内田ブログ -ももくり3年書き始め-

中野新橋・内田工務店がお届けする楽しい日常顛末記

夜のフィラタウンへ

2013-06-25 | ギリシャ旅行記

私たちの泊まっているホテルはフィロスティファニという地域にあります。賑やかでおみあげやタベルナがいっぱいあるのは歩いて15分ほど離れたフィラの街です。

気が付いたら夕食がまだだった。疲れていたけれども崖っぷちを歩いてフィラの街へ食事にでも行こうということになった。

断崖の細いくねくねとした道を進むと明りの灯ったフィラの街が見える。それは初めて見れば、幻想的でロマンチックな気分は最高だ。

日が暮れるのは、夜の9時ごろ、それでも10時11時ともなると店も開いているところは少ない。開いている店の前には、店主らしきオヤジがたっていて客引きをしている。

どこの店に入ろうか迷っていたら、おいしそうな海鮮の炭火焼きをしている店があったので入ることにした。とても調子のいい店主で、ロマンチックなテーブルに二人を案内してくれた。

オーダーしていないのにカクテルが二つ、まあいいか、店主にカードは使えるかと聞くとOKの返事(ちょっと気が大きくなる)、グラスワインを頼もうとしたら、ボトルでいいのがあるというのでそれを頼んだ。すすめ上手のオヤジで愛想もいい。ギリシャ人はあまり愛想が良くないと聞いていたのに。まあいいか、タコ料理とムカサとそれに焼き魚を頼んだ。最初の夜だ、26時間もかけて旅してきた、少しぐらい贅沢してもいいだろう。お金を使いに来たのだから楽しくいくか、二人ともそんな気分でした。

ところが、焼き魚はうまくない、ほかの料理もこんなもんかなぁーという程度、ちょっとがっかり。それでも食べなければお腹が空いてる。疲れもあったが適度にふたりは食べ酔っ払った。そろそろチェックしてホテルに帰ろう。

「おじさん、チェックプリーズ」

「OK]

会計の場所に連れて行かれた。なんと275ユーロ!

ええそんなに高いのか!びっくり?

でも、やっとたどり着いて、ロマンチックなレストランでふたりで食事して仕方ないかと、ここで揉めるのもケチがつく、そう思って、OK、カードで払いますと言ったら、キャッシュだと言う。

ふたりは唖然?

ヨーロッパはカードの国。パリはバナナ一本からどんな小さな店でもカードで支払いできるのに。

ここはギリシャのエーゲ海の孤島。ヨーロッパの田舎なのだ。

それにしても、カードOKと言っといてオヤジはもう出てこない。ここの女主人が仕切ってる。

日本から持ってきたユーロは360、ここで275もキャッシュで払ったら、明日からどうすればいい。

でも疲れと酔いもある、ここで揉めるのは旅の出鼻がくじかれる。

悔しいけれど払った。(今にして思うと、はっきり抗議すべきだった。レシートを見ると不可解な項目があった。むしろ揉めてもいいから問うべきだった。反省。)

ホテルに戻る帰り道、嫌な雰囲気が流れる。

妻は私があの店が良いと言ったのが悪かったと後悔してるし、僕もなんで調子に乗っちゃったのかなと思ってるし、ぼられて悔しいし、この孤島に来て、現金が日本円にすると1万円しかないという不安で頭がおかしくなった。

全く、ロマンチックな夜が悲惨な夜になった。

これから楽しみにしていたふたりの夜も、疲労と後悔で、気分は最低、ふたりはただ寝た。

(明日は良い事が有りますように。)