4月になった。春、目覚めたように咲く花々が好きだ。一番好きなのは木蓮。寂しい裸の枝に、ほっこりと咲く花はまるで蝋燭がぽっ、ぽっと灯っているように見える。ひっそりと秘めていた力が、花となって現われる、そんなふうに感じるのだ。そして桜。春のエネルギーを一気に放出させるような見事な咲き振りに、ただただ見とれてしまう。
ただ、花は好きなのだが、私にとって基本的に春は苦手な季節だ。まず暖かくなったと思ったら、雪が降ったりするような不安定な気候。そして花粉症持ちの私はいつもこの時期、抗アレルギー薬とマスクを購入し、くしゃみ鼻水や喉のかゆみ発作に備えなければならない。もちろん洗濯物は室内干し。
更に仕事上でも歓送迎会に人事異動、業務の切り替えや新しいシステムの導入、前年度の決算等慌ただしい日々となる。
なので心身共に憂鬱な季節なのだ。昨日も土曜出勤だったし。。。はぁ~…しんど。
ということで、気分転換をしようと先日仕事帰りに映画を観た。
もともと私は映画が好きだ。結婚する前は友人と見たり、ひとりで観たりしたものだった。ただ夫と生活しているときは、自分の自由な時間はごく限られていたし、友人と楽しむ時間はほとんどなかった。夫と離れてから、仕事以外は殆ど自分の自由時間になったので時々仕事帰りに、映画を観るようになった。映画はやはり映画館で観るのがいい。あの大画面で観ていると、自分が映画の世界に入り込んだような感覚になる。どっぷりその世界に浸りきることができる。この非日常的な感覚が好きだ。今はレディースデイがあるので、ふんだんに活用させてもらっている。
私が観た映画の中で一番印象に残っていたのは彫刻家、ロダンの弟子である『カミーユ・クローデル』だ。イザベラ・アジャーニの鬼気迫る演技が心に残った。ヴィム・ベンダースの『ベルリン天使の歌』、タルコフスキーの『サクリファイス』は名作だからと観たものの当時の私の頭ではいまひとつよくわからなかった。象徴的かつ哲学的で難しかったな。『猫は行方不明』、『仕立屋の恋』などフランス映画はちょっと風変わりだが味がある。恋愛を通して人種差別を描いた『ジャングルフィーバー』、南アフリカの苛酷な人種隔離政策への告発『遠い夜明け』などシリアスなもの、戦争ものも好きだった。『プラトーン』『7月4日に生まれて』『サルバドル』『シンドラーのリスト』『戦場のピアニスト』『トンネル』なども印象に残った映画だ。特にナチスドイツ戦禍の人間模様を描いたものに秀逸な映画が多いと感じる。宮崎駿のアニメも好きで欠かさず観た。『風の谷のナウシカ』は、涙が止まらなかった。後からこの原作も夢中になって読んだが、この壮大な物語を一編の映画にするのはちょっと無理があるかなあ。動物ものドキュメンタリー的映画も大好きだ。『WATARIDORI』は結婚後に夫が出張中に観に行った。私はバードウォッチングが趣味で、特に冬の水鳥たちが好きだったので、鳥の渡りをひたすら追ったこの映画には胸が躍った。また夫と別居後に観た『皇帝ペンギン』この時間も、ペンギンたちはブリザードにさらされながらじっと耐え生きているんだと思うと涙が出た。そして自分の身に重ね合わせたものだった。私はすぐ映画に感情移入するたちなのだ。
実はファンタジーものも好きだ。ハリーポッターシリーズは、ずっと原作で読んでいた。映画を観たときは原作のイメージそのままで、その世界を再現する高度なCG技術には驚いたものだ。そして、以前からとても楽しみにしている映画があった。『ナルニア国物語』だ。
私は子どもの頃から本が好きで、特にファンタジーものや推理小説などが大好きだった。ムーミン谷のシリーズ、ドリトル先生シリーズ、アルセーヌ・ルパンやシャーロック・ホームズもの…そしてナルニア国物語のシリーズ。詳細は覚えていなかったが、大まかなあらすじは記憶にあり、この映画の宣伝をしていたときに、私はナルニア国物語がとても好きだったことを思い出したのだ。それまでそんなことすっかり忘れていたのに。
そして先日『ナルニア国物語』の映画を観た。頭の中で想像を巡らし、心躍らせたあの頃が蘇る。あの挿絵から導かれ生き生きと動き出す世界。そう、私は子どもの頃、この物語を夢中になって読んでいた。毎日のように図書館に通い読みふけっていた。図書館への道筋、建物、館内に並べられた本などが次々に思い出された。
私はこの物語を楽しむと同時に、懐かしさで心がいっぱいになった。
子どもの頃の忘れていた記憶が突如意識の中に飛び出してくる。ああ、私は子どもの頃、そんなふうに楽しんでいたんだ。そんなふうに日々生きていたんだ…。不思議な感覚だった。子どもの頃遊んだあの公園、図書館への道をもう一度歩いてみたい。あの頃の私自身に会ってみたい…。
ナルニア国物語、もう一度観ようかなぁ。。。
ただ、花は好きなのだが、私にとって基本的に春は苦手な季節だ。まず暖かくなったと思ったら、雪が降ったりするような不安定な気候。そして花粉症持ちの私はいつもこの時期、抗アレルギー薬とマスクを購入し、くしゃみ鼻水や喉のかゆみ発作に備えなければならない。もちろん洗濯物は室内干し。
更に仕事上でも歓送迎会に人事異動、業務の切り替えや新しいシステムの導入、前年度の決算等慌ただしい日々となる。
なので心身共に憂鬱な季節なのだ。昨日も土曜出勤だったし。。。はぁ~…しんど。
ということで、気分転換をしようと先日仕事帰りに映画を観た。
もともと私は映画が好きだ。結婚する前は友人と見たり、ひとりで観たりしたものだった。ただ夫と生活しているときは、自分の自由な時間はごく限られていたし、友人と楽しむ時間はほとんどなかった。夫と離れてから、仕事以外は殆ど自分の自由時間になったので時々仕事帰りに、映画を観るようになった。映画はやはり映画館で観るのがいい。あの大画面で観ていると、自分が映画の世界に入り込んだような感覚になる。どっぷりその世界に浸りきることができる。この非日常的な感覚が好きだ。今はレディースデイがあるので、ふんだんに活用させてもらっている。
私が観た映画の中で一番印象に残っていたのは彫刻家、ロダンの弟子である『カミーユ・クローデル』だ。イザベラ・アジャーニの鬼気迫る演技が心に残った。ヴィム・ベンダースの『ベルリン天使の歌』、タルコフスキーの『サクリファイス』は名作だからと観たものの当時の私の頭ではいまひとつよくわからなかった。象徴的かつ哲学的で難しかったな。『猫は行方不明』、『仕立屋の恋』などフランス映画はちょっと風変わりだが味がある。恋愛を通して人種差別を描いた『ジャングルフィーバー』、南アフリカの苛酷な人種隔離政策への告発『遠い夜明け』などシリアスなもの、戦争ものも好きだった。『プラトーン』『7月4日に生まれて』『サルバドル』『シンドラーのリスト』『戦場のピアニスト』『トンネル』なども印象に残った映画だ。特にナチスドイツ戦禍の人間模様を描いたものに秀逸な映画が多いと感じる。宮崎駿のアニメも好きで欠かさず観た。『風の谷のナウシカ』は、涙が止まらなかった。後からこの原作も夢中になって読んだが、この壮大な物語を一編の映画にするのはちょっと無理があるかなあ。動物ものドキュメンタリー的映画も大好きだ。『WATARIDORI』は結婚後に夫が出張中に観に行った。私はバードウォッチングが趣味で、特に冬の水鳥たちが好きだったので、鳥の渡りをひたすら追ったこの映画には胸が躍った。また夫と別居後に観た『皇帝ペンギン』この時間も、ペンギンたちはブリザードにさらされながらじっと耐え生きているんだと思うと涙が出た。そして自分の身に重ね合わせたものだった。私はすぐ映画に感情移入するたちなのだ。
実はファンタジーものも好きだ。ハリーポッターシリーズは、ずっと原作で読んでいた。映画を観たときは原作のイメージそのままで、その世界を再現する高度なCG技術には驚いたものだ。そして、以前からとても楽しみにしている映画があった。『ナルニア国物語』だ。
私は子どもの頃から本が好きで、特にファンタジーものや推理小説などが大好きだった。ムーミン谷のシリーズ、ドリトル先生シリーズ、アルセーヌ・ルパンやシャーロック・ホームズもの…そしてナルニア国物語のシリーズ。詳細は覚えていなかったが、大まかなあらすじは記憶にあり、この映画の宣伝をしていたときに、私はナルニア国物語がとても好きだったことを思い出したのだ。それまでそんなことすっかり忘れていたのに。
そして先日『ナルニア国物語』の映画を観た。頭の中で想像を巡らし、心躍らせたあの頃が蘇る。あの挿絵から導かれ生き生きと動き出す世界。そう、私は子どもの頃、この物語を夢中になって読んでいた。毎日のように図書館に通い読みふけっていた。図書館への道筋、建物、館内に並べられた本などが次々に思い出された。
私はこの物語を楽しむと同時に、懐かしさで心がいっぱいになった。
子どもの頃の忘れていた記憶が突如意識の中に飛び出してくる。ああ、私は子どもの頃、そんなふうに楽しんでいたんだ。そんなふうに日々生きていたんだ…。不思議な感覚だった。子どもの頃遊んだあの公園、図書館への道をもう一度歩いてみたい。あの頃の私自身に会ってみたい…。
ナルニア国物語、もう一度観ようかなぁ。。。
私も木蓮が一番好きです。ウメさんがそう書かれているのを読んで、書き込みさせて頂きたくなりました。
私も今一人暮らしです。夫はモラハラではなかったのですが、色々な理由が重なり合って、昨年離婚しました。仕事を見つけて生活を立てていかなくてはと思いながら、これまた色々な理由から動けず、宙に浮いたような状態がずっと続いていたのですが、ようやく、なんとか、動き出せそうな気持ちになってきました。
ウメさんは大変な経験をされながら仕事を続けて、今ちゃんと一人で生活している、と、自分も頑張らなくてはという気持ちとそうできていない自分への情けない気持ちでいましたが、前記事の「不安とくやしさと」を読んで、少し楽になりました。
映画っていいですね。『プラトーン』『7月4日に生まれて』『シンドラーのリスト』、『風の谷のナウシカ』は私も観ました。『皇帝ペンギン』をウメさんが自分に重ね合わせられたのは、わかる気がします。
ウメさんのブログ、これからも楽しみにしています。
フランス映画も好きでした・・・・・
なのに最近単純な善悪がはっきりしているアメリカのドラマがお好みになってきました。
「24」「ER]ア-リ-マイラブ」疲れているのかなぁ。「24」にあんなにはまってしまうなんて。
ウメさんの読んだ、ドリトル先生シリーズ、アルセーヌ・ルパンやシャーロック・ホームズは私も大好きで夢中になりました。「指輪物語」も絶対おもしろいと思って高校生の時に一気に買って一冊目で挫折したのが古傷になっております。とほほほ・・・
駒さんも木蓮がお好きなのですか(^^)
今の季節、木蓮の花がきれいですよね~。
そして駒さんもおひとりで生活されているのですね。
どんな理由にしろ、結婚生活に終止符を打つというのは
心に大きな傷を伴う大変なことだと思います。
駒さんもきっとお辛い思いを沢山されたのではないでしょうか。
私は、今はなんとか生活していますが
いつどうなるか、なんて考え出すと不安になります。
でも、とにかくやるしかないなあ、と開き直りの心境ですよ~。
駒さん、大変な出来事を乗り越えてきたのですから
エネルギーが湧いてくるまで時間がかかるのも
当然かと思いますよ。
焦らずにできるところからやってみてくださいね。
駒さんも映画がお好きなのですね。
好みが似ているかもしれませんね。
面白かった映画などありましたら
また教えてください!
ありがとうございます~☆
ウメより
文旦さんも映画好きなのですね(^^)
フランス映画は、あの何ともいえない
不思議な雰囲気が好きなんです。
ラストもいつも予想外の展開ですし。
わけわからないまま終わったり。
アメリカの映画は…ちょっと見始めたら
大方のストーリーが見えてしまうんですよね。
水戸黄門、あるいは暴れん坊将軍みたいな感じ。
アカデミー賞をとった『クラッシュ』も観ましたが
登場人物の点が線になり、伏線ありながら
繋がっていくストーリー展開は唸らせましたが
やはり、アメリカ的善悪の単純さが見えてしまうのですよね…。
ただ娯楽と割り切って楽しむこともありますけどね
(トップガンとかビバリーヒルズコップとか!)。
そして文旦さんもドリトル先生ですか~♪
私もね、実は指輪物語の文庫本を友人からもらったのですが
文字が恐ろしく小さいことと、登場人物があまりに多くて
覚えられずに頓挫しました~(^^;)
文旦さん、また面白い本や映画があったら教えてくださいね~!
ウメより
ビデオで見た「ベティブルー」「赤い薔薇ソースの伝説」は理不尽な結末に自分を重ね合わせて涙涙。
私は「妄想のひと」なので原作を読むのが好き。お勧めは「パトリシア・コーンウェルの検視官シリーズ」。もう10年読み続けてます。やっぱり登場人物の名前がなかなか覚えられません。映像になって裏切らなかったのは、やっぱ「ハリポタ」ですね。
明日から夫がまた出張なので、花粉症のヒッキーは読書三昧といきましょうか。。。
その頃のウメさんが今のウメさんへと繋がっているんですね
私は今図書館通いですね
読書は主婦になってからです
もっと子供の頃からいろいろ読んでいれば良かったなって思います
映画は私も好きです
友達と観るのも良いけれど一人で観る方が
観終わった後の余韻を楽しめるので好きです
(前記事のコメントに書くべきか迷いましたが、時間的に逆になってしまうので、このままこちらに書かせてください)
一人で生きていくことの不安、結婚生活が崩れ去ったことへのくやしさ(私の場合は空しさに近いですが)、すごく共感しました。
一緒に築いて行こうと思って始めたはずのものが、だめになっていく、それがわかっていても止められない、崩れていくのをどうにもできない。・・・・・そのことへの気持ちはもちろんあったはずなのに、考えること、感じることを多分止めてきたと思います。
>どんな理由にしろ、結婚生活に終止符を打つというのは
心に大きな傷を伴う大変なことだと思います。
ウメさんがこう書いてくださったのを読んで、ああ、自分は傷ついていたんだ、という気持ちと、初めて「心」に思いを寄せてもらえた思いがしました。
長々とすみません、ウメさんのお返事がとても嬉しかったです。
『ベティーブルー』は私も観ましたが、痛々しさと衝撃のラストに
しばらく立ち直れませんでした…(^^;)
同じく救いようのない現実にどよよ~んとなったのが
『ダンサー・イン・ザ・ダーク』でした。。。
>「パトリシア・コーンウェルの検視官シリーズ」
面白いのですか?私も機会があれば読んでみようかな。
私は宮本輝に一時期はまってました。
天童荒太とかも。
最近は小説、あまり読んでいませんが、
こんな話しをしていると何だか読みたくなってきましたね~。
また面白い本があったら教えてくださいね。
ウメより
ちっこさんが、私のブログから
いろいろ想像を巡らせてくださること、
何だか嬉しいですね。
ちっこさんは図書館でどんな本を選ぶのですか?
私は、たま~に行ったりしますが
最近はつい雑誌だけ読んで返ってしまいます。
映画はものによって、友人と分かち合いたいときもあれば
ひとりでしみじみと噛みしめたい内容もありますね。
なんて、殆どひとりで行っている私なのですが…(^^;)
またちっこさんのお好きな映画も教えてくださいね。
ウメより
>一緒に築いて行こうと思って始めたはずのものが、だめになっていく、それがわかっていても止められない、崩れていくのをどうにもできない。・・・・・そのことへの気持ちはもちろんあったはずなのに、考えること、感じることを多分止めてきたと思います。
駒さん、私も同じでした。
夫と時を重ね、築いていきたかったのに、
どうしてもそれは叶わなかった。
何とかしようともがき苦しんでいたのに
それを見ないようにして、悪循環になりました。
今まで、駒さんはひとりでぐっとこらえて
おられたのではないかと感じました。
きっともう十分頑張られたはずです。
どうか駒さんがもともとお持ちになっていた
ご自身の力を取り戻すことができますよう
願っています。
またいつでもいらしてくださいね。
駒さんのお気持ちを伝えてくださって嬉しかったです。
ウメより