化庁
  


コメント (6)
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第61回 正倉院展   天皇ご即位20周年  奈良国立博物館  2009、11、12

2009-11-14 | 美術・文様・展示物


 (写真は正倉院展の看板を見る奈良の鹿。正倉院展内の出陳宝物の前の観客とようすが似ているか・・・。)



 


                第61回 正倉院展



 2009年11月12日

 天皇ご即位20周年ということで、第61回 正倉院展は無料で観覧できる。

 わたくしは一人で早朝の内に博物館に向う。

 待つこと半時間。列が動き始め、9時5分に入館。思ったより早い。


 いつもは満員でなかなか展示物を見られないが、開館間もなくでは,人垣の隙間を狙うと結構じっくりとと見ることができる。

 今回は平常点は飛ばし、正倉院展だけに絞ったが、ノートをとり説明を確かめオペラグラスで楽しんでいると、ゆうに4時間はかかってしまった。

 途中休憩も含めて5時間近い。

 見終わった頃には極度の緊張と疲労感。

 休憩もかねて正倉院ボランティアガイドの方のお話(講義)30分を聴いて会場を出た時には2時半。

 あらかじめ預けておいたコインロッカーから本やカメラなどの重い荷物を受け取り、奈良公園で鹿が襲ってこないかを気にかけながら 遅い手作り弁当を一人で食べる。



 今年は初出陳12点。

 出陳宝物一覧表に丁寧に【初】の文字を書き込む。

 天皇陛下御即位二十年を記念し、入館無料ばかりか、正倉院宝物を代表する数多くの優品が展示室に揃え 展示されていた古都は喜ばしい。


 平螺鈿背円鏡(へいらでんはいのえんきょう)、紫檀木画槽琵琶(したんもくがそうのびわ)、金銀花盤(きんぎんのかばん)緑牙撥鏤把鞘御刀子(りょくげばちるつかさやのおんとうす)などの美しい展示物も多く,その場を離れられない。

 光明皇后のお書きになった楽毅論。これは、皇后御自身の筆跡とのこと。王羲之の書を見て書かれたというから,少しばかりではあるが書道を楽しんだわたくしにとっては、興味が湧く。


 手元を見ずにメモをした真っ黒なノートと出陳宝物一覧表は、わたしの宝。

 今回ばかりは正倉院展が身近に感じられたことは喜ばしい。

 
 中国の影響やペルシャ(イラン)の影響などを受けた出陳宝物は心地が良い。

 加えて,今回は自分なりに 文様と色付け(模様付け)と芸能と儀式に焦点を絞り,それら4点についてははじっくりと観察した。


 唐草文様や植物文様や矢羽根文様。虫や花や鳥や風景や動物や聖獣。続けて『飛鳥』という文様が何度か出てきたが、『飛鳥』とは一体どのような文様なのだろうか・・・。

 学芸員の方に尋ねたかったが,生憎どこにいらっしゃるのかは ボランティアの方は連絡は取れずわからない。

 蝶が多いのはわかるが、蜻蛉に似た虫が度々出てくるのは何か理由があるのだろうか?


 伎楽の面の部屋では楽しくて部屋をなかなか出られなかった。

 呉女の面が3点。悪魔や力士や馬などの面・・・。

 面はガラスケースに入っているものの、下はガラスなどで工夫され6面から眺めることができる。

 呉女が展示の衣(ベスト、スカートのような衣服)などを身につけ、悪魔や力士殿話の展開を想像し楽しんでいた。

 伎楽の下着には東大寺の文字。

 矢羽根模様の入った腰紐・・・。

 まるで音楽が聞こえてきそうだった。


 儀式に関する出陳宝物に関しては民俗学的に考えて、色々と収穫があった。

 鋤や箒や他の多くの出陳宝物。

『子日目利箒』は正月3日、養蚕の事始めで,この箒を用いて解雇の部屋を儀式としてはくと豊穣につながるという。

 これは中国から来た慣しという。

 今は美智子様がこのふるい習わしを後に残したいと,今もなされているという。

 今回は天皇即位20周年ということもあり,そのご様子を写真パネルとしてご展示いただいていた。

 蚕(繭)から始まり絹織物なども展示されていた。


 蚕は古代繭。

 名前は小太郎繭。普通の形ではなく,2個実が入ったピーナツ皮の形。

 不思議だ。


 展覧会場の説明には無かったが、繭は女の一生になぞらえられる。

 繭の一生が出産をする女性の一生に例えられるからだそうだ。(宮田登先生 他 多くの民俗学者説)

 よって子孫繁栄,五穀豊穣。

 今回の正倉院展で記されていた【『子日目利箒』は正月3日、養蚕の事始めで,この箒を用いて解雇の部屋を儀式としてはくと豊穣につながる云々】も、納得がいく。


 職業や 山など絵地図も含めた荘園や 顔の特徴まで表した戸籍などの古文書。

 正倉院展は文字通り 宝の宝庫。

 
 ゆっくりと楽しんだ2009年度の正倉院展。

 次は何の展覧会に行こうかとそわそわする。近日中に美術館や博物棺にすぐにでも行きたくなる楽しい正倉院展であった。




                  奈良国立博物館  2009、11、12 

                                                    




 最後までおつきあい下さいました皆様,ありがとうございました。

 心より御礼も申し上げます。

  
                 乱鳥

コメント (6)
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