KEEP ON SMILING!

治らぬなら
治してみせよう
SLE
※SLEとはステキなレディーがなるエレガントな病気である。

母と梅田へ

2006-02-20 22:30:52 | ☆日記・随筆☆
昨日の夜、友達から久々に電話がかかってくる。
最近よく友達から電話があるなあ。
もしかして人気者!? なんて自意識過剰な気持ちが芽生えてくる。
だがすべて女友達だ。
どうやら女にはもてるらしい。

友達は仕事に疲れていた。
疲れ果てていた。
まさに「疲労困憊(こんぱい)」という言葉がぴったりだ。

彼女は超有名企業のキャリアウーマン。
帰国子女でなくとも英語は堪能、頭の回転も速く、論理的に物を話す。
それでいてちっとも鼻につくところがなく、すばらしい尊敬している友人の一人だ。
弱音なんて全然はかない。
そんな彼女が昨日は本当に疲れて声に全然元気がなかったのだ。
今までの三倍以上の仕事を任されて毎日帰りが遅くふらふらの状態らしい。
多分彼女はかなり優秀なので、そんなに大量の仕事を任されたのだと思うが、今までさまざまなことをそつなくこなす姿しか見たことない私はかなりびっくりしてしまった。
彼女が音をあげるほどの仕事量というのは想像を絶する。
そして彼女のことがすごく心配になった。

大丈夫なのかなあ……。

明らかに難病患者の私よりずっとずっと元気がない。
かわいそうに。
ひたすら「癒されたい」ばかり言っている。
本当だ、彼女には癒しが足りない。
どうしたら癒されるだろう。
私には何かできないだろうか。

そしてふと思いたった。
彼女は誕生日が近い。
何か癒しグッズをプレゼントしよう。
よし、病院の帰りに梅田に寄って探してみよう。

「病院の帰りにちょっと梅田寄って友達の誕生日プレゼント見てくるわ~」
と母に言うと、
「おかあちゃんも行く~」
と言い出した。
まあ、別に来てもかまわないが。
というわけで、今日は病院帰りに母と梅田に向かうこととなった。

今日の天気はやはり雨。
さすが雨女の母だ。
日光を避けなければならない私にとっては都合のいい女だ。

友達のプレゼントを探していて一番強く感じたこと。

無職はつらい~

ああ、お金があったらこれをあげたい。
もっとお金があったらこれをあげるのに。

私が何回これを思っただろう。
無職なこと、自分にお金がないことが一番辛く感じる瞬間だ。

アロマの匂いでリラックスできる枕とかをあげたかった。
それかリラックスのできる音楽のCD。
どちらもかなりの予算オーバー。
ごめんよ、本当に。
無職で無力な私を許して。
結局予算内の安い癒しグッズを購入した。
なんだか無念な思いでいっぱいだった。

目的の物を購入したところで母が言う。
「おかあちゃん、お茶したい」
はいはい。買い物付き合ってもらったんだからいいですよ。
そこで近くの喫茶店に入ろうとする。
外のショーウィンドウでケーキセットを見つけ、母が言う。
「うわー最近のケーキセットは750円もするの!!」
「お母さん、ケーキセット750円は安い方ちゃうか。おしゃれなカフェならもっとすんで」
しかし、そんなえらそうなことを言ってはみたものの、ucho家には750円のケーキセットを二人分も頼む余裕はなかった。
ucho家も落ちぶれたものだ。
私としてはそこまでケーキセットを食べたいわけでもなかったので別に喫茶店に入らなくてもよかったのだが、母がどうしても食べたいということで二人で750円のケーキセットを分けることにした。
貧乏の極地だ。
そして自分の家が貧乏なことをネットで公表してしまっている私はアホだ。
だが、ケーキは常温だったが極度な知覚過敏の私は常温のものがしみるのでほとんど母が食べ、ケーキセットの紅茶があったかいので紅茶は全部私が飲んだ。
母は自分用の飲み物にクリームソーダまで注文していた。
本当に予算がなかったのかクリームソーダとケーキを食べようとする母の策略だったのかいささか疑問をもたずにはいられない。

ケーキセットを食べたあとは紀伊国屋へと向かった。
まっすぐ洋書のコーナーへ。
紀伊国屋の洋書のコーナーは充実している。

NANAの英語版を発見した。
NANAのドイツ語版も発見した。
そして、私は悔しがった。
なぜドイツ語? 
私が手をつけていない言語じゃないか。
しゃべることはできなくてもフランス語やスペイン語だったら知っている単語を見つける喜びを感じることができるのに、ドイツ語では歯がたたない。

気をとりなおして多言語のコーナーへ。
スペイン語の本が一番上に並べてあり、背の低い私には到底届かない。
ぱらぱらと中身が見たいだけなので、店員さんに言ってとってもらうわけにもいかず、ただただタイトルを見つめていた。
私より背が低くさらに役に立たない母は、多言語どころか英語も分からないため変にうろうろしていた。
ちょこまかと動く姿は何か小動物のようだ。
しかし私もよく小動物のようだと友達に言われるので似たもの親子なのかもしれない。
おかしなところで血のつながりを感じた瞬間だ。

その後英語のペーパーバックで面白そうなものを見つけ、欲望と葛藤しながら店をあとにした。
家に帰るともう暗かった。
さすがに疲れた。
今日はよく寝て明日からプレドニンとプレディニンに守られて生きていこう。
さあ、また明日から勉強頑張ることにしよう


免疫抑制剤とご対面★

2006-02-20 21:25:05 | ☆健康☆
今日私が一番口惜しかったこと。
それはダンディアンがえらく大きなマスクをしていたことだ。
ほとんど顔が隠れた状態。
それではいつものダンディーさが半減だ。
診察室に入って、何よりもその大きなマスクにショックを受けた。
だからハゲを見せるのを忘れてしまった。
やはりやってしまった。
予想通りだ。

今日先生が何回も私に言ってくれた言葉がある。
約十分の診察で三回も。

「好きだ」という愛の告白。

じゃなくて、

「病気の活動性が高い」

だそーです。

三分に一回も「病気の活動性が高い」と言われてしまった。
先生、そこまで念を押さなくても……。

でも、そう言われてふと気付く。
私はとても元気な気でいたが(実際元気)、普通の健康な人の元気じゃない。
ステロイドという薬によって体が元気なだけだ。
もしステロイドを飲んでいなかったら、病気の活動性が高いわけだからきっと体は全く動かず寝たきりで体の痛さに悲鳴をあげているかもしれない。
髪だってハゲとはいえ今はまだ残っているが、増毛作用のあるステロイドを飲んでいなかったら、つんつるてんになっているかもしれない。
今私は病気の活動性が高いんだ。
体は元気なわけじゃない(心はとても元気だが)。
もっとそこを理解しなければだめだ。

免疫抑制剤の話になる。

「uchoさんの活動性を考えると、免疫抑制剤を使わないともう活動性を下げることができないと思う。でもどうしてもいやならやめておくけど」

「もうステロイド多いのがいやです」と正直に答える。

「そうだね、病気の活動性とステロイドの量を考えると今でも出産は無理だしね。
ただ、uchoさんの病気の活動性を考えると免疫抑制剤も長期的に使わなきゃいけないと思う」

別にもう子どもも欲しいとはちっとも思わなくなってるし、そもそも全く結婚願望がなくなっているからかまわないのだが。
それより免疫抑制剤の他の副作用が気になる。

「先生、免疫抑制剤の妊娠のこと以外の副作用ってありますか?」

「使おうと思っているのはプレディニンという薬でね。妊娠のことに関しても数ヶ月の休薬期間をおけば可能といわれてはいる薬だけど、uchoさんの活動性を考えると切りにくいとは思う。他の副作用はぼくが診てきた中ではあまり聞いたことがない」

プレディニン!!!
聞いたことがある。
ブログをリンクさせてもらっているはまるりさんが以前使っていた薬だ。
はまるりさんは今もう飲んでいない。
ということはステロイドと違ってすぐにやめたりできる薬ということだ。
そうか、ダンディアン先生の言っている意味がやっと分かった。
薬が切れにくいのではなく、私の病気の活動性が高くて免疫抑制剤を使わずに活動性を下げることができないから薬を切るのが難しいだろうということだ。
つまり、病気の活動性を下げればいいのだ。
というか、よく考えれば完治させる気満々なのでいつか薬もなくなるだろう。
ステロイドだってゼロにする気満々だ。
免疫抑制剤が聞いたことのある薬だったのでだんだん気分が晴れやかになっていった。
それどころか完治への妄想が私を支配してきてしまった。
ブログを作ってよかった。
ブログを作ったからはまるりさんと出会い、プレディニンを知った。
そして今頃になってやっと先生の言う意味が分かって心も晴れやかだ。
はまるりさんに感謝だ。
ブログを作るきっかけを与えてくれたUKONくんに感謝だ。
このブログに訪れて私の体を心配してくださるみなさんに感謝だ。
そしてダンディアンのやさしさとかっこよさに感謝だ。

ずっとパソコンの画面を見続けていたダンディアンがこちらの方を向く。
唯一大きなマスクから隠れていない切れ長な目で私を見つめる。

「じゃあ、免疫抑制剤はじめてみましょうか?」

ああ、やはりかっこいい。
そんなに見つめられたらメロメロドッキュンだ。

因みに私は切れ長な目が好きだ。
濃い顔はだめだ。
男の人で目がぱっちりは無理だ。
男の人で自分より目が大きかったり、まつ毛が長かったりしたらさらにイヤだ。
妻夫木聡や平井堅より仲村トオルや田辺誠一がいい。
と私の趣味をここで主張する意味は全くない。

閑話休題。
というわけで、免疫抑制剤プレディニンを明日から服用だ。

因みになぜプレディニンを覚えていたかというと、プレドニンと名前が似ているためだ。
プレドニンとは、SLE患者には常識だが、ステロイドの薬の名前である。

見かけは似ていないが、なぜこんなに名前が似ているんだ。
プレドニンとプレディニン。
プレディニンとプレドニン。
これから私はプレドニンとプレディニンにお世話になるのだ。
それに加えてステロイドの副作用を止める薬もろもろ。
それにしてもなんだか響きが気にいった。
プレドニンとプレディニン、プレドニンとプレディニン……