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治してみせよう
SLE
※SLEとはステキなレディーがなるエレガントな病気である。

節分日記

2006-02-04 20:50:14 | ☆日記・随筆☆
日本人に生まれて24年。
今頃になって私は日本文化を大事にする心が芽生えた。

というわけで昨日は節分。
もちろんしっかり祝わなければならない。

だがここで一つ大問題がある。
節分に食べる海苔巻きだ。
海苔巻きというのは冷たい。
そして私は過度の知覚過敏。
今の私の知覚過敏の状態で海苔巻きを食べるというのは自殺行為だ。

買い物に出かける前に母が心配そうに尋ねる。

「uchoちゃん、海苔巻きどうする?」
「日本文化は守らねばならない」

我ながら馬鹿な返答。

「知覚過敏、大丈夫?」
「私は我慢強い女やから」

またもや馬鹿な返答。

実は、こんなに頑固に海苔巻きを食べたがっているが、私は海苔巻きがあまり好きではない。
海苔巻きに入っている具があまり好きなものがないのだ。
唯一、ねぎとろだけ大好きなのだが、ねぎとろなんて冷たすぎる。
でも仕方がない。日本文化だ。

とにかく、ひねくれ者の私は日本文化を守るため知覚過敏ながらに海苔巻きと戦うことを心に誓ったのであった。

すると、母は面白い海苔巻きを買ってきた。
なんとカツの海苔巻き。
最近のスーパーにはそんなものが売っているのか。
普通の海苔巻きが嫌いな子どものわがままへの対応策か。
そんなに最近の子どもを甘やかせていいものか。

とにかくカツの海苔巻きのカツだけ取り出し、トースターであたためてまた海苔巻きに入れる。
カツをあつあつにすれば海苔巻きのごはんもぬるくなり、冷たいねぎとろ巻きを食べるよりは歯にしみないはずだ。
母にしては素晴らしいアイデアだ。
母の愛に感謝だ。
いつも母をけなす私には珍しく、母を褒め称えた。
「なんて天才なの!!」
「やろ~、おかあちゃんもそう思う」
と、母はかなり鼻高々であったが、のちの豆まきで私に豆をぶつけられることになるとは知る由もない。
私はかなりの親不孝者なのだ。

さて、南南東を向いて黙って海苔巻きを食べるわけだが、毎年ばあちゃんは一本まるごと食べるまでしゃべっちゃいけないのが耐えられないらしい。
一口食べては「もうええやろ?」、また一口食べては「もうええやろ?」と言う。
それに母がジェスチャーで対応している図がかなり笑えるのだが、文章でうまくみなさんに表現できないのが非常に残念だ。

そして数え年分の豆を食べるが、ここで母が自分の年をなぜか間違う。
母は53歳。数え年なら54歳。
しかし母は、
「数え年で一つ足すから52やんなあ」
と言い出すので、
「何いってるん。今53やろ。そんなサバ読んだあかん」
と厳しく突っ込むと、
「えー、おかあちゃん、そんな年とってへん」
と悲しそうな顔をする。
いや、絶対母が間違っている。
私は29歳の時の子どもだから私の年齢に29を足したらいいのだ。
私は去年年女だったから24歳で間違いない。
だから母は現在53歳だ。
数え年で52なんて二歳もサバを読んでいる。
でも頑固な母は自分は51だと言い張って、数え年と生まれ年の表が載った本を見だした。
そして大きい目をいっそう丸く見開いて言う。
「あ~! おかあちゃん昭和27年生まれや! 数えで54や!」
だからそう言っているではないか。
実の娘の言うことを信用しなさすぎだ。
ましてや、おばさんの51歳と53歳に何の違いがあるのだ。
18歳と20歳の二歳差なら大きく違うのは分かるが、51歳と53歳の二歳の違いが私には見出せない。
非常にしょうもないことで五分以上口論したucho家の節分であった。