乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

映画『千羽鶴』 原作 川端康成 監督 吉村公三郎 木暮実千代 乙羽信子 杉村春子 清水将夫

2009-11-18 | 映画


    映画『千羽鶴』





 1953 日本 大映


 ★★★★★ ★★★★★


原作 川端康成 

監督 吉村公三郎 

脚本 新藤兼人 

キャスト

木暮実千代(太田夫人)

乙羽信子 (太田文子)

木村三津子(稲村ゆき子)

杉村春子(栗本ちか子)

清水将夫(三谷浩造)

森雅之 (三谷菊治)



 わたしは川端康成が好き。

 川端康成を読むとわかるが、多くの作品は気取りが無い繊細な愛の表現が描かれ、立原正秋に通じる。

『千羽鶴』もまさにそのような作品。


 千羽鶴を折るような細やかな心遣いで映画は始まり映画は終わる。


 稲村ゆき子の持つ千羽鶴の風呂敷は、色々な人日炉の色々な人生のドラマの展開を経て、太田文子の手にもたれる事となる。


 太田夫人、太田文子、稲村ゆき子、栗本ちか子、(亡き三谷菊治)各自が純粋に生きながら愛の十字架を背負わされる。

 悲しい切ない人生を、息子の三谷浩造は時には感情移入しながら、時間の流れのように自然で客観的に彼女たちを見つめる。


 木暮実千代とわたくしの好きな乙羽信子の親子の美しさを杉村春子が逆からぴりりと攻める。

 美しい息子役の清水将夫(?)

 茶室や日本家屋の控えめな優美も手伝って、映画は一層日本色を深める。


 何しろ原作が川端康成の『千羽鶴』と言うことだけでも満足です。

 独断を持って★は10個つけたいと思います。


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139; 『仮面の道』 C,レヴィ=ストロース 著 山口昌男・渡辺守章 訳 創造の小径

2009-11-18 | 読書全般(古典など以外の一般書)
  

   

   



(写真は京都の祇園祭で見た 綾傘鉾の面)




記録だけ  


2009年度 139冊目  



  『仮面の道』 

 

 C,レヴィ=ストロース 著

 山口 昌男
        訳
 渡辺 守章

 新潮社

 創造の小径

 1977年8月10日 発行 

 P.236 6500円(+税)



 先日2009年正倉院展で伎楽の面をいくつか見た。

 呉女や鬼や力士や馬の面は正倉院展の中でもとりわけわたしの心にしみ込んだ。

 11月12日のことである。


 度々わたくしが伺わせていただくブログに紹介されていたこともあって、『仮面の道』のことを知人に問うてみる。

 C,レヴィ=ストロース著は文体がややこしく(といっても翻訳)読みにくいかも知れないと教えていただいた。

 
 早速手にした『仮面の道』を開けると、なんと美しい。

 まずは全体の写真を何度も見て楽しむ。

 おいしいお食事を目で見て、香りを会で楽しむ風かも知れない。

 単純なわたしである@^^@


『仮面の道』はわたしが思っていた内容とは違い、北西部アメリカ先住民族の仮面の話が書かれている。

 これには、

【この地域から収集された収集品が民族博物館を出て、美術館の、古代エジプトもしくは古代ペルシャと中世ヨーロッパ部門の間に陳列される日が、遠からずやってくるに違いない。】

と、まずは芸術的視点からとらえるところが心地が良い。
 
 美しいと認めた上でC,レヴィ=ストロースは伝承や呪術的要素や伝承文芸や祭事や自然に密着した仮面を紐解いてゆく。


『仮面の道』は三日間ほどで読了。

 知人は言う。
「もう読めたのですか?」
「読めましたとも。読めたのとわかったのとは違いますから・・・。」

 
 最近読書欲が薄く、8、9月頃から130冊台で低迷しているわたし。

 楽しく読了致しました@^^@


 大阪民族博物館には色々な国の色々な面が展示されている。

   大阪民族博物館/ジャワの面記録

   大阪民族博物館記録
   

   
   
 わたしはそれらの面に魅力を感じて多くの写真を撮ったが、著者C,レヴィ=ストロースは大阪民族博物館ができた当時にこの博物館で公演されたという。

 訳をなさった山口昌男氏もこの博物館に携わっておられたと言うのだから、この博物館が充実しているのも納得するところである。

   

 今回も記録のみにて失礼申し上げます。
 




コメント (2)
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