先日、アートフォーラムで「大統領の料理人」を観てきました。
パリのエリゼ宮で大統領の日々の食事を任された女性の料理人の物語。
実在するミッテラン元大統領専属料理人 ダニエル・デルブシュの体験がもとになったストーリーです。
出てくる料理は昔ながらの古典フランス料理。私が学校で学んだ古き良きフランス料理が・・・・うっ、うまそうぅ・・・・・
いまどきの泡々・煙々・原型がわからないモダンフレンチではなく、間違いのない組み合わせ、素材の持ち味を大切にしたシンプルフレンチが沢山出てきます。
料理好きの大統領がE・二ニョン(1865~1934)の書いた料理書の一端を空で語るシーンがあります。
現代の料理書は食材と分量・作り方・写真がワンセット。出来上がりもどんなものかわかる。
古典の料理書はとても詩的なんです。大統領が語りはじめるE・ニニョンの名著「フランス料理讃歌」の一端は、「ルーアン(オートノルマンディー地方)の仔鴨のスュルプリーズ仕立て」のレシピの出だしです。
「ピエール・コルネイユ(当時のフランスの古典劇作家)の故郷から、良く肥えた仔鴨を取り寄せる・・・・」
んー、なんと詩的なんでしょう。”フランス料理って芸術何だな―”と思わせる一節なのでした。
この「フランス料理讃歌」をたまたま持ってました。フランス修業時代にパリの料理書専門店で買いました。
当時の同僚が調理師学校時代に「E・二ニョンレシピ再現杯」でグランプリを獲った輩でその話を聞かされ、悔しくて買わずにいられなくなり、
ボルドーからTGVでそのためだけに日帰りで買いに行ったのを覚えています。
昔のレシピにはイラストはありますが、写真などないので出来上がりをワクワウしながら想像したものでした・・・。
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