りおちんの縁側

ひなたぼっこしながら、お茶を飲むのが好きなりおちんの、お気楽日記帳でっす♪

切ないね

2006年07月05日 | 4-LEAF CLOVER DIARY
私は、サッカーは好きではない。
「大部分のサポーター」が好きではないから、サッカーに興味を持てないと言った方が正確かもしれない。
「長い髪をなびかせて走る一部分の選手」が暑苦しくて、チャラついて見えて、素晴らしいプレイがそうとは映らず、魅力を感じられなかったからとも言えるかもしれない。

けれど、中田英寿さんはとても好きだった。
彼の事をよく知っているとは、とても言えないけれど、インタビューの受け答えを見ていると、サッカーの事を誰よりも真剣に考えているとてもピュアな人という印象を受けていた。
正確で美しいプレイも、きっと人一倍の努力の成果だろうけれど、そんな素振りを微塵も見せないプロフェッショナルに惹かれていた。
その点、イチローさんと通じる所があるかもしれない。


その彼が引退。
驚いた。
彼のhpを読むと、とても切なくなった。

彼は、誰よりも熱くサッカーを愛した。
それ故に、厳しい事も言わざるを得ない時もあったのだろう。
周りにはその言葉の真意を理解して、プラスに変えて行ける人間だけではなかったろう。
反発、ねたみ、心ない中傷。
それらと闘いながら、よりよいサッカーを目指して、彼は走っていたのだと思う。
そして、いつしか大事なものを傷つけないように、多くを語らなくなっていったのではないだろうか。
いつか彼は言っていた。
「マスコミは、僕の言った事と違う事を報道する。だから話さない」
なんとも不器用だけれど、なんとも真っ直ぐな。
だから私は、彼がこんなにも好きなのかもしれない。
6月22日の最後に見せた彼が、本当の彼の姿なのだろう。



「サッカーは世界で最大のスポーツ。
それだけに、多くのファンがいて、また多くのジャーナリストがいる。
選手は多くの期待や注目を集め、そして勝利の為の責任を負う。
時には、自分には何でも出来ると錯覚するほどの賞賛を浴び
時には、自分の存在価値を全て否定させられるような批判に苛まれる。

プロになって以来、「サッカー、好きですか?」と問われても
「好きだよ」とは素直に言えない自分がいた。
責任を負って戦うことの尊さに、大きな感動を覚えながらも
子供のころに持っていたボールに対する瑞々しい感情は失われていった。」




こう彼は自身の言葉で語っている。
これを読んだ時、切なくて切なくて仕方なかった。
大好きなサッカーをしているのに、素直に好きと言えなくなってしまう状況。
一体どれだけ苦しかったのだろう。辛かったのだろう。
けれどこの引退は、それらからの逃げではなく、自分のやれる事は全てやり尽くしたと彼が感じたからだと、私は思っている。

引退しても、監督やトレーナーとして、きっと彼はプロの世界に帰ってくるだろうという声もある。
けれど、私は思う。
彼はプロの世界には帰ってこない。
また、そう願っている。

お金も責任も関係ない、純粋にボールを追いかける事だけを楽しめる所で、大好きなサッカーをしてほしい。
あの優しい笑顔で。


彼がこれから挑戦する次なる事を、変わらず応援していきたいと思う。

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