私が正社員になってしばらくすると、上司は何かと感情的な態度で私に当たるようになってきた。新事業のことで、神経質になっていたことも事実だろう。しかしあまりのもの言いに、こちらが唖然とするような事態も出てきたのだ。
ある日、私や同僚、そして上司と仕事のことについて話していた。その時私が話しの流れの中で「ここのところを、もう少し新しくできればいいかもしれませんね~」と言ったその瞬間、上司は目をつり上げ「そんなふうに思っているから、何もできないのよっ!!だいたいそんなふうに言うこと自体が間違っているでしょっ!!」と大声で怒鳴ったのだ。そして大きなため息を吐き、足音も荒くその場から去って行ってしまった。私は突然の言われ方に、ただ呆然と立ちつくすだけだった。同僚も目を丸くして黙っているだけだった。
それまで話していた内容はとくに切迫したものでもなく、緊張したやりとりがあったわけでもなく、ごく普通にやりとりするようなものだった。その延長で私はごく普通に意見を言っただけだった。そんな無防備な状態の時、上司は突然隠し持っていた地雷を投げ込むのだ。あるいは無防備な背中を突然ナイフで刺されるようなものだった。
そんなことが度々起こるようになり、私はだんだん上司の顔色を見るようになった。ちょっとした話しをすることでも、報告をするにしても神経質になり、慎重に言葉を選ぶようになった。
ある時はこうだった。上司は親しい関係にある他会社の社長と電話で話していた。その電話で、上司は近々1週間の出張にでなければいけないことを話した。するとその社長は「でもそちらには、頼りになる部下の○○さんやウメさんがいるから、留守していても安心でしょう」と言ったようだった。上司は「そうですね」と笑っていたが、話しが終わり電話を切った瞬間「あの社長さんはね、私がいなくても優秀な○○さんやウメさんがいるから、会社はやっていけるって言ってたわっ!!そうよね、私がいなくたってやっていけるもんね!!私がいない方がいいかもねっ!!!」と吐き捨てるように怒鳴った。そしてしばらくヒステリックに「ああ、いやになっちゃう!」「こっちの苦労も知らないで!」とひとり言い続けたのだ。
名指しされた同僚や私はただ凍りついていた。この上司狂ってる…。単に相手の社長は、お世辞としてここの会社をほめ、上司をねぎらっただけじゃないか。それなのに、何で私達に八つ当たりしなければならないのか…。実はまともな話しができない人なのかもしれない…。ぞっとした。
この上司は社内では気まぐれに怒鳴ったり、ヒステリーを起こしたりしていたが、社外では非常に愛想が良く、八方美人だった。外見も一見年齢の割には、可愛らしい部分があった。なので、営業でもそれなりの成果を上げていた。また、上の人たちにも愛想良く自分の都合のいいように報告していたので、経営陣も上司を問題だとは思っていないようだった。しかし、この上司のもとで働く私達部下は、皆疲れていた。同僚同士ではお互いに、陰で上司への愚痴をこぼし何とかストレスを発散していたが、それでもやはり上司と日々のやりとりをすることには非常に神経質になり、疲れた。
また、この上司は説教あるいは演説が好きだった。小さな部署の会議では、この上司が長々と演説を始め、時間を超過しても話し続けた。内容は、上手に整理しまとめれば20分くらいで済むことなのに、それを1時間以上かけて得意げに演説する。まるで自分の言葉に酔っているようだった。私はいつ終わるのかと、よく時計を見たものだった。
ある時などは、夕方私が外出から帰ってくると、皆自分のデスクにうなだれて座り、しーんとしている。そして上司がひとり怒っていた。私は事情がわからず、静かに自分のデスクに向かい座った。上司は話し続けていた。「…皆、仕事をなんだと思ってるの?上司はどんな役割だと思っているの!?じゃあ、私はどうすればいいわけ?私って何!?」
私は愕然とした。この意味不明な発言はなんなのか?どんなことでこんな話しになったのかわからないが、これではただの八つ当たりではないか。私が会社に戻ったのは5時30分頃だった。その日は夫の帰りが遅くなるとわかっていたので、そのまま上司の説教というか八つ当たりを聞き、何が発端でこんな話しになったのかを知ろうとしたが、わからないまま2時間が過ぎた。他の同僚や後輩達はひたすら下を向き、固まって聞いている。私はバカバカしくなった。こんな実のない八つ当たりをいったいいつまで聞いていればいいのか。本人は自分に酔い、自分を煽っているだけだ。そして自分で引っ込みがつかなくなっているのだ。
私は、上司の話しの途中で口を挟んだ。「○○さん、仕事も今忙しいですし、ちょっとお疲れなのではないでしょうか」「…そうね。少し疲れているのかもしれないわ」「もう時間も遅いですし、またゆっくり考えませんか」「そうね。そうしましょう」
そしてやっとこの長ったらしい説教から私達は解放された。皆すっかり疲弊しきっていた。私は目に余る上司の態度に、ぞっとするものを感じた。狂ってる…。
このように、上司の意味不明な説教は、退社の時刻になっても終わらずに続くことが度々あった。当時モラ夫の夕食作りが遅くなることを極度に恐れていた私は、上司の話の途中でも、無理に言って帰宅させてもらった。それが上司の気に障ったことは言うまでもない。
私はモラ上司とモラ夫に挟まれ、心は悲鳴を上げていた。帰るも地獄、残るも地獄である。
そして上司は自分の思うように動かなかった私に対し、嫌がらせを繰り返すようになった。突然の怒り、意味不明のため息、他の同僚に私の悪口を言う、などである。
この頃の私は顔から生気が無くなっていた。1日1日を生きるのがやっと、という感じだった。家でも職場でも、どうしてこんな仕打ちを受けなければならないのだろう…。
絶望の日々だった…。
しかしモラの行動って、身内も他人もそっくり…
ある日、私や同僚、そして上司と仕事のことについて話していた。その時私が話しの流れの中で「ここのところを、もう少し新しくできればいいかもしれませんね~」と言ったその瞬間、上司は目をつり上げ「そんなふうに思っているから、何もできないのよっ!!だいたいそんなふうに言うこと自体が間違っているでしょっ!!」と大声で怒鳴ったのだ。そして大きなため息を吐き、足音も荒くその場から去って行ってしまった。私は突然の言われ方に、ただ呆然と立ちつくすだけだった。同僚も目を丸くして黙っているだけだった。
それまで話していた内容はとくに切迫したものでもなく、緊張したやりとりがあったわけでもなく、ごく普通にやりとりするようなものだった。その延長で私はごく普通に意見を言っただけだった。そんな無防備な状態の時、上司は突然隠し持っていた地雷を投げ込むのだ。あるいは無防備な背中を突然ナイフで刺されるようなものだった。
そんなことが度々起こるようになり、私はだんだん上司の顔色を見るようになった。ちょっとした話しをすることでも、報告をするにしても神経質になり、慎重に言葉を選ぶようになった。
ある時はこうだった。上司は親しい関係にある他会社の社長と電話で話していた。その電話で、上司は近々1週間の出張にでなければいけないことを話した。するとその社長は「でもそちらには、頼りになる部下の○○さんやウメさんがいるから、留守していても安心でしょう」と言ったようだった。上司は「そうですね」と笑っていたが、話しが終わり電話を切った瞬間「あの社長さんはね、私がいなくても優秀な○○さんやウメさんがいるから、会社はやっていけるって言ってたわっ!!そうよね、私がいなくたってやっていけるもんね!!私がいない方がいいかもねっ!!!」と吐き捨てるように怒鳴った。そしてしばらくヒステリックに「ああ、いやになっちゃう!」「こっちの苦労も知らないで!」とひとり言い続けたのだ。
名指しされた同僚や私はただ凍りついていた。この上司狂ってる…。単に相手の社長は、お世辞としてここの会社をほめ、上司をねぎらっただけじゃないか。それなのに、何で私達に八つ当たりしなければならないのか…。実はまともな話しができない人なのかもしれない…。ぞっとした。
この上司は社内では気まぐれに怒鳴ったり、ヒステリーを起こしたりしていたが、社外では非常に愛想が良く、八方美人だった。外見も一見年齢の割には、可愛らしい部分があった。なので、営業でもそれなりの成果を上げていた。また、上の人たちにも愛想良く自分の都合のいいように報告していたので、経営陣も上司を問題だとは思っていないようだった。しかし、この上司のもとで働く私達部下は、皆疲れていた。同僚同士ではお互いに、陰で上司への愚痴をこぼし何とかストレスを発散していたが、それでもやはり上司と日々のやりとりをすることには非常に神経質になり、疲れた。
また、この上司は説教あるいは演説が好きだった。小さな部署の会議では、この上司が長々と演説を始め、時間を超過しても話し続けた。内容は、上手に整理しまとめれば20分くらいで済むことなのに、それを1時間以上かけて得意げに演説する。まるで自分の言葉に酔っているようだった。私はいつ終わるのかと、よく時計を見たものだった。
ある時などは、夕方私が外出から帰ってくると、皆自分のデスクにうなだれて座り、しーんとしている。そして上司がひとり怒っていた。私は事情がわからず、静かに自分のデスクに向かい座った。上司は話し続けていた。「…皆、仕事をなんだと思ってるの?上司はどんな役割だと思っているの!?じゃあ、私はどうすればいいわけ?私って何!?」
私は愕然とした。この意味不明な発言はなんなのか?どんなことでこんな話しになったのかわからないが、これではただの八つ当たりではないか。私が会社に戻ったのは5時30分頃だった。その日は夫の帰りが遅くなるとわかっていたので、そのまま上司の説教というか八つ当たりを聞き、何が発端でこんな話しになったのかを知ろうとしたが、わからないまま2時間が過ぎた。他の同僚や後輩達はひたすら下を向き、固まって聞いている。私はバカバカしくなった。こんな実のない八つ当たりをいったいいつまで聞いていればいいのか。本人は自分に酔い、自分を煽っているだけだ。そして自分で引っ込みがつかなくなっているのだ。
私は、上司の話しの途中で口を挟んだ。「○○さん、仕事も今忙しいですし、ちょっとお疲れなのではないでしょうか」「…そうね。少し疲れているのかもしれないわ」「もう時間も遅いですし、またゆっくり考えませんか」「そうね。そうしましょう」
そしてやっとこの長ったらしい説教から私達は解放された。皆すっかり疲弊しきっていた。私は目に余る上司の態度に、ぞっとするものを感じた。狂ってる…。
このように、上司の意味不明な説教は、退社の時刻になっても終わらずに続くことが度々あった。当時モラ夫の夕食作りが遅くなることを極度に恐れていた私は、上司の話の途中でも、無理に言って帰宅させてもらった。それが上司の気に障ったことは言うまでもない。
私はモラ上司とモラ夫に挟まれ、心は悲鳴を上げていた。帰るも地獄、残るも地獄である。
そして上司は自分の思うように動かなかった私に対し、嫌がらせを繰り返すようになった。突然の怒り、意味不明のため息、他の同僚に私の悪口を言う、などである。
この頃の私は顔から生気が無くなっていた。1日1日を生きるのがやっと、という感じだった。家でも職場でも、どうしてこんな仕打ちを受けなければならないのだろう…。
絶望の日々だった…。
しかしモラの行動って、身内も他人もそっくり…
会社の中の同僚ってだけでたとえ部下だとしても外へ出れば他人じゃないですか
それをどうして自分の持ち物のように
痛めつけたり、感情のゴミ箱のように扱えるか
不思議でたまりません
そういう人って他人と自分の距離が全く取れないんでしょうね
まったく迷惑な人達ですね。。。
夏以来、体調が思わしくなく、仕事もめちゃめちゃ忙しかったので、
ロムだけさせていただいていましたが、
今回の話のあまりのすさまじさに、思わず出てきてしまいました。
内モラと外モラの板挟みとは、想像を絶するすさまじさですね。
ウメさんがそのモラ地獄を生き延びたのが不思議なくらい(笑)。
これからは、ウメさんのまわりにすてきな人だけが集まりますように・・・。
モラというのは、常に自分が正しい、
常に自分だけ、なんですよね~。
だからあんなに他人に向かって滅裂な言動をしても
平気なんでしょうね…。
私も不思議でしたよ。
なんか、信じられないモノを見ているみたいで
現実だとはなかなか思えませんでした。
しかも、始めの頃は仲良しでしたしね~。
(夫とも同じパターンでコワイです…)
この頃、今のところ私の人生史上で最悪最低な日々でした。
心が壊れそうになったら、
この地から逃亡しようと思ってました。
ちっこさん、ありがとうございます。
ちっこさんのブログもいつも読ませていただいています。
ちっこさんが日々格闘しているパワーを感じています。
ウメより
お忙しい毎日を送られているのですね。
この頃やっと秋らしい気候になってきましたが
マーチさんは、秋を楽しんでおられますか?
それにしても、このダブルパンチは恐ろしい状況でした。
なんか、悪いモノでも私に取り憑いているんじゃないかと
思ったくらいですよ~。
もう勘弁してくれ~!って感じでした。
思えば、この年は『大厄』の年齢だったんです。
これでもか、これでもかと、厄が降ってきました。
厄ってあるんですね~(←ってことにしておきます)。
あの頃が不思議なくらい、
今は職場にも恵まれ本当に穏やかな毎日です。
マーチさん、いつも読んでいただきありがとうございます。
お体大切にしてくださいませ~!
ウメより
ウメさん、すみません。いきなりこんな感想で。
元モラはいつも「自分だけが仕事してる」と言い切ってました。はい。
自分の実家で専務だったのですが社員の方々の苦しみはいかばかりか・・・。
心が痛みます・・・。
ウメさん、脱出?出来て本当に良かったですね!
私も心から嬉しく思います。
モラって、どこの人でも何かしらの共通点がありますね。
モラは、ほんとに「自分」だけ。いつも俺様ですよ。
自分が正しいから、他人の意見なんて
全く聞きませんもんね~。
私もあるところまでは頑張りましたが、
諦めのいいところで命拾いしました。
夏さん、ありがとうございます~☆
ウメより