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うどんのこと香川のこと

開店後、ほぼ週1ペースの更新になってます。
しばらく、主なテーマに信号番号の設置を加えようと思います。

商人として舵を切る

2008-02-17 06:38:42 | Weblog
うどんジムも退職して、2年経ちました。
開店からは、まだもう少しありますが、おおむね、過去2年の損益はわかりました。

開業時の目標と比較して

客数は、かなり超えてます。
しかし、利益はそうでもない。
理由は、客数が増えるにしたがって客単価が下がることと、想像以上に、設備投資と修繕がいるということと、ネギや無料トッピングの比率をやや甘く見ていたこと、光熱費と食用油、小麦粉などでコストアップしたことが理由ですかね。

評判においても、開業前は、どんな形でも10年は、ネット上でも雑誌でも何かのランキングに入るとは思ってませんでした。
賛否はいろいろあるでしょうけど、うどんジムの想像をこの点ははるかに越えてます。
ただ、物事には両面の見方があって、知名度が上がったり、各種メディアに取り上げられれば、儲かるかというと、まだ長い目ではわかりませんが、必ずしも短期で結果が出るものでもないということで、むしろ難しさを感じさせもします。

ぽつり、ぽつりと、そういうルートから初来店されたという方もいらっしゃるので、何か反応は返ってきます。
やはり、前とその前で書いたように、長い継続ということが意味を持ってくるのだと思います。
そのためにも、失敗を避けるということがネガティブに見えて発展のカギなのだと思う。

あと、うどんジムのライフワークとしての、地域や業界の問題の研究や解決のための拠点や人脈のようなものも、栗林公園前に拠点を持ったり、地域ブログに参加するなどもあって、予定よりも順調に行ってる感がある。

2会計年度の数字を見て、うちは成長力は感じるが、そう儲かってないことは間違いない。

もともと、利益はほしいに決まってるが、考えてこなかった。
2年間で、客数をとにかく確保して、商売の骨格をととのえることが先だと考え、骨格の中の率は大枠以外はほとんど無視していたとこがある。

そして、重視していたことやもともと得意としていたことは、ほとんど全部できた。
昔からの日常として、うどんジムはパイを大きくすることは、苦手ではなかったが、そこで自分の取り分を主張することは苦手だった。
また、社交的で、知人は増える方だと感じていたが、雑用断り下手で、損得勘定でいうとあまり得する方でもなかったように思う。

幼少から、練習して習得する目標のようなものばかり重視してきて、そういう喜びの大きさに慣れ親しみ過ぎて、金銭や財物からの喜びを得るセンスが育たなかったのかもしれない。
ただでロレックスくれると言われても、欲しいとは感じない。

ただ、利益を出してないと、自分もそうだし、自分の周りの人間や人間関係が安定しないことが多い。
また、経済人となると、利益を出してない人の言うことは信用されない。
そうすると、利益を出すということは、バカバカしいマスメディアがその追求を悪いように書くことがあるし、それに同調する人もいるが、ほんとうは絶対にして至高の善なのだと思う。

ある意味、うどんジムは商人とか経済人としての正道に対して、地域問題研究家や自己実現家としての別の正道に気がいって、踏み外していたのかもしれない。
これは、名著「7つの習慣」的にいえば、うどんジムがプロセスとして必ず踏まなければならなかったもので、これを経ずに、利益を求めるということはありえなかったのだと思っている。

うどんジムは、勤め時代に、もともと物欲は大きい方でなかっただけに、いい家に住むとか、好きな車や服を買うとか、海外旅行をするとか、そういう願望はほぼ満たされてしまった。
大したことはしてないんですけど、興味が極端に薄れた。
これも、そうでないことに気持ちを向かわせるために必要なプロセスで、物欲が満たされなかったら、今ほど純粋に、地域や業界の問題の探求や解決策の模索に気持ちを向かわせられなかったとも思う。

あることに興味が出るには、何かへの興味が一段落するという順がいるのかもしれない。

ここのところ、やっとのことで、商人らしく普通に利益を出して、それを充実、拡大させるということに初めて気持ちを向かわせる土台ができたと感じてきた。

続 長く続けることの財務面からの評価

2008-02-17 05:08:29 | Weblog
大したことがあって、「続」にしてるわけでもないけど

元利均等払いだと、最初の方は返済金に占める利息の比率が高いので、年間に、120万返して、60万別に借りたりすると、年末に債務残高が増えてしまいます。
わかりきったことでも、気分的には、がっかりします。

これが次の年になると、営業全体のコストと売上が同じなら、返済に占める元金の率が上がるので、債務がちょっとずつ減ってくる。

また、開業時に設備投資や買う道具が多くなるが、これらの中で大物は、普通だと6年とか7年で償却するのかな?
1000万開業費扱いの設備投資があって、仮に1年で100数十万の償却だとしても、だいたい実際は20年以上もちます。

うちは、前の店主が使ってた、昭和の機械がけっこうありますが、問題なく使えてます。
すると、税務的には、現金流出のない費用がなくなるので不利ですが、利益はじわっと出てきます。

ところが、2年で店をたたむようなことになったら、借入れの元金は減ってないうえに、1000万を2年で償却することになります。
実際に、開業時の設備の修繕に、20年で1000万追加投入しても、金利を無視したら、年100万なのに、それが500万になったら、利益なんか出るわけがありません。
で、だいたい実際に、製麺関係の機械も道具も、冷蔵庫や流し台や冷水機など、20年もたないものはまずありません。
サービス向上のためにもっと良くして更新するのは自由だけど、問題なく使えるでしょう。

早くやめると、まず、設備が売れることはありませんから、職失って、借金だけが残ります。

長くやると必ずしもいいとはいいませんが、短くしてやめると、特にうどん店は洋服や雑貨店と違って、初期の設備投資が大きいのでとても不利なことが多いと思う。

財務面とはいいませんが、長くやってると、商売の感覚がつかめてくるのか、顧客の層ができてくるのか、いろいろ人脈などができてくるのか、いろいろあって、やめることになっても、他のことで再起できそうな感じがしてくるし、応援してくれる人も現れると思います。
うどんジムも半年でやめてたら、バイトに行く以外に何もできる可能性を感じなかったけど、今なら、他にいくつか業種を変えてできそうに思うことがあります。

これが、短くしてやめると、再起のノウハウもできないし、応援人脈もないし、次に、仮にうどんやめて、たとえば、飲み屋かカレー屋でもやるときに、ある程度計算できる程度に確定させておきたい販売先たる固定客層が育っていません。
また、銀行の態度も違ってくると思います。
1年でもきちんと返しておけば、新規の場合と信用が全然違います。
10年もまじめに返してたら、無謀なことを言わん限りは、親身に考えてくれる可能性は高いと思います。

やる予定はありませんが、
明らかにまずいうどんを出してなかったり、うどん屋として、気に入ってくれてた方がいたなら、近所で居酒屋を仮に出した場合は、固定客だったサラリーマンの方は、一度は来てくれる確率がかなり高いと思うし、そんなに行って失敗と思うような店にはならないだろうという安心感をある程度もってくれてると思います。

よく、飲食は、毎年同じことをやってたら、必ず売上が落ちるよ。
と言われますが、

外界の状況も変わるし、大きなお店は目新しいことをやり続けないといけないほど目標も大きいし、広告宣伝も打ってたりします。

ところが、うちのような、商圏が狭く、目標も小さく、広告宣伝も少ないとこだと、評判が普通程度であれば、まったく同じことを毎年やってても、競合が増えたり、オフィスが減るなど、外界が変わらなければ、じわっっとお客さんは増えてくると思います。
レジャー感覚の必要なお店なら、目新しさがいるかもしれないけど、うちにそういうことを期待される方はまずいません。
ただ、重要ではないけど、やっぱりちょっとは何か変えていった方がいいのは、間違いないと思います。

また、香川のうどん店の場合は、モノで多少でも評判が取れる何かがあれば、お客さんが自発的に広告宣伝どんどんしてくれます。

この1週間でも目的はわかりませんし、HPなどにアップされるかはわかりませんが、10人ぐらいは、うどんの写真を撮っていかれる方がいらっしゃいました。
また、行政やコンベンションビューローのような半官のとこまで、パンフレットマップつくって広告してくれますし、全店制覇のような本も出ます。
モノに原価や手間を多少かけ気味にしておけば、いい具合に、顧客満足と広告宣伝が両方得られる可能性が高いと思います。

この効果も長くやると効果が累積し、チャンスも高まるのではないかと思います。